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フードリンクレポート


バーテンダーは媚びずに自分を売り込む
井口 法之氏
第34回全国バーテンダー技能競技大会 総合優勝
「ガスライト銀座」店長

2007.10.12
2007年5月27日に第34代のバーテンダー日本一に輝いた井口法之氏。井口氏を含め、日本一を2人育てた「ガスライト」の酒向明浩氏が師匠。バーテンダーは酒の技術と知識だけでは不十分、自分を売るのが本当の仕事だと言う。


優勝カクテル「ラストダンス」
カルバドス20ml、ミントリキュール15ml、生クリーム15ml、マロンシロップ10mlをシェイク。

カルバドスとクリームリキュールを初ミックス

 井口氏の優勝カクテルは「ラストダンス」。創作部門でも1位を取った、クリエイティブなカクテル。味はミントの香りのするマロングラッセ。見た目と異なり、甘すぎず、すっきりした味に驚かされる。

 大会の課題カクテルは毎年異なり、今年は食後酒。「お腹を満たした後にどんな酒が飲みたいか、ずっと考えていました。そんな時に栗のシロップに出会ったんです。そして、マロングラッセのようなカクテルを発想しました」と井口氏。そこから試作が始まった。

 しかし、ベースが決まるが、それにこだわり過ぎると、思考の幅が狭まり、袋小路に陥ってしまうことがよくあるそうだ。井口氏は、リンゴのブランデー、カルバドスに目を付けた。クリーム系のカクテルにはぶどうのブランデーがよく使われているが、調べてみるとカルバドスを使ったレシピは無かった。

 今回の「ラストダンス」は試作することわずか約50回で完成にまでこぎ着けた。昨年の大会にチャレンジした時のカクテルは、悩み続けて何百回もの試作を重ねたそうだ。しかし、昨年はタイトルを取れなかった。日本一には、どこか突き抜けたアイデアが必要なようだ。

「日本一になれたのは、お客様、家族、バーテンダーの仲間、師匠の酒向さん、周りの方々に支えられたお陰です」と謙虚さを忘れない井口氏。そこには、「ガスライト」で9年間働いてきた井口氏のバーテンダーとしての学びが詰まっている。

全文(会員専用)の見出し
映画「カクテル」のトム・クルーズに憧れて
26才で「ガスライト銀座」店長に
バーテンダーは自分を売る仕事


井口 法之(いぐち のりゆき)
「ガスライト銀座」店長。1974年埼玉県生まれ。ガスライトで9年間、バーテンダーとして勤務し、2007年の第34回全国バーテンダー技能競技大会 総合優勝。銀座での独立を目指して、人間力に磨きをかけている。

「ガスライト銀座」
東京都中央区銀座8-7-11 ソワレド銀座第2弥生ビル6F
電話03-3574-7633
「ガスライト」
東京都千代田区霞が関3-3-3 全日通霞ヶ関ビル1F
電話03-3592-0008
「ガスライト ホワイトホースセラー」
東京都新宿区四谷2-13 大和ビルB1F
電話03-3351-4392

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2007年10月9日取材

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