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低価格ワインが売れている!
サッポロビールは“かち割りワイン”を提案する。

2009.10.5
不況が長引くとともに、外食の低価格化が止まらない。居酒屋でもワインは定番となり、今は低価格のものが売れている。その中で、サッポロビールは大ぶりのグラスに氷を入れなみなみとワインを注ぐ“かち割りワイン”を提案。クオリティの低いワインでも冷やすことにより美味しさが増す。


ジョッキに氷をたっぷり入れてワインを注ぐ”かち割りワイン”。

ボトルは2000円台前半が売れ筋

 サッポロビールの消費者調査によると、居酒屋ユーザーの中で「2〜3回に1度はワインを飲む」という方の割合が50%以上あるという。居酒屋でもワインは無くてはならない商材と言える。

 サッポロビールのワイン販売は本年1〜8月で約10%減少している。主な理由は、国産ワインのボリュームゾーンである低価格品を昨秋に値上げしたこと。外食市場向けが多い輸入ワインの消費量は4%の減少に止まっている。しかも、2000円未満の低価格は3%の減少に止まる。シャンパンなど高価格のものが厳しいようだ。ちなみに、安価のスパークリングワインは5%も増加している。


サッポロビールでワインのマーケティングを担当する、横井典子氏(マーケティング本部 ワイン洋酒部 企画グループ マネージャー)。

 居酒屋やカジュアルレストランでは、ボトルワインのメニュー価格を下げている。繁盛店では2000〜2500円辺りが主流だと思われる。ワイン好きのお客が多いところは、価格を下げると飛躍的にワインの売上が伸びる。そんな店の努力が、外食市場のワイン消費のへこみが少ない要因だ。


サッポロビールが不況下で勧めるのは4ブランド

 サッポロビールが外食向けに勧めるのはリーズナブルな価格で、コストパフォーマンスの良い4ブランド。


 うんちくやしきたりに縛られず自由に飲める「イエローテイル」。オーストラリア産でカンガルーのイラストのラベルがよく知られている。赤・白共に種類も多い。スクリューキャップがグラス売りにも助かる。

 
「イエローテイル」 赤、白。

 美味いのにリーズナブルと称されるチリ産。その中でお勧めは「サンタ・リタ 120(シェント・ベインテ)」。「120」は、チリ独立戦争の際に120人の兵士がサンタ・リタのワインセラーに立て篭もったという伝説に由来する。赤は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローの2種類。 白は、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネの2種類がある。

 
「サンタ・リタ」 カベルネ・ソーヴィニヨン(左)、ソーヴィニヨン・ブラン(右)。

 フランス産の「ラ・キュベ・ミティーク」。ラベルには、ふくろうのイラスト。赤・白があり、しっかりした本格的なワインながら価格がリーズナブル。フランスワインの中では、消費者の認知度も比較的高い。


「ラ・キュベ・ミティーク」 赤。

 ピンク色のスパークリングワイン「べリンジャー・スパークリング・ホワイト・ジンファンデル」。カリフォルニア産。ハレの日の食事をリーズナブルに提供する際には、ピッタリの商材。


「べリンジャー・スパークリング・ホワイト・ジンファンデル」。


発泡酒樽生、新ジャンル樽詰、ハイボール、“かち割りワイン”

 大ぶりのグラスに氷をたっぷり入れ、赤でも白でもワインをなみなみと注いで出す、“かち割りワイン”もサッポロビールは提案している。

 発泡酒の樽生の扱い店がじわじわ増え、1〜8月のビール樽生出荷量が4%減に対し、発泡酒樽生の出荷量は5%増となっている。飲み放題やビールと同じ価格で量を多く飲めるとお客に支持されている。さらに9/30、サッポロビールが他社に先駆けて、新ジャンル「麦とホップ 樽詰」を発売した。

 そして、今のハイボールブーム。ウイスキーメーカー各社は久々のウイスキー増産を決めた。中ジョッキで400円前後で販売され、味がさっぱりして量も楽しめるとして、ビール樽生から乗り換えるお客が増えている。

 お客が求めているのはお得感。気取ったものではなく、実質のある商品だ。その中で“かち割りワイン”は、ワイン好きのお客に向けて、発泡酒樽生や新ジャンル樽詰、ハイボール感覚でカジュアルに提供できるアイテムではなかろうか。

 サッポロビールの3Lパックのスペインワイン「ガルシア・カリオン」を活用すれば、安くて量の多いワインメニューとなり、お客の満足度は高まる。安いワインでも冷やして飲めば間違いなく美味しい。


3Lパックのスペインワイン「ガルシア・カリオン」。


「サッポロワインサイト」

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2009年9月17日執筆


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