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フードリンクレポート


シャンパンブーム浸透。発泡清酒、無糖炭酸水まで「発泡飲料」がトレンドに

2007.11.28
ブームに拍車が掛かるシャンパン、スパークリングワインは、小生産者のこだわり商品が注目を集める一方、もっと日常的なお酒として楽しめるように、シャンパンカフェのような業態が登場してきた。一方で、日本酒のシャンパン版として発泡清酒が甘くてさわやかな喉ごしで女性に人気が高まり、ソフトドリンクでも新しくミネラルウォーターの分野で、無糖炭酸水が登場し活気を帯びつつある。ビール、酎ハイにとどまらないシャンパンに発する「発泡飲料」の活況ぶりをレポートする。


ウィスティンホテル東京、ザ・テラスのサンデーシャンパンブランチ

アメリカのセレブにモテるシャンパンはゴールドのボトル

 シャンパン、スパークリングワインの勢いが止まらない。

 シャンパーニュ協会日本支部の統計によれば、2000年のフランスから日本へのシャンパンの出荷量は約318万本(750mlで換算)であったのに対して、06年には前年比134.9%の800万本台を記録し、ますます関心が高まっているようだ。

 そうした中で舌の肥えた愛好家の間では、「ドン・ペリニヨン」を擁する「モエ・エ・シャンドン」、「ヴーヴ・クリコ」、「クリュッグ」といった大手メゾンのシャンパンばかりではなく、昔ながらの製法で極上の味を守り続ける家族経営のような小規模生産者の製造する流通量の少ない、レアなプレステージ・キュヴェに注目が集まってきている。

 代表格と言えるのが、ゴールドボトルにスペードのエースが装飾されたゴージャスさによって、アメリカのセレブの間で今、最もステイタスが高いとさえ言われている「アルマン・ド・ブリニャック」である。

 ゴールドボトルはあの著名なファッションブランド「クレージュ」がデザインしたもので、ピューターのラベルはフランスのコニャック地方に唯一残った装飾業者の2人の職人が、手作りして貼っているという手の込みようだ。黒いベルベット製の専用バッグに入っているのもおしゃれだ。

 ランス郊外のモンターニュ・ド・ランス地区シニー・レ・ローズ村に本社と畑を持つキャティア社が昨年より売り出すとともに、シャンパン好きで知られるラップミュージックのスター、Jay-Zが曲のリリックやビデオに登場させて話題を集めた。

 生産量は06年が2万4000本、07年が4万2000本。ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエというシャンパンの原料となるブドウを3分の1ずつブレンドし、伝統的な醸造法にこだわってつくっている。

 キャティア社は18世紀に創業した家族経営のメゾンだが、エールフランスのファーストクラスや、パリのマキシムのハウスシャンパンに採用されるなど、品質の高さでは定評があり、実績のあるシャンパンメーカーである。

 「アルマン・ド・ブリニャックはアカデミー賞の授賞式、ベッカムがアメリカのプロサッカーリーグであるロサンゼルス・ギャラクシーに移籍した時のウェルカムパーティー、ビヨンセのコンサートのVIP席などで出されていて、認知度が高まっています。パーティーに映えるボトルと飲みやすくてフルーティーな味と香りが受けています」と輸入代理店ベネフィットヒルズの甚野芳一社長。

 価格は5万2500円だが、並行輸入経由だと8万円くらいすることもある。

 12月15日には新しくロゼ、来春にはシルバーボトルが発売される予定で、「アルマン・ド・ブリニャック」の人気は日本でも徐々に浸透しそうである。


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5店舗出店にかけた15年間
熱い血が薄まる! 2度立ち止まった
百貨店でもシャンパンコーナーを拡大しフェアを打つ動きも
シャンパンの飲み口を目指した発泡清酒「すず音」がヒット
ミネラルウォーターで無糖炭酸水を開拓した「キリンヌューダ」
昼からシャンパンがグラス1杯から楽しめるカフェ登場
ホテルのブッフェ、市中の和風ダイニングでもシャンパンが人気
発泡清酒に競合するのはシャンパンではなく缶酎ハイだ

【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2007年11月24日

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