フードリンクレポート
「隠れ家」から安定に、女性から男性客に転換したい。
横山貴子氏
有限会社イイコ 代表取締役
和食「村上製作所」
・1号店は10年続く隠れ家レストラン
横山社長はOLとしてアクセサリーやジュエリーの会社で延べ10年間働いた後、飲食業で独立した。現在、横山社長の有限会社イイコは、恵比寿で会津地鶏・蕎麦・コラーゲン鍋「中村玄」、ジンギスカン「クラブ小羊」、中目黒で和食「村上製作所」、渋谷で有機野菜の自然派中華「月世界」、沖縄でバー「ピーチビーチ」というユニークな店名の5店舗を運営している。
33才で飲食業をスタート。30才の時に「このままで良いのかと思い始め、自分で何かをやりたかった。しかし、具体的にコレと決められていなかった」状態で独立することだけを決めた。そして、始めたのが貯金。3年間で500万円を目標とし、実際に貯めた。
飲食業に決めたのは、周りの友人に飲食関係の方が多く、「向いてるんじゃない」と言われ「じゃあそうしよう」、と軽い感じで飲食業界に入った。
「お酒がメインの飲食店と漠然と決めて物件を探しました。場所は恵比寿に限定。OLとして務めていたのが恵比寿、住まいも恵比寿で土地勘がありました。最初に勤めた会社がアメリカ橋にあり、サッポロビールの恵比寿工場があったのを知っていました。」
1号店は隠れ家レストラン「201号室」。今の「中村玄」。JR恵比寿駅西口を線路に沿って昇った坂の上にある、人通りの少ない通りにあるビルの2階。坂はきついが駅から5分以内。ガーデンプレイスが出来たての頃で「これからこの坂も元気になるだろう」と思って物件を決めたそうだ。大家さんは1階でラーメン店を営んでおり、2階での飲食店の開店には理解があった。
「自分がお客の立場に立ったら、自分だけが知っているような隠れ家が嬉しいと思った」とお客発想。飲食店好きのOLの意見を生かした。
飲食関係の友人に助けてもらい内装をほぼ手作り。「赤いカウンターだけを最初に決めました。店に入ったら真っ先に赤いカウンターが目に飛び込んでくる。それが印象的かな」と女性らしい感覚で店づくり。12月に契約したが、内装に手間取りオープンできたのは6月。半年間、カラ家賃を払った。
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・創作、おでん、中華、沖縄、ジンギスカン、地鶏、コラーゲン
・男性客を引き付けて、ブームから定番へ脱皮したい
横山 貴子(よこやま たかこ)
有限会社イイコ 代表取締役。静岡県出身。10年間のOL生活後、女性客の目線を生かして飲食業で独立。「隠れ家」をコンセプトにユニークな店名で、流行りの料理を次々と投入して5店舗を運営。
有限会社イイコ http://www.e-e-co.com/index.html
【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2007年10月25日