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次に流行るお店

新鮮なホルモンとの出会いが、地元の食を
手がけるきっかけ。東京でリトル大阪を再現。
「ちりとり鍋 はまじろう」
(東京・浜松町/ちりとり鍋)

第202回 2008年1月16日

このボリュームで2人前! 野菜たっぷりで意外に低カロリーなちりとり鍋
東京・浜松町は文化放送の裏手あたり。周辺のビジネスマンはもとより、東京モノレールの起点駅として、羽田空港の利用客もにぎわうこの街の、飲食店集積エリアの一角に12月14日にオープンしたのが、ご紹介する「チリトリ鍋 はまじろう」だ。

 店名の「はまじろう」は運営する(株)LMG代表取締役・浜本次郎氏の名前から。オープン後約1か月。店長として、ランチタイムから含めて「はまじろう」の陣頭指揮をとる。

「集客の見込まれる12月にオープンしたせいもあり、業績は予想以上の手ごたえ」と、浜本氏。店舗面積約43坪の店内は、テーブル席オンリーのオープンスペースで、店内が一体となる和気あいあいとした空間だ。裸電球が灯り、ブロック塀の仕切りがあったりと、「貧相は避けつつも、あえてチープな内装にこだわった」という。「“おかん”が営むような、どこか懐かしいくつろぎの空間」。テーマは、ずばり「リトル大阪」だ。


外観


店頭屋台感覚のオープンスペース


カラフルに彩色したちりとり鍋がディスプレーされた遊び心あふれる店内

 大阪出身の浜本氏は、20歳のころから8年間、「創作料理・庵」などを展開する小林事務所で勤務。上京した4年前に、祐天寺で和風居酒屋の「感菜」をオープン。店舗オーナーとして独立を果たした。

「地元密着型の、こぢんまりとした和食店・感菜が軌道に乗ってきたところで、新業態をそろそろと。そんなとき、さる肉屋さんから、新鮮なホルモンが手に入ることになったのが、この店のオープンにいたるきっかけ」。

 素材のよさから、「普通の、博多もつ鍋じゃおもしろくない。なにか、個性のあるアピールができないか」。そう思って目をつけたのが、故郷の味のひとつである、ちりとり鍋というジャンル。

 ちりとり鍋とは、大阪・鶴橋のコリアンタウンを発祥にする、韓国版すき焼きともいえるもの。鉄板に牛ホルモンを引き、にんにく・タマネギ・キャベツ・もやしなど、鉄板からあふれんばかりの野菜をふんだんにのせ、味噌ベースのだしで煮込む、鉄板焼きと鍋料理をあわせたような料理だ。

 とある鉄工所の経営者が、ホルモン鍋の屋台をはじめるにあたり、吹きこぼれないように加工したステンレス製の底の浅い四角い鍋が、ちりとりに似ていることからこの愛称がついた。

「古くからある大阪下町の味ですが、みんなでワイワイ鍋をつつけるスタイルと、甘みのあるだしとホルモンの脂がマッチしたコクのある味わいで、近年になり大阪の中心地で大ブレイク中。東京でも専門店がポツポツオープンしている話題の業態。これなら、いいホルモンを生かせてオリジナリティも出せる、とオープンにふみきったんです」。

「はまじろう」のちりとり鍋は、味噌ベースの「赤」と塩ベースの「白」(いずれも1,480円・2人前から)の2酒類を用意する。ベースになるのは、ハラミスジ・アキレスなどの牛スジを6時間煮込み、野菜を加えてとったスープ。

 ここに、秘伝のテンジャン味噌を使用したものが、基本のテイストとなる大阪流の「赤」。さらに、「さっぱりと飽きのこない味を、ということで」開発した「はまじろう」のオリジナル・テイストが、長崎県の五島灘の本塩を使用した「白」。

 牛スジスープに、小腸・ギアラ・ハチノス・ハラミとたっぷりの野菜を加える。ネギは、柔らかく甘みのある九条ねぎを使用する。

「新鮮で臭みのないホルモンなので、素材の持ち味を生かした“白”もオススメ。われながら、よくできた逸品だと自負しています」と、浜本氏は自信たっぷり。追加メニューは、「ホルモン盛り合わせ」(980円)、「野菜盛り合わせ」(580円)、「九条ねぎ」(380円)など。締めには、肉と野菜のだしのうま味を残さず吸い取る、「おじやセット」(1人前380円)のほか「うどん」(1人前380円)も用意する。


ナムルたっぷり、ビビンバイメージの「はまじろうサラダ」(780円)


あっさりした関西だしに揚げた小腸が乗る「大阪名物かすうどんセット」(780円)

 ドリンクは、韓国由来のため「壺マッコリ」(1,800円)のほか、「濃厚な味のちりとり鍋に意外によく合う」と、ワイン(グラス550円・ボトル2,800円〜)とシャンパン(2,500円〜)を約10種類用意。

 東京ではまだ、なじみの薄いちりとり鍋。鉄板での具の返し方など、食べ方はどんどんスタッフに聞いてほしい、「ぼく自身フロアに出て、本場流のちりとり鍋の食べ方をアドバイスしています」と浜本氏。ランチメニューには、小腸をカリカリに揚げて刻んだ天かす状の、これまた大阪ではポピュラーな“かす”がトッピングされた「大阪名物かすうどんセット」(780円)もある。

「浜松町で大阪の下町に触れたいならココ。そんな風にいわれる活気あふれる店を目指していきたい」。

 今日もフロアで、ちりとり鍋指南に励む浜本氏。額の汗をぬぐいながら、大阪伝統の味の普及を図る。


浜本氏とともに活気あふれる大阪の雰囲気を再現するスタッフ一同


【ちりとり鍋 はまじろう】
住所 東京都港区浜松町1-20-8
電話番号 03-3433-7366
営業時間 11:30〜14:30(LO14:00)
17:00〜24:00(LO23:30)
定休日 日・祝
客席数 80席
客単価 昼800円、夜3500円
経営母体 株式会社LMG
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
前野 公彦(まえの きみひこ)  2007年12月26日取材

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