フードリンクレポート


メルシャンが画期的な除菌剤を発売。
嘔吐物があっても瞬時にノロウイルスを殺す。

2009.9.24
メルシャンが8/24(月)に発売した除菌剤「エークイック・プロ」が外食、介護、食品工場、学校など多様な分野で注目されている。今までの除菌剤は、嘔吐物などタンパク質成分があるとノロウイルスを殺菌する効果が無くなってしまう。ところが、この「エークイック・プロ」はタンパク質があっても瞬時に殺菌できるという画期的なものだ。


開発に携わってきたメルシャンの福地修氏。

強力だが、口に入っても大丈夫な安心の除菌剤

 外食産業で神経質にならざるを得ない食中毒。最近特に、急性胃腸炎を引き起こすノロウイルスが注目されている。今年2009年1〜6月の食中毒発生事例(厚労省発表)は261件。内、122件が原因はノロウイルスと判明している。全件の約5割も占める。

 ノロウイルスは、カキなどの貝類で感染するだけでなく、感染者の嘔吐物や下痢便に触れた手から、そして、それらが乾燥したものから出る塵埃を吸って経口感染する。通常のウイルスはアルコールで殺菌できるが、ノロウイルスはアルコールでは死なず、体内の胃酸にも強いのが厄介な点。

 殺菌するためには、厚労省の指導で、次亜塩素酸ナトリウム(塩素)で消毒することが必要とされている。しかし、塩素では有害な塩素ガスが発生する恐れがあるし、周囲を漂泊してしまう弊害がある。通常に流通しているノロウイルス除菌剤は、ウイルスそのものには有効だが、嘔吐物などタンパク質があると効果は極端に落ちる。実際に嘔吐物に触れて感染するケースには効が期待できない。

 メルシャンの「エークイック・プロ」は、嘔吐物などタンパク質があってもノロウイルス(ノロウイルス代替ネコカリシウイルスで検証)を瞬時に殺菌してくれる。3年の歳月をかけ開発され、2009年8月の日本食品工学会で発表。画期的な発明と多方面から称賛されている。

 原料は、エタノールと食品添加物としても利用可能なリン酸。医薬部外品などで使われる薬剤を使った除菌剤とは異なり、安全性が高く、仮に食品にかかったものが、口に入れても問題はなく、食品関連業界にはピッタリのものだ。


インフルエンザウイルスも除去

「エークイック・プロ」は500mlと、5Lの2サイズがある。価格はスプレーヘッド付きの500ml容器で1500円程度。ダスターに噴き付けたり、液にそのまま漬けて感染源となりやすいテーブルや椅子、調理場、ドアノブなどを拭く。さらには、直接、食器類に吹き付けても良い。普及してきた樹脂箸の殺菌にもピッタリ。500ml容器で約120回分の除菌が出来る。


「エークイック・プロ」は500ml(左)と、5L(右)の2サイズ。

 但し、速攻性はあるが、アルコールが揮発してしまうと持続性はない。また、他の薬剤との併用には向かず、使う際は原液のまま単独で。さらに、アルコール度数57%のため、消防法危険物には該当しないが、火器の近くでは使わない方がよい。

 ノロウイルスだけでなく、夏に感染者が増え、秋冬にさらに蔓延する恐れのあるインフルエンザウイルス対策にも有効である。

「本当に多方面の方々から賞賛やお問合せをいただきびっくりしています。メルシャンは約30年前から除菌用アルコール製剤を開発してきました。エークイック・プロはその技術力の賜物です。社会貢献できる商品開発ができて本当に嬉しいです」と、ずっと開発に携わってきた福地修氏(加工用酒類営業本部 マーケティング部長)は締めくくった。


メルシャン「エークイック・プロ」


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2009年8月26日取材