フードリンクレポート
空間デザイナーシリーズ①
クライアントの思いを空間にデザインする。
木村 光希氏
株式会社 ウェッジ 代表取締役
恵比寿の事務所で、木村光希氏(株式会社ウェッジ 代表取締役)
・「黒船」は売却するために生まれた
木村氏は、7/10に東京・六本木の路地に開店した、話題の「黒船」をデザインした。同店を経営する、東京レストランツファクトリー社長、渡辺仁氏との出会いを木村氏が語った。
「渡辺社長とはビールメーカーの紹介で引き合わされ、スペインバールで会いました。渡辺社長から店のアイデアを聞かれた時、『僕がこれから10分間べらべらしゃべりますから、これが面白いと思ったら面白いと言って下さい』と、僕がいきなり話し出しました」
「黒船」(東京レストランツファクトリー)
「レストランがバールをやると成功すると僕はすごく思っています。敷居を低くしたレストランのバールがヒットしているケースが多いんです。例えば、グラナダの『サンパウ』の料理を『ペロ』に並べて大成功しました。渡辺社長の和食のクオリティが高かった。 バールとして小皿料理を並べよう。でも、和のバール展開はカウンターのある居酒屋や小料理屋になってしまう。じゃ、もっとにぎやか感を出していこう。スペイン風ピンチョス、フレンチのアンティパスト、それに和食を加える。和食のレベルが高ければ、十分に引っ張れる」
「渡辺社長は、何店舗か揃えて売却先を探せるブランド作りを意図していました。小さい店で設備投資を少なく展開すれば店舗数を増やせる。そこで、バールの展開をしてみませんか、物件も紹介できると提案したら、やろうという事になったんです」
全文(有料会員様専用)の見出し
・ラゾーナ川崎「リストランテ・ルビー・ソプラフィーノ」はクラシック
・中卒、ドラマAD、ゼネコン経営
・クライアントの顔をデザインする
(写真全20点)
■木村 光希(きむら ひろき)
株式会社 ウェッジ 代表取締役。1965年生まれ。千葉県出身。大学検定で千葉工業大学に入学し建築を学ぶ。TVドラマ製作会社、ゼネコン経営を経て、2002年、空間デザインを提供するウェッジを設立。現在、年間約30件の空間デザインを手掛けている。
【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年7月29日取材