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フードリンクレポート


神楽坂ブランドのガーディアン。
渡辺 さとし氏
文商事株式会社 外食事業部 本部長

2008.3.14
東京・神楽坂は大正時代に隆盛を誇った花街。花街特有の細い路地には今も料亭が多数あり、独特な雰囲気を醸し出している街。文(あや)商事は、この神楽坂を中心に和食「神楽坂SHUN」、和カフェ「神楽坂茶寮」、フレンチ「レストランかみくら」など和洋取り混ぜ、こだわりの16店舗を展開している。外食事業を任されているのが、渡辺氏だ。


「蕎麦練り屋 文楽」 神楽坂に本年2月オープン。

神楽坂ブランドを渋谷、軽井沢、東京ドームへ

 文商事を神楽坂で有名にしたのは、和食「神楽坂SHUN」。神楽坂の路地「芸者新路」に10年前に誕生した和食店。和食ブームの走り、「和食ダイニング」という言葉が出来るか出来ないかの時代に開店。

 現在も売上は安定しており、37坪で月商9百万円という。繁盛店と比べると良い数字ではないかも知れないが、「1つのテーブルに1組のお客が座ればそれでいい」という営業スタイルを考慮すると、業績は非常に良いと思われる。

 そして、5年前に同じく神楽坂で始めた、和カフェ「神楽坂茶寮」。こちらも好調で、神楽坂ブランドを掲げて渋谷マークシティーに出店。今年は4周年を迎える。

「神楽坂茶寮」は、昨年にはブランドの街、軽井沢、銀座にも出店。お客から「軽井沢にもあったよ」と言われ、ブランドイメージの向上につながった。銀座店は銀座プランタンのデパ地下に出店。物販にも挑戦。更に、本年3月には、東京ドームに誕生するミーツポートにも出店する。

 しかし、「『神楽坂茶寮』自体は、はかない業態。客単価も低く、利益率が低い。その割に手間がかかる。かなりの店舗数になるとスケールメリットが出てくるだろうが、現状では難しい。流行り的な雰囲気の和カフェと見られており、上手に出店しないと、直ぐにだめになりそう。はかなくならないように、慎重に出店していきたい」と渡辺氏は神楽坂ブランドを守ることを意識している。

 渋谷に出店したおかげで、また神楽坂という街の認知度が増したのと相乗効果で、「神楽坂茶寮」はデベロッパーから人気となった。次々とオファーが舞い込んだが、しかし、ほとんど断ったという。

 しかし、少しずつは店を増やしたいという要望があり、軽井沢、東京ドーム同様にテラス付きの物件に限定して求めている。


3/19に開店した、「神楽坂茶寮」東京ドームミーツポート店

全文(有料会員専用)の見出し
洋食コックからパトロンを求めてホールへ
売上目標なし、出店予定なし
(写真全6点)

■渡辺 さとし(わたなべ さとし)
文(あや)商事株式会社 外食事業部 本部長。1964年生まれ。東京都出身。新宿のホテルに入社。3年後に退職し、様々な飲食店で調理、接客を務める。1991年に文商事入社。現在16店を統括する外食事業の総指揮官。

文商事株式会社(AYA DINING)http://www.aya-dining.com/

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年2月28日取材

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