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次に流行るお店

25年後に同じ場所で奇跡的に復活した、伝説のディスコ
「NIRVANA(ナバーナ)」
(東京・六本木/ディスコ)

第248回 2008年12月29日

ナバーナのネオンサイン。
「NIRVANA(ナバーナ)」はかつて一世を風靡したディスコが、25年の歳月を経て同じビルの同じ場所に復活した、奇跡的な店だ。

 最近、80年代リバイバルのブームに乗って、東京都内でも幾つかのディスコの名店が復活したが、元あったビルの同じフロアーにというのは初めてで、話題性は十分である。オープン日は、さる11月28日。


エントランス

 実際、販売促進において行ったのは、ホームページを立ち上げたくらいで、特にメディアに載ったわけではないのだが、クチコミで顧客が集まり、週末の金曜、土曜には500人近くもの入場がある盛況ぶりだ。

「元あった場所にできたのですから、当時ディスコで遊んでいた人たちは、リアルに懐かしいのでしょう。昔からディスコで知り合った仲間たちは、お互いをニックネームで呼び合うほどの連帯感があって、新しい店がいつオープンするかをよく知っていました。

 まして今はインターネットがありますから、巨大掲示板にコミュニティが勝手に立ち上がって、ナバーナの宣伝になっています。もちろん悪口も書かれますが、それも含めてナバーナの話題で盛り上がっているのは、期待の表れと受け止めています」とチーフバーテンダーの菅原裕之氏は、反響の大きさに顔をほころばす。


staffs(チーフバーテンダー菅原氏 左から3番目とスタッフの皆さん)

 内装に関しては、サーファー系ディスコの雄と言われていた、当時とそっくりそのままではないのだが、80年代ディスコの再現性という点では、どこにも負けない自負がある。なぜなら、店のスタッフは当時ディスコで黒服を張っていた経験者ぞろい。DJも当時ディスコでプレイして、人気を博していた当人が務めている。そのうえ、「ナバーナ」の元オーナーが顧問となっており、アドバイスを行っている。

 このように80年代ディスコの最前線で働き、80年代ディスコを誰よりも愛している人たちがつくっているから、本物の雰囲気が醸し出せるのだ。菅原氏もレキシントンとジオイドのOBだ。

 ディスコの特徴は何といっても幻惑の世界に誘うきらびやかな照明と、温かみのある、その頃ソウル、ブラックと呼ばれたダンス音楽。照明設備はミラーボール2台をはじめ、ムービング4台、エフェクター4台、ストロボ1台の他、スモークマシーンや各種特殊照明を完備。


ダンスフロア


ミラーボール


ミラーボールが回りきらびやかな照明でフロアーを盛り上げる。


ダンスフロアー奥に構える大きなDJブース。

 DJはディスコで飛躍のきっかけをつかみ、今は大御所になった6、7人のレギュラーが、日替わりで2人、3人で組んで出演するという豪華さだ。

 広さは120坪あり、大箱のほうに入るだろう。

 顧客層は当時20代の若者だった、40代、50代が中心で、席に座っている人はほとんどなく、皆踊っている。男女が向き合って踊るカップルダンスも再現されている。あたかも時が25年前に戻ったようだ。

 23歳以下や服装などが雰囲気に沿わない人の入場は断っているが、そこまで若い人は来ないし、皆ファッションには気合を入れてくるので、店の側としては全く心配していない。

「海外ではアンダー35はカットのような遊び場がたくさんあるのですが、日本ではほとんどありません。お客さんのほうで雰囲気をつくってくれていますので、大人の社交場を確立させる使命感を感じます」と菅原氏は張り切っている。


ダンスフロアーが目の前のハイテーブル。


テーブル席


ゴージャス感を醸し出すキラキラ光る簾状のカーテンがシートを区切る。

 入場料は男性2,500円、女性1,500円でワンドリンク付き。金曜と祝前日のみ男性3,500円、女性2,500円と1,000円ずつアップする。日曜は休みで、貸切のみの営業である。VIPの「ドンペリシート」もあり、2時間で1人6,000円だ。


ドンペリシートと呼ばれるラグジュアリーな空間。

 ドリンクは1杯700〜800円のキャッシュ・オン・デリバリーだが、氷点下2度で提供されるキリッと冷たい「ハイネケン・エクストラコールド」の生が味わえるのが売り。普通は氷結してしまう低温で液化している、この生ビールを提供するのは現在六本木では4店しかなく、ディスコではもちろん初めてだ。


バーカウンターには人気のシャンパンボトルがずらり。


零下の生ビール。

 また、おしゃれな人は、1杯1,200円の「モエ・エ・シャンドン」のグラスシャンパンをオーダーする人が多い。
顧客単価は3,000〜4,000円。1人で来る人もいれば、20人くらいの団体で来る人もいて、思い思いの遊び方で楽しんでいる模様だ。男女比では6:4で男性がやや多いが、日によっては女性のほうが圧倒的に多い日もあるという。

 大晦日にはカウントダウンのイベントが行われる。

 2008年流行語大賞に「アラフォー」が選ばれたように、30代後半から40代、50代のミドル世代へのサービス、商品の開発に注目が集まっている。大人の社交場が確立できるか。新生「ナバーナ」のチャレンジに期待したい。


【NIRVANA(ナバーナ)】
住所 東京都港区六本木3-13-12エルサビルB1F
電話番号 03-5771-2760
営業時間 19:00〜翌1:00
定休日 日曜(貸切のみ営業)
客席数 120席
客単価 3,500円
目標月商
開店日 2008年11月28日
経営母体 株式会社キサナ
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)     2008年12月24日取材

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