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フードリンクレポート


難題に挑戦!「牛タンの炙り焼きに合うウイスキーをお願いします。」
ウイスキー人気はホンモノか?現場潜入レポート Day 18

2010.4.26
ウイスキービギナーのレポーター村田麻未が、毎日ウイスキーを飲みながら「ウイスキーのある風景」を体当たりレポート。1ヶ月の連載もいよいよ最終週。まだまだ尽きないウイスキーの魅力と現状を最後まで追い続けます! 毎日連載。全21回。


牛タンの炙り焼きに合わせるウイスキーは?

難題に挑戦!「牛タンの炙り焼きに合うウイスキーをお願いします。」

「干し魚の炭火焼に合うウイスキーお願いします!」と無茶なオーダーをしたのは、麻布十番にあるダイニングバー「月光浴」にて。


店内は、大きなカウンターがメインスペース。お洒落で落ち着いた雰囲気。

 ここは、オーセンティックなバーのような雰囲気ですが、ピザやパスタ、ステーキなどのメイン料理までしっかりと楽しめるお店。お酒もワインはもちろん、焼酎やウイスキーの品揃えも充実しています。

 私の難題に挑んでくれたのは、バーテンダーの林さん。アメリカ在住経験のある彼は、バーボンから入ったというウイスキー愛飲歴が長く、あらゆる好みに対応してくれます。

 挑戦したメニューは炭火焼といっても、卓上の七輪で、ワタ入りのまま干されたホタルイカや鮭などを炙って食べる、純和風なメニュー。でも彼が選んでくれたのは、なんとスコッチの中でもピート香の強い「ラフロイグ」。「日本のウイスキーじゃつまらないので、海外の物を選びました。潮の香りとスモーキーさが合うと思います。」と。試すと、本当にピッタリの組合せ。お互いの風味がうまく調和して、見事なペアリングでした。


「干し魚の盛り合わせ」と「ラフロイグ」。


「ラフロイグ Exclusive Casks」(左)、「ラフロイグ10年」 限定樽のラフロイグ(左)は光り輝くラベルです。

 続いて調子に乗った私は、「牛タンの炭火焼に合うウイスキーを選んでください。」とさらなる難題をぶつけてみました。さすがに、相当悩んだ林さん。そして、出た結論は・・・。


「牛タン炙り焼き」と「響17年」。

 まずはブラインドでと、出されたウイスキー。牛タンと一緒に味わうと、穀物のまろやかな風味と牛タンの旨みがよく合い、さらには、添えられたバジルソースとの相性がさらにいい感じです。初めての試みとちょっと自信無さ気の林さんも納得の相性の良さ。

 答えはというと、まろやかさが引き立っていたので、バーボンの一つかと思いきや、なんと正解は「響」。牛タンとバジルソースで、今まで感じたことのない「響」の味を感じることができました。料理と合わせることで、全く印象が変わって驚きです。

 このお店には名物のウイスキー、南部鉄器と七輪を使った「ホットウイスキー」があります。実は今回、これを求めて訪問したのですが、冬季限定(2月位まで)でこの時期は出していないとのこと。残念!このホットウイスキー、お店でウイスキーを独自にブレンドして加水し、1〜2日寝かせた後、南部鉄器に入れて七輪の上で70℃に温めるという手の込んだもの。まろやかで風味豊かなウイスキーが味わえるそうです。しかも、鉄分が溶け出し、鉄分補給もできるとか。


南部鉄器の急須。これでホットウイスキーが作られます。

 ホットウイスキーが味わえなかった私に、最後に林さんが出してくれたのは、オールドパーのフロート。水を入れたコップを冷やしながら、慎重にゆっくりゆっくりウイスキーを注ぎいれて完成したフロートは、くっきりとウイスキーの層が水に浮き、まさに芸術。


「ウイスキーフロート」写真では分かりにくいのですが、くっきりと2層に分かれていました。


その他、普段見たことのないウイスキー含め様々飲ませて頂きました。

 お題を出しながら、店員さんとウイスキーの新たな可能性にチャレンジした楽しい機会でした。


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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