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フードリンクレポート


メタボメニューが商機
でまえくらぶ 株式会社 代表取締役
竹村 潤 著

2008.6.7
 4月から始まった、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)からくる生活習慣病予防のための特定健診・保健指導の義務化に伴い、生涯を通じた健康管理ができるようになりました。これをビジネスチャンスとばかりに、さまざまな企業が食生活改善プログラムや健康メニュー・商品開発などの事業化を行っています。 
 大手企業ならばこれらのプログラムを購入したり、健保組合からの保健指導に従業員・家族を従わせることは簡単でしょう。しかし、中小零細ましてや自営業となるととても手が回らないのが実情です。おまけに、相手は生活習慣病またはその予備軍の人たちです。「わかっちゃいるけど…」、なかなか生活習慣を劇的に変えようと出来ない日常を送っている人たちが多いはずです。仮に、昼の食事時にメタボ対策を思い立っても、健康メニューには程遠い飲食店がほとんどです。需要はあるが、供給が伴っていないのです。そこで、メタボメニューを取り入れて、他店との差別化をしてみてはいかが?


ナタデココを使った、ココ刺し

調理人主導? 管理栄養士主導?
 「多少高くても…」に、「限定○○食」のチョイ高ランチを考案

 メタボが気になる30〜40代のサラリーマンの間で、カロリー控えめの弁当が人気となって、コンビニなどでは女性用のヘルシー弁当が男性にも良く売れています。2ウエイの弁当の業者も、ヘルシー物を扱ってドカ弁イメージを拭う努力をしています。

 ところが、これらの考え方の主流は、管理栄養士によるカロリー計算に基づいた数値主義。極端かもしれないが、ご飯を半分にすれば即カロリー大幅減となるし、揚物もポーションを小さくすればカロリー減となる。それに減塩で薄味になったりで、味が今イチといわれ敬遠されがちです。

 かといって、調理人に任せると味を重視するために、カロリーオーバーのメニューが続出することになる。大手居酒屋チェーンでの低カロリーメニュー開発においてもこれが解消されず、調理方と栄養士方とがぶつかり合って開発自体が停止した経緯を目の当たりにしました。

 企業としては、コスト面からも効率化の図れる管理型のメニュー構成を主力としたいところですが、食べる側としてはいくら低カロリーであってもおいしくなくてはリピートをしません。

 これからは、「良薬口に苦し」の考え方ではお客様は納得してくれません。一時期流行った薬膳料理の二の舞になってしまいます。

 今や、メタボに気遣うサラリーマンは増殖中です。「おいしくて体に良いものなら、チョイ高でも…」、コンビニランチより町場の飲食店へと足を向けてくれます。

 中国食品不審からくる、高くても体に良いもの信奉が追い風になっているようです。今こそ、調理人主導の、食材や出しにこだわる和食調理に基づいた、おいしい低カロリーランチ提供のチャンスです。


米、十六穀、マンナンを混ぜ合わせた「減カロご飯」

全文(有料会員専用)の見出し
温野菜で8種類。8菜メニュー
 基礎代謝・新陳代謝・ホルモン分泌を正常にする食べ方
低カロリーの食材利用
 コンニャク・発芽米・ナタデココ…にバリエーションを
(写真全9点)

【執筆】竹村 潤(たけむら じゅん)
でまえくらぶ株式会社 代表取締役。1948年生まれ。フリーカメラマンから出版編集会社経営ののち、庄や・やるき茶屋などを展開している株式会社大庄で営業企画推進室室長・広報室室長などを歴任。2006年でまえくらぶを設立。

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