次に流行るお店
渋谷の繁華街では数少ない、ゆったりとくつろげる大人の隠れ家
「茶茶 このか」
(東京・渋谷/京都おばんざい)
第254回 2009年2月10日
今日のおばんざい 肉じゃが。
コンセプトは「茶茶」のこれまでの店と同じく、京都の家庭料理「おばんざい」を、和の伝統と現代のデザインが融合したモダンな空間で食べられて、ゆっくりと飲める店。場所は渋谷の井の頭通り、「東急ハンズ」の手前でインテリア「フランフラン」が入居する新築ビルの4階にあるが、渋谷らしからぬ落ち着いた大人の隠れ家の雰囲気が漂っている。
入居する新築ビル
外看板
エントランス
デザインは「茶茶」の店舗をこれまでも手掛けてきた、京都在住の辻村久信氏が担当。今回は店名の「このか」は「木の香」を意味する。樹木の木目と、緑や桜色をアクセントとして配したカラーリングで、「木の香」に満ちた空間を構築している。全般に「茶茶」の中では色合いが明るめな表現で、無駄を省いたシンプルでモダンなインテリアとなっている。
テーブル席が3つのゾーンに分かれ、個室が9つある構成である。
店内
店内
薄暗い廊下を抜けると個室が広がる。
料理のグランドメニューは、「茶茶」全店で統一されているが、この店では「京の出汁巻き玉子」(683円)、「天然〆さばの昆布巻き」(1260円)、スウィーツの「手づくり黒胡麻わらび餅」(578円)や「京都辻利の抹茶アイス」(578円)の人気が特に高い。
今日のおばんざい 角煮。
シメによくオーダーが出るのは、「あさりの柚子胡椒焼きそば」(893円)と天むす(630円)だ。
また、「茶茶 このか」の川崎友義料理長は、魚介を使った料理を得意にしており、季節の魚介が味わえるのが、売りになっている。お寿司、お刺身などは、その日築地の業者から仕入れた新鮮なものが日替わりメニューで提供される。
ドリンクは日本酒がよく出るが、秋田の「天の戸」(735円)、愛知の「醸し人 九平次 五百万石」(1050円)あたりの注文が多い。ビール、ワイン、シャンパン、梅酒、焼酎、カクテルなどのほか、ウィスキーも扱っているのが「茶茶」の中では特徴的だ。
BGMは静かなインストゥルメンタルを流している。
顧客層は25歳くらいから70代までと幅広く、男女比は半々くらい。男性は接待と宴会の需要が多く、プライベートの男性同士の来客は少ない。逆に、プライベートの女性同士の来客は、男女カップル同様に多いといった、傾向が出ている。
顧客単価は4500〜4800円となっている。席数は90席あり、現状は週末は1回転。
「時間を気にせずに飲めるお店を目指していますので、毎日均等に1回転するのが理想です。堅苦しくなく、しかし最低限の節度をわきまえたおもてなしを心がけ、お客さんからの要望にできる限りこたえる、親切な店でありたいです」と山下朗店長。
山下朗店長
NHK関係者など、常連の顧客が早くも付き始めているとのこと。地道な宣伝と丁寧な接客がこのまま認知されていけば、渋谷の中心部では数少ない大人が安心して飲食できる店として、繁盛し続けることも可能だろう。
【茶茶 このか】
住所 | 東京都渋谷区宇田川町12-9 ジュール渋谷4F |
電話番号 | 03-5728-6444 |
営業時間 | 17:00〜23:30(L.O.22:30) |
定休日 | 年末年始 |
客席数 | 90席 |
客単価 | 4,500円 |
目標月商 | 1200万円 |
開店日 | 2008年12月8日 |
経営母体 | ジェリーフィッシュドット株式会社 |
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2009年1月27日取材