次に流行るお店
華麗で神秘的な宝石の名前を店名に頂いた、銀座に集う大人の社交場
「砂漠の薔薇」
(東京・銀座/ダイニングラウンジ)
第206回 2008年2月27日
和牛のカルパッチョ。食事の評判も良い。
経営はオペレーションファクトリーとスティルフーズが共同であたっており、エスオー有限責任事業組合という組織がこの店のために2社で立ち上げられた。
店名の由来にはストーリーが練られており、簡略化すれば、「地球温暖化が進んで砂漠と化した2100年のパリに設けられた、世界中のセレブが集う唯一のサロン」がイメージされている。未来のフランス政府がそのサロンに付けたコードネームが、「Desert Rose(砂漠の薔薇)」といった設定である。また、「Desert Rose(砂漠の薔薇)」とは、アフリカのサハラ砂漠などのオアシスのあった場所で採れる、薔薇の花のような形状をした不思議な宝石の名前でもある。
店内中央にそびえる巨大な薔薇
店内は、幾つかのシーンに分かれる。計80席ある“VIPソファーラウンジ”、“サブVIPソファーラウンジ”という2つのラウンジと、週末の金曜と土曜にはDJが入りダンスショーが催される50席の“ダイニング”が、食事を楽しむスペース。なお、ラウンジは金曜と土曜の22:00以降は、1人3000円または2000円のチャージが掛かり、2時間の時間制限が設けられている。
スタンディングバーは2つあり、両ラウンジとダイニングの間にある “アイランドバー”、ダイニングの奥にある赤を基調の色とした“レッドバー”とそれぞれ名付けられ、合わせて約20人のキャパがある。さらに3つの個室カラオケがあり、合わせて20席となっている。1グループにつき2万円の使用料が別途発生する。
アイランドバースペース
レッドバースペース
DJのプレイする音楽はハウスが中心。ダンスは1日に2〜3ステージ、各10分弱ほどの時間で行われ、ポールダンスとベリーダンスのダンサーたちが出演する。
顧客層は30歳前後のOL、サラリーマンが中心で、男女比は3:7で女性のほうが多く、女性だけのグループも目立つほどだ。4〜10人の合コンを含むグループ客が主流で、カップルはあまり多くない。
誕生パーティー、ウェディングの2次会などのパーティー需要が多く、現状は月に16本ほどが入っているという。顧客単価は5000円ほどである。また、昼間の営業時間外はおしゃれな空間をアピールして、ドラマ、映画、CM、雑誌の撮影場所として使われることがある。
同店パーティープランナーの寿健二氏によれば、「顧客の入りは木、金、土はいいのですが、日、月、火が弱く席数の半分が埋まるくらいでしょうか。いらっしゃったお客様の食事の評判がいいので、食事ができる店としてもっと認知度を高めていきたい」とのこと。新たに3800円のパーティープランを設定するなどの集客策を練っている。
フードは“オリエンタルイタリアン”を打ち出しているが、ベースはイタリアンで、飾りつけや香付けでオリエンタル色を添える演出が全般になされている。
前菜、メインの魚料理(1300〜1800円)及び肉料理(1500〜1800円)、6種類のパスタ(1000〜1500円)などメニュー数は50余りあり、なかなか豊富。デザート(各700円)が10種類そろっているのも女性受けする要因となっている。
仔羊のグリル
カルボナーラ 半熟卵を添えて
ドリンクはシャンパンとワインがメインだが、ビール、ウィスキー、焼酎、梅酒等々、日本酒と紹興酒を除く主たる酒類を取り揃えている(900円〜)。
この店の特徴として、まずスタンディングバーで軽く飲んで、ラウンジやダイニングで食事を取り、カラオケで盛り上がれるという使い方ができるし、スタンディングバーで軽く飲むだけでもかまわないという点が挙げられる。つまり、慣れた人にとっては使い勝手が非常に良い店になる可能性が高い。
そうした用途が顧客に浸透していけば、日曜、月曜、火曜の集客も改善されてくるはずで、知名度アップのための宣伝戦略と、顧客に使い方を上手に説明する店員教育が、現状の課題と言えるだろう。潜在的なパワーを秘めた店である。
パーティープランナーの寿氏
【砂漠の薔薇】
住所 | 東京都中央区銀座2-3-6 銀座並木通りビル6F |
電話番号 | 03-5159-7200 |
営業時間 | 日、月、火 18:00〜24:00 水、木 18:00〜翌3:00 金、土 18:00〜翌5:00 |
定休日 | なし |
客席数 | 150席 |
客単価 | 5000円 |
目標月商 | 1500万円 |
経営母体 | エスオー有限責任事業組合 |
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2008年2月21日取材