フードリンクレポート
稲庭うどん、製法の伝承と新しい食べ方の提案で郷土料理のブームに乗る。
2009.10.21
秋田県湯沢市内の山間にある稲庭の特産品、稲庭うどんは香川県の讃岐うどんと並ぶ日本のうどんの2大銘柄だ。しかし、讃岐うどんが毎日食べる庶民の味であるのに対して、稲庭うどんは秋田藩への献上品という歴史を持ち、贈答品として著名であっても、近年まで食べる文化は稲庭にもなかった。ところが、うどんと郷土料理のブームの中で再び注目された稲庭うどんは、今は“秋田の代表料理”として認知された。郷土の味として再構築された稲庭うどんの最前線をレポートする。
稲庭うどんの製造は、小麦、水、塩しか使わない。
・山深い静かな稲庭の里に行列必至の人気うどん店があった
つるっとした舌触りや喉越し、弾力ある純白な麺が全国のうどんファンを魅了する稲庭うどん。秋田県南部の湯沢市内の山間にある、稲庭町の特産品だ。
2008年10月にオープンした、稲庭うどんの老舗佐藤養助商店「佐藤養助総本店」は、秋田県湯沢市稲庭町にある、稲庭うどんの新しい発信基地だ。
国道398号線沿いに立つ、七代佐藤養助の大きな看板。
賑わう佐藤養助総本店。
<続く>
全文(有料会員様専用)の見出し
・佐竹藩の献上品から高品質で全国ブランドへと上り詰める
・蔵の町・増田町に老舗佐藤養助の歴史を展示する資料館
・総漆塗りのぜいたくな空間で食事、喫茶、買物が楽しめる
・製法は厳格な伝承技術だが、食べ方は全く自由なのが魅力
・珍しい生の稲庭うどんが食せる貴重な店、銀座の寛文五年堂
・新名物が続々生まれる秋田の麺文化、次は十文字ラーメンか
(写真47点、約6千1百文字)
【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2009年10月16日執筆