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フードリンクレポート


チェーンから個店主義に!
企業が連なる「八ヶ岳経営」を目指す。
金子 宏志氏
かもんフードサービス株式会社 代表取締役

2008.9.24
ワタミ創業者3人の1人が金子宏志氏。ワタミ上場を機に独立。「チェーン理論の時代じゃない」と、1社30店舗の企業の集合体を作ろうとしている。富士山ではなく、沢山の山々が連なる八ヶ岳になぞらえ、「八ヶ岳経営」と名付けた。9月にはカゲン中村悌二氏プロデュースで「海ぶん鍋ぶん」を東京・浜松町にオープンさせたことでも話題。


横浜駅北口にあるオフィスの入口にて、金子宏志氏(かもんフードサービス 代表取締役)

ワタミを同級生3人で創業

 ワタミの創業期は、『青年社長』(高杉良著)に書かれているが、金子氏の経験したワタミ創業期を振り返ってもらった。

 金子氏は渡邉美樹氏と中学、高校、大学と続いた同級生。さらに高校から加わった黒澤真一氏。この3人で1984年に創業したのが、ワタミだ。

 高校在学中から、将来3人で会社を立ち上げようと話しあった。取り敢えず始めたのが、居酒屋を作って資金を貯めること。卒業後の1年間を準備に当て、金子氏と渡邉氏の2人は、昼夜を問わず運送会社などで働き資金作りに励んだ。食べ物に詳しかった黒澤氏は、ノウハウを蓄えるため、北海道から東京に進出して間のない「つぼ八」に入社。

 卒業から1年後に物件が横浜で見つかり、黒澤氏は会社に辞表を出す。しかし、当時六大学卒で居酒屋に就職することが珍しい時代だったので、黒澤氏は「つぼ八」社長、石井誠二氏に引きとめられる。大学の同級生3人で独立するために、勉強させてもらうつもりで入社したことを正直に打ち明ける。石井氏はその話を面白がり、金子氏と渡邉氏の2人を連れてくるように黒澤氏に命じた。

「横浜で店を開けるより、『つぼ八』をやれ」と石井氏に言われる。当時、「つぼ八」は東京で5店ほどの直営を持ち、FCを展開しようとしていたタイミング。黒澤氏が働いていた50坪の高円寺店を売ってもらう。これが、ワタミのスタートだ。


「茅ヶ崎海ぶね」男の豪快丼

全文(有料会員様専用)の見出し
「白札屋」でサントリーと出会う
「和民」は「八百八町」に学ぶ
上場を機に、かもんフードサービス創業
焼肉、ショットバー、和食、かに料理と業態を拡大
富士山ではなく、八ヶ岳経営
「主(あるじ)感覚」を育てる
悲しんでもらえる会社でいたい
(写真全23点)

■金子 宏志(かねこ ひろし)
かもんフードサービス株式会社 代表取締役。1959年生まれ。神奈川県出身。明治大学卒業後、1984年に渡邉美樹氏らとともに、株式会社ワタミを創業。97年にワタミを退社し、かもんフードサービスを設立。現在、「居酒屋かもん」9店、「茅ヶ崎海ぶね」14店など、神奈川県を中心に、東京都、群馬県、栃木県、香川県、広島県、福岡県で10業態40店舗を展開している。

かもんフードサービス株式会社  http://www.kamon-fs.co.jp/

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年9月10日取材

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