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フードリンクレポート


観光と地産地消をミックスして成功。
食のテーマパーク「村の駅」を4ヶ所運営。
河越 敬仁氏
株式会社TTC 専務取締役

2009.8.26
2006年1月、静岡県三島市に「伊豆・村の駅」がオープン。近隣農家の直売所、沼津漁港から仕入れた魚市場、それらを使って調理する飲食店、地元の土産店の4種の売り場から構成される食のテーマパーク。観光客だけではなく、地元客も集めて賑わいが続いている。そんな観光&地産地消型の新業態「村の駅」を全国4ヶ所で展開して成功を収めているのが、株式会社TTCだ。


河越敬仁(かわごえ たかひと)氏。園内の直営、親子丼の店「たまごや」の前で。

土産品卸から、新観光商業の創造へ

 TTCが運営するテーマパークは、1号店の「伊豆・村の駅」(2006年1月開業)でノウハウを蓄積した後、那須ガーデンアウトレット内の「ロコマーケット」(2008年7月開業)、大分県日田市の「日田天領水の里 元氣の駅」(2009年4月開業)、静岡県磐田市のららぽーと磐田内の「遠州の駅」(2009年6月)と立続けに出店し、現在4ヶ所となった。地産地消のトレンドに乗り、各店とも繁盛し、デベロッパーから引く手あまたの業態だ。


「伊豆・村の駅」のサイン。

 同社のルーツは、土産品卸。河越氏の父親が静岡県熱海市で、東京宝(とうきょうたから)株式会社を起業。兵庫県出身で、宝製菓を営んでいた兄の下、熱海に1人で支店を建てた。おこし(菓子)を自分で作り、熱海駅前の売店で販売を続け、1977年に東京宝を設立して独立。2008年、東京宝はTTCと社名を改め、河越氏の兄、河越康行氏が社長を務めている。

「TTCは“とってもついてるカンパニー”の頭文字です」と、終始笑顔で明るい河越氏は大きな声で教えてくれた。河越氏は、流通業で18年勤務後、実家に戻り、兄を支えている。

 同社の業務の柱は5つ。1つ目は、創業時からの観光土産品の企画・開発・卸。2つ目は、観光土産店の直営。土産品の売り場がドライブインからホテル・旅館に移った時、館内売店の直営にいち早く進出。ホテル・グランパシフィックLE DAIBA、ザ・プリンス箱根の売店も運営している。

 3つ目は、美容関連商品の企画・開発・卸・販売。ホテル・旅館の風呂場や洗面所に置いてもらい、お客に体験させて帰りに売店で買ってもらうという手法。自然派石鹸「ひのき泥炭石」、保湿クリーム「花雪肌」などヒット商品を生み出した。

 4つ目は、飲食事業。FCとして、「牛角」8店、「とり鉄」1店を経営。「牛角」厚木妻田店はレインズの2003年秋のパートナーズフォーラムで、「牛角」三島北店は静岡・甲信越エリアで2005年に優勝した。

自分のものしか買わない若者、海外旅行という逆風で、土産品市場は縮小している。しかし、TTCは創業の観光商業を軸足に、これまでにない店や土産、おもてなしを創造しようと、「新観光商業の創造」というビジョンを掲げている。
<続く>

全文(有料会員様専用)の見出し
「村の駅」は全て地元主義、出店準備に1年かける
生産者同士で部会を作り、互いに切磋琢磨
参加型のイベントで活気
(写真26点、約3千4百文字)

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2009年8月10日取材

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