フードリンクレポート
29種のフレーバー「ボルス」、カクテル募集中。
日本から世界チャンピオンを。
29種のフレーバーとスタイリッシュなボトルで人気、ボルス。
・リキュール市場縮小の中、ボルスはプラス成長
アサヒビールがボルスの発売を始めたのは、2004年。ボトルを回転させるなどアクロバティックな演技でカクテルを作るフレア・バーテンディングの世界的な人気を先取りした、スタイリッシュでグリップしやすいボトルシェイプ。日本でも、フレア・バーテンディングを学ぶ若手バーテンダーが増え、それとともにボルスへの注目が年々高まっている。29種ものフレーバーを揃え、派手なパフォーマンスにはピッタリ。
バーテンダーのいる店ばかりではなく、カジュアルなダイニングバーや居酒屋でも容易にカクテル・バリエーションを増やせるリキュールとして使い勝手が良いように、アサヒビールは、シェーカーを振る必要がなく、ボルスにジュース等を加えてグラスの中で作り上げるロングカクテルのレシピ提案などもしている。
ポスター。
居酒屋へもカクテルが広がり、リキュール市場も拡大したが2006年にピークを迎える。その後、本格焼酎やハイボールなど多様なドリンクメニュー展開に押され、07年、08年と2年続けて減少が続いた。しかし現在も、ある居酒屋チェーンではドリンク全体に占めるカクテルの杯数は減ってはいるものの、1割強も占めるなど、依然人気メニューであることに違いない。
「現在外食産業が厳しい状況ですが、ボルスは、昨年もプラス成長となりました」とアサヒビールの生山(いくやま)香織氏(酒類本部 マーケティング本部 洋酒部)。アサヒビールが扱い始めてから毎年、販売数量を伸ばしている。
ボルスのマーケティングを担当する生山(いくやま)香織氏。
その要因の一つが、オランダのボルス本社が世界規模で06年から毎年開催している世界規模のカクテル・コンペティション。世界的な高い評価が、バーテンダーを中心に日本でも浸透している。
“ボルス・アラウンド・ザ・ワールド”会場。
・“ボルス・アラウンド・ザ・ワールド”、革新的なカクテル募集
世界規模のカクテル・コンペティション“ボルス・アラウンド・ザ・ワールド”は、06年から毎年開催されている。07年と08年は、動画サイト「YOU
TUBE」に世界中から自分のカクテルを投稿してもらい、世界6大陸から代表1名が決定。その後、オランダ・アムステルダムで決勝大会が開かれ世界チャンピオンが決まった。08年の優勝者は、アルゼンチン・ブエノスアイレスのSantiago
Giovannelli氏。投稿作品はYOU TUBEで今も見ることができる。
2008年優勝のSantiago Giovannelli氏。
今年09年はエントリーに際し、カクテルのテーマが設定されている。テーマは「シェイク1920」。1920年は米国で禁酒法が施行された年。もぐり酒場(スピークイージー)が登場。品質の劣る酒でカクテルを作らねばならず、少しでも美味しく飲むための様々な工夫が施された。これが現代のカクテルの基礎となっている。現代の材料を使いながらも1920年代を喚起させる、革新的で創造的なカクテルが求められている。レシピには必ず20ml以上のボルスを含むことなどが条件。
エントリーは、アサヒビールのHPにリンクしている英文の“ボルス・アラウンド・ザ・ワールド”の応募フォームに、レシピや写真、説明文などを入力する。但し、英語でのエントリーが必要。応募期間は、10/31まで。
世界6大陸の代表が決まるが、アジア大陸の選考委員は、日本バーテンダー協会の国際局長、上野秀嗣氏(東京・銀座「BAR
HIGH FIVE」)。日本人にも世界チャンピオンの可能性があるかもしれない。
アジア大陸の選考委員、上野秀嗣氏。「BAR HIGH FIVE」(東京都中央区銀座7-2-14第26ポールスタービル4F 電話03-3571-5815)のオーナーバーテンダー。
アジア大陸優勝者はオランダの決勝大会に招待され、世界チャンピオンになるとボルス社と共同で、デザイン・原材料選びからオリジナルリキュールを製作できる。世界にひとつだけのリキュールでオリジナルカクテルを作ることも夢ではない。
世界に羽ばたきたいバーテンダーにとっては、大きなチャンス。日本から世界チャンピオンが誕生することを期待したい。