フードリンクレポート
お店に聞きました「今、どんなウイスキーが人気なんですか?」
ウイスキー人気はホンモノか?現場潜入レポート Day 3
・お店に聞きました「今、どんなウイスキーが人気なんですか?」
シングル・モルト、バーボン、ジャパニーズ・・・それぞれに上げ始めたらキリがないウイスキーの銘柄。お気に入りがわからないウイスキー初級者にとっては、どれを選んでいいか悩むものです。そこで、聞いてみました。「今、どれが人気なんですか?」
「日比谷BAR WHISKY−S」カウンター
ウイスキーを30種類以上取り揃えているコリドー街にあるフレンチタパスバー「Vapeur」では、「女性には香りの良いすっきりとした、マッカランやグレンリベット、男性にはスモーキーで独特の香りを持つ、ボウモアやラガブーリンが人気です。“ラガブーリン”って、響きがカッコいいんじゃないでしょうか?(笑)」と店主の細川氏。
ウイスキーは、渋い、カッコいいというイメージがあるので、男性はそれを求めてる部分があるのかもしれません。
香り高く、特に女性に人気が高いマッカラン。
「最初からウィスキーを飲まれる方も結構いますし、お好きな方はビールを頼む時のように銘柄指定で頼まれますね。」この店では、メジャーな銘柄から、特別に入手した蔵出しウィスキー、25年物、30年物のウィスキーまで揃えています。ウィスキー好きの強いこだわりを満足させるのは努力が必要なんですね。
ウイスキー専門のバー「日比谷BAR WHISKY−S」では、「女性には白州。ドライですっきりした味が人気です。男性は山崎ですね。シェリー樽の少しクセのある香りが特徴です。」とウイスキーのソムリエ、ウイスキーコニサーの半田氏。
シェリー樽香が特徴の山崎は男性に人気。
ここでも、やはり男女で人気が別れる様子。女性=すっきりして上品な香り。男性=独特の香り、スモーキーな味。という好みがあるようです。
ここでは、垂直テイスティングと平行テイスティングという飲み方を教えてもらいました。垂直テイスティングというのは、同じ銘柄の熟成年数が違う物を順に飲み比べること。例えば、白州10年、12年、18年、・・・という風に飲み比べていくことだそうで、一方の平行テイスティングというのは、同じ熟成年数の違う銘柄を飲み比べていくこと。白州12年の次は、山崎12年、そしてマッカラン12年、ラフロイグ12年・・・と。違いがより分かりやすく、好みを見つけられるいい方法です。
株式会社ハブが経営する英国風パブ「82」では、3種類のウイスキーが1000円で楽しめるテイスティングセットも人気だとか。スコッチだけでも約30種が揃う同店。スコッチの18年物まで選べて、3種類の組み合わせは無数。お店の人に、どれがどんな味なのか、それぞれの地域の味の特徴を聞きながら選べるのは楽しく、ますます興味がわきます。
この日私が選んだのは、人気のスコッチ3種。左から、ハイランドの「グレンモーレンジ
オリジナル」/アイレーの「ラガブーリン16年」/アイランズの「スキャバ14年」。
同じく好評なのが、店ごとに違う「マンスリー・スペシャル・モルト」。各店長が毎月オススメのシングルモルトを選ぶそうで、お客さんからのリクエストも取り入れたりするとか。
この時は、オープン記念としてスペシャル・ウィスキーを提供。
株式会社ハブの商品企画部部長新井氏によると、「ウイスキーはそれぞれに製造過程や歴史が全く異なり、魂のこもったストーリーがあります。それをお客様に伝えながら、提供できるのがウイスキーの魅力ですね。それに、ウイスキー好きのお客様は皆さんこだわりを持っていらっしゃるので、コミュニケーションがとりやすいんです。」
それが、「HUB」以外初めての業態でウイスキーをメインに選んだ同社の理由だそう。確かに、ウイスキーを選ぶ時はお店の人に相談しやすいし、そのウィスキーにまつわる話を聞くのも面白い。ウイスキーがコミュニケーションのいいきっかけになっているようです。
「そのためには、スタッフがウイスキーについてよく知らなければなりません。当社では、店長向けにウイスキー研修も定期的に行っています。さらに、お客様向けにもウィスキー蒸留所の責任者を招いてのセミナーを店舗で行ったりしています。お陰様でこのセミナーは大変ご好評頂いております。」
ウイスキーを通したコミュニケ−ションを築く土壌作りも大切なんですね。