フードリンクレポート
イタリアのフード・スナップ。
一押しはシーフード・リゾット!
最も気に入った、「カヴォラ・ドーロ」のシーフードリゾット。
・「カヴォラ・ドーロ」、ローマ近郊のリストランテ
ローマから車で約1時間。ワインの産地、フラスカーティのぶどう畑に囲まれた高台にあるレストラン。ローマ時代から避暑地だそうだ。地元の高額所得者と思しき方々が平日の昼間からワインを飲み、2〜3時間かけてランチを食べている。
魚介類のリゾットが感動的に美味い。魚、貝をたっぷり使い、固いコメとピッタリ合う。日本のコメでは出せない食感だ。
坂の途中にあらわれる看板。
グループ客とカップルがゆっくり食事を楽しむ店内。
魚介類の炭火焼きがメイン。
メニュー。1964年創業と記載され、40年以上続く。
魚介類のエキスがたっぷり浸みこんだリゾット。
魚介のフリット。ほとんどのレストランにある定番料理。
すっきりしたフラスカーティの白ワイン
・「ニド・ダブルッツォ」、ローマのカジュアル食堂
ワイン3本飲んで4人で98ユーロ(約1万6千円)。地元客ばかりで、夜の12時でも1人客がパスタを食べにやってくる。飾らないシンプルな盛りつけが、逆に食欲を増してくれる。
珍しい写真入りメニュー。
カッペリーニ。
イカの炭焼き。
牛肉のカルパッチョ。カルパッチョ用の薄い牛肉はスーパーでも売られている。
ミラノ風カツレツ。あっさり味で軽めのワインに合う。
ピザ・マルゲリータ。粉っぽくて、日本の方が美味しく感じる。
・ローマ駅のバール
朝の通勤時間に賑わうバール。エスプレッソは、0.85ユーロ(140円)。カフェメニューの種類は充実。お客はみな常連で、注文するタイミングが難しい。
スタイリッシュな「W.O.K」
こちらもスタイリッシュな「ブーランジェリー・イタリアーナ」
「モカカフェ」
「モカカフェ」のカフェメニュー。
・フィレンツェの街のジェラート店
生のフルーツを刺して、シズル感を演出。ピスタチオのジェラートも定番。甘すぎない。
フルーツ系、チョコレート系など10種以上を山盛に並べている。
生フルーツを刺してシズル感を演出。
・「オートグリル」チェーン
高速道路のサービスエリアや、ロードサイドで多店舗展開。オープンキッチンで手作りのパスタやグリルがチョイスできるビュッフェ。日本のサービスエリアにも欲しい形式。
注文の度に手際よくパスタを作ってくれる。手元まで見え、待つ間も楽しい。
・「アルマーニ・ノブ」(ミラノ)
アルマーニとノブがコラボレーションしたスシレストラン。握るのは日本人。ミラノのビジネスマンに人気なようだ。内装はアルマーニ氏のデザイン。外を見せないのが彼のポリシーらしい。日本酒は徳利で出される。
カウンターに立つのは日本人ばかりではない。
店内はカフェ風。お客はスーツ族が大半。
スシ・ランチ 31ユーロ(約5000円)と高価だが美味い。不思議なことに子鉢に盛られたご飯も付いてくる。
これに天ぷらが付いたランチが27ユーロ(約4500円)。
日本酒は全て新潟・佐渡の「北雪」。純米酒で1合15ユーロ(約2500円)と高い。
重箱に入れられた、フォルタン・ド・ショコラ。
・生ハムとチーズ
どこのホテルの朝食も生ハムとチーズだった。野菜は登場しなかった。
生ハムが並ぶグロッサリーストア。
各種チーズも並ぶ。
・「マクドナルド」&「マックカフェ」
「マクドナルド」はさすがイタリアでも好立地に店を構えているが、ビックマックのセットが6.2ユーロ(約1千円)と高い。
ローマ駅構内の店舗。
ビックマックと思われるセットで約1000円。
「マックカフェ」は、ミラノ、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガレリアの一等地にある。チンバリーのコーヒーマシーンを使用。メニューもイタリアのバールより少し種類が少ない程度と本格的。
黒地に金文字の看板で、ガレリアの各店とも統一されている。
テラス席。観光客が中心。
・夕方の「アペ」
ディナー前の時間、バーではドリンク注文者に、アペタイザーとして小腹を満たすサンドイッチなどオードブルがビュッフェ形式で提供される。日本では、ハイネケンビールがこのサービスの普及活動を行っている。
夕方6時頃のホテルバー。ディナーまでの間、オードブルが小腹を満たしてくれる。
・回転すし
La Rinascente(ミラノ)というデパートの最上階。皿の色に応じて価格が分かる。ラビオリも回っていた。
モダンな内装。右手に皿の色に応じて価格が表示されている。
全てカバーをかぶせて流れてくる。曇って中がよく見えない。
デパート最上階の食品売り場の一角にある。
日本がいかに食生活が豊かであるか、実感した旅だった。イタリア人の食生活にはイタリア料理しかなく、それを毎日食べている。それ自体が地産地消、スローフードに繋がっている。片や、日本はどんな人でも和食、中華、洋食とその日毎に好きなものを選んで食べることができる。しかし、その裏には食料自給率40%、海外からの食糧輸入に頼らざるを得ない現実がある。海外に頼りながら、自分だけ食事のバラエティを楽しんでいる。和食でさえ、海外からの輸入がないと成り立たない。中国、ロシア、インド、ブラジルのBRICsなどが経済力を付け、強い購買力を持ち始めた今、日本が買い負ける場合が増えているという。日本は方向転換しなければ、将来の食が危うい。
今回のツアー参加者(左から)
柴田屋酒店 柴泰宏氏、ナッソー 長崎雄三氏、フードリンク 安田正明、エイチワイシステム 安田久氏、ダイヤモンドダイニング 松村厚久氏、空デザイン 角範昭氏。他に、ゴーゴーカレー 宮森宏和氏がNYから合流。
【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年5月2日執筆