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フードリンクレポート


実際のところ、「ウイスキー自体は今、人気なのか?」 
ウイスキー人気はホンモノか?現場潜入レポート Day 21

2010.4.30
ウイスキービギナーのレポーター村田麻未が、毎日ウイスキーを飲みながら「ウイスキーのある風景」を体当たりレポート。1ヶ月の連載もいよいよ最終週。まだまだ尽きないウイスキーの魅力と現状を最後まで追い続けます! 毎日連載。全21回。


ウイスキー飲み続けて分かったこととは?

実際のところ、「ウイスキー自体は今、人気なのか?」 

 まず、今回の大きなテーマだったこの疑問。ハイボール人気の影で、ウイスキー自体の人気はどうだったのでしょうか?

 これに関しては、「現状はあまり人気がない。でも兆しはある。」というのが実感です。圧倒的に人気があるのは、やはりハイボールなのです。どこのお店に行っても、一番飲まれているのはハイボール。ウイスキー自体は残念ながら、(いわゆるオーセンティックなバーを除けば、)一般的にはあまり飲まれていません。昔からのウイスキー好きがお気に入りのウイスキーを、うんちくを語りながら飲むという光景を多く見かけました。


断然人気のハイボール。この人気もハイボール止まりになってしまうのか?

 でも、ハイボールもウイスキーの飲み方の一つ。変わり映えのしない、こだわりの無い“ただのハイボール”は先につながらないと思いますが、こだわって、美味しいウイスキーを美味しい飲み方の一つとしてハイボールで飲むという場合は別。ウイスキーの美味しさを知ることになり、今度はウイスキー自体を味わい楽しみたいという気持ちにつながっていきます。

 事実、これまでウイスキーを飲まなかった人たちが、ハイボールをきっかけにウイスキーを飲むようになり、ウイスキーの本質に触れ、徐々にハイボール以外の飲み方でも飲むようになってきているようです。そして、種類の豊富さと多様で複雑な味わい、ゆっくりとウイスキーを味わう時間と空間の魅力に引き込まれていきます。

 ただ、きっかけの問題で、そのハイボールの次のステップを踏むチャンスがなかなか訪れないのも現状。美味しい銘柄、飲み方を教えてくれる人がいない、出してくれるお店がない・・・。非常にもったいなく感じます。


今後のウイスキー。女性も飲むように?食中酒として成立する? 

 女性とウイスキーに関して取材を通して感じたのは、ウイスキーの“飲まず嫌い”な女性が多いということです。理由は、「オヤジくさい」とか「強過ぎるお酒」という先入観。でも、最近はお酒に強い、お酒好きな女性が増えています。飲んでみると、その芳醇な香りと奥深さに感動し、飲み方さえ選べば強過ぎることはないので、その先入観とのギャップにみんな驚くようです。


“飲まず嫌い”の女性は、ウイスキーを飲むと先入観とのギャップに驚く。

 女性の多くが飲むようになるとは思いませんが、今よりもっと飲む女性が増えてもいいはず。のびしろが大きいターゲットだと思います。

 食事と一緒にウイスキーは楽しめるのか?というテーマは、いろいろ挑戦しましたが、依然難しい問題です。ウイスキー好きにこの質問をすると、決まって、「ウイスキーは単独で楽しむもの。ウイスキーと食事は根本的に合わない。」と言われました。

 でも、果たして本当にそうでしょうか?さすがにストレートで合わせるのは無理でも、ロックや水割りで、相性の良い組み合わせは結構あると思います。日本のウイスキーは和食に非常によく合いますし、スコッチと中華、「ラフロイグ」と干物、「響」と牛タン炙り焼きなんていうのも、見事なペアリングでした。もっと言ってしまえば、無理に合わせようと思わなければ、意外と何とでも飲めるお酒だったりします。そういう意味では、今後の可能性はさらに広がります。


和食と「余市」の相性の良さは感動ものでした。

 価格からもイメージからも、敷居が高く、詳しくなければ飲めないお酒という雰囲気のあるウイスキー。でも、今回取材をしてみて、手頃な価格で様々なウイスキーを楽しめるお店が増えていることを知りました。肩の力を抜いて、もっと気楽に楽しめばいいお酒なのではないでしょうか。

 “次世代のウイスキー好き”として、先入観やスタイルに捉われることなく、自分らしくウイスキーを楽しんでいきたいと思います。そして、そんな“次世代のウイスキー好き”が増えることを祈りながら、今日もウイスキーを飲んでいます。


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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