広告

RSSフィード

次に流行るお店

元板前・目利きオーナーが築地で直接買い付ける、旬の魚がリーズナブルに楽しめる
「むつ湊 新宿店」
(新宿/魚を楽しむ居酒屋)

第229回 2008年8月13日

「むつ湊」 外観
 新宿・歌舞伎町。夜ともなれば華やかで賑わいをみせるこの街に、その喧騒を忘れさせ、ほっと落ち着ける店が2008年6月9日オープンした。渋谷・道玄坂で、サラリーマンを中心に14年間愛され続ける「おいしい魚や むつ湊」の2号店だ。


店の脇にはいけすも。新鮮な魚が楽しめる

 経営は有限会社フードシステム二十一(渋谷区桜ヶ丘)で、代表取締役は、本間年勝氏。

 店名の「むつ湊」は、本間氏の出身である青森県の海の近くの駅の名前で、名物にもなっている「朝市」が開催される。新鮮な魚が沢山並び、行商のおばさん達が威勢よく魚を売る。朝市は、本間氏は子供の頃からよく訪れていたなじみ深い場所。そんな朝市のように、新鮮な魚を楽しめて、活気のある店にしたいと「むつ湊」と名付けたのだという。


魚自慢の店らしい、ずらりと並んだ産地が記載された看板

店で使う魚はすべて、元板前で魚に対する確かな目をもつ本間氏自らが、天然ものを中心に築地で買い付ける。それは、14年前の渋谷店のときから変わらない。
だからこそ、新鮮でリーズナブルな魚が楽しめる。


白木のカウンターが美しい

 店内は、木の温もりある、和食店らしい雰囲気。カウンター席とボックス式のテーブル席、奥には8人まで可能なテーブル席の個室がある。接待に使うお客さまも多いという。


テーブル席もボックス式で個室気分が味わえる

 ランチの営業もしている。6種類から選べる定食は、すべて1,000円以下。その中でも、「東京でもこれを食べれる店は、うちぐらいですよ」と胸を張るのは、鯖焼定食850円。この鯖、なんと芋焼酎に漬けて仕上げてあるのだ。通常の鯖焼に比べ、青魚の脂でありながらびっくりするほどまろやかな味わいだ。他にも、丁寧に煮付けられた金目鯛定食も人気だ。


イチオシの焼酎鯖焼定食 850円

 夜は、男性客が8割だというが、昼はランチも妥協したくない、本物志向の女性が半分を占めるという。



 夜は、酒と合わせるのにぴったりのメニューがずらりと並ぶ。お造りや、焼物、揚げ物、様々なスタイルの魚料理が楽しめるのはもちろんのこと、料理長が腕を奮う「創作料理」も。看板メニューともいえるのが「合鴨ロース」。粒マスタードのとの相性は抜群だ。
数は多くないが、厳選されたワインと合わせたい。


料理長が腕を奮う創作料理、合鴨ロース850円

 魚料理は、和食の原点ともいえる、素材を活かすシンプルなものが多い。グランドメニューのほかに、その日の仕入れによって追加される20種類ほどの「本日のおすすめ」も見逃せない。今一番美味しい、旬の魚が揃う。大分の蔵元で作る、店オリジナルの麦焼酎「むつ湊」との相性は抜群。その魚の美味しさは、お墨付きで、別の宴会を終えたお客さんが「口直しに」と食べに訪れるほどだ。


飲みやすさが好評のオリジナル麦焼酎

 料理はすべて、アラカルト。コースを作らないのは、「お客さん自身が食べたいものだけを食べて欲しいから」だそう。


さっぱりといただける、海鮮サラダ

 本間氏は、板前経験のあと他店でホールマネジメントの経験もあり、14年前に渋谷店を出したときには、当時の常連のお客さんから店頭に並びきらないほどのお祝いの花が届いたと言う。今でも可能な限り、各店舗で接客をする本間氏。魚の魅力はもちろんだが、「本間年勝」氏についているお客さんが多いのも事実だ。

 それは、本間氏の「お客さまのために、できることはやればいい」というそのスタイルからだろう。もちろんできないことはあるが、お客さんが「すき焼きが食べたい」と言えば、次回来店時には用意したこともあると言う。

「お客さまは、他にいくらでもすき焼きが食べれるところがあるのに、うちの店で食べたいとおっしゃるのだからそれはとても嬉しいこと。フランス料理を作れ、と言われたら難しいけどね」と笑う。

 また、そのお客さまに喜ばれるスタイルは、設定されている客単価にも現れている。サラリーマンのお客さんが、お小遣いの範囲で「旨いものが食べたい!」と訪れてもらえる価格であることにこだわり、この品質で5,000円を切る。

 このお客さまに愛される「むつ湊」ブランドに力を入れ、渋谷の本店の地下に4年前にオープンさせた姉妹店「彩花」も今年の7月1日「むつ湊別館」と名前を変えてリニューアルオープンした。

 また、「飲食店経営者であれば、銀座に店を出したい」と、年内の銀座店オープンに向けて物件探しに励む日々だ。

 同店は、現在はサラリーマンを中心に支持されているが、新橋の赤提灯に女性がふらりとあらわれるように、今後は舌の肥えた女性も多く訪れる店になっていくことだろう。


オーナーの本間年勝氏


【むつ湊 新宿店】
住所 東京都新宿区歌舞伎町2−10−5
電話番号 03-3207−8488
営業時間 11:45〜14:00(LO13:30)
17:00〜23:00(LO22:15)
定休日 日曜
客席数 32席
客単価 5000円
目標月商
開店日 2008年6月9日
経営母体 有限会社フードシステム二十一
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
鈴木 明日香(すずき あすか)     2008年7月29日取材

Page Top