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フードリンクレポート


海外から食糧が輸入できなくなる!
食糧危機に備えた、先を行くビジネスモデル。
谷間 真氏
株式会社 関門海 代表取締役会長CEO

2009.7.8
とらふぐ料理を身近な価格で提供する「玄品ふぐ」を直営・FC合計116店を展開する関門海。自社ふぐ養殖場、惣菜宅配事業「トドクック」、農業生産法人「ぐろーばる農園」と事業を食全体に拡大させようとしている。その背景にあるのは、食糧への危機感。世界の人口増に伴い、日本は海外から食糧が輸入できなくなる恐れがある。それに備えた研究開発に力を入れている。谷間真会長に聞いた。


「玄品ふぐ」 六本木店。

「食は人間の根本、そこを支えられる力にならなあかん」

 谷間氏は京都大学の学生時代に公認会計士資格を取った、親子2代の公認会計士。ベンチャー企業へのコンサルティング会社を立ち上げ、4社を株式公開に関わった。その最後の仕事が関門海。共同で新業態開発を手掛けるバルニバービも、谷間氏の顧問先だった。

 関門海は、山口聖二氏が1980年に大阪府藤井寺市に「ふぐ半」を創業したのがルーツ。ふぐを生産地から直接仕入れ、てっちりを1980円で提供する激安ふぐ料理チェーン。谷間氏がコンサルタントとして入り、2005年6月に東証マザーズに上場。ところが、同年11月に創業者の山口氏が交通事故で他界してしまう。

 創業者が亡くなり、軸を見失いかけた関門海でCEOを引き受けたのが谷間氏。様々な顧問先を整理して飛び込んだ。そして、翌2006年3月には100店舗を達成させた。

「創業者は『食が今後危機的な状況になっていく可能性がある。食は人間の根本。そこを支えられる力にならなあかん。ふぐで人間の食生活を見て行くことはありえない。毎日の食事をちゃんと見ていける会社になりたい』と話していました。僕はその考えを踏襲しています」と谷間氏。

「ふぐ事業での儲けをベースに、山口さんが生きているときに、えびフライ屋、カレー屋と矢継ぎ早に店を作っていきました。創業者なので自分でやるのが一番という思いがあったのだと思います。でも、僕はそういうタイプではありません。色んな会社に関わってきた経験から、既存事業に関わってよくしていく方が得意なのでM&Aとか、今あるリソースを組み合わせるとかを考えます。やりたいことは同じですが、やり方は違います。」


惣菜宅配事業「トドクック」

<続く>

全文(有料会員様専用)の見出し
“玄品食門(げんぴんくいもん)研究所”
冷凍、解凍、蘇生、農薬分解、エサ改良
サッポロビールと資本提携し、新事業開発
食糧危機に備え、競争力と自給率をアップ
(写真9点、約4千7百文字)

■谷間 真(たにま まこと)
株式会社関門海 代表取締役会長CEO。1971年生まれ。兵庫県出身。京都大学経済学部卒業。在学中に公認会計士資格を取得。97年、公認会計士谷間真事務所開業。99年、株式会社ディー・ブレイン関西代表取締役社長就任。2002年、株式会社プロ・クエスト代表取締役社長就任。04年、株式会社関門海非常勤取締役就任。07年1月、取締役COO兼CFO就任。同年9月、代表取締役会長CEO就任。

株式会社 関門海

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2009年7月1日取材

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