フードリンクレポート
誰が作っても美味しくなるカクテルの作り方〜ジントニック編〜
こんなカクテルに誰がした?あの美味しさとカッコ良さをもう一度! Day5
同じ材料でも、ほんのちょっと手間をかけるだけで数段美味しくなる。やらなきゃ損!
・誰が作っても美味しくなるカクテルの作り方とは?
「カクテル離れ」が進んでしまった背景には、美味しくないカクテルが氾濫してしまった現状があると思います。居酒屋やカラオケボックスのまずいカクテルで懲りてしまったり、まずく無くても“美味しくもない”カクテルはさらに多く、作る人によって味が違ったりするケースもよくあります。そんなカクテルではわざわざ頼む気にならないのでは?
レシピを統一化し、それを徹底させることで味は安定すると思います。そして、実は、同じ材料でもちょっとした手間や工夫を加えるだけで全く違った味になり、数段グレードアップしたカクテルが出来上がるのです。店側からしたら、それを知らずにやらずに、カクテルのオーダーを逃していては損ですよね。
そこで、メジャーないくつかのカクテルの、誰にでもできる美味しくなるポイントをプロのバーテンダーに伝授してもらうことにしました。カクテルを提供している飲食店の皆さん、この機会にレシピを見直し、美味しくなるテクニックの入ったレシピを徹底してみてはいかがでしょうか?
第1回目は、「ジントニック」。居酒屋やレストランのカクテルメニューの筆頭ですが、当たり外れの多いカクテルの一つではないでしょうか。ジンが濃かったり薄かったり、妙に苦かったりした経験がある人は少なくないはず。
今回、誰でも美味しく作れるポイントを伝授してもらったのは、銀座8丁目に今年3月、若干32歳で念願の自分のお店「Bar Sona」をオープンさせたオーナーの関亮太さん。
「Bar Sona」店内
「ジントニックは、バーテンダーが一番最初に覚えるカクテルであり、重きを置くカクテル。ジントニックを美味しく作れないと他もダメなんです。」とジントニックへの思い入れを語ってくれた関さん。手順を追って、ポイントを教えてもらいました。
まず、材料として用意するのは、ジン、トニック、ソーダ、ライム。ジンは、「ジントニック」の特徴である爽快感を出せるビフィーター、タンカレー、ボンベイサファイアを。ソーダは、よりさっぱりさせるために少し加えるそうです。全体通して大切なのは、炭酸をいかに殺さずに仕上げるかという点です。
ジン、トニック、ソーダ。どれもよく冷やしてあります。
ポイント1)底が丸いグラスを用意する。
底が丸いと、トニックやソーダを入れた時、底に到達した炭酸が自然に対流してくれます。つまり混ぜる回数が減ります。
ポイント2)氷をくの字に入れる。
氷をグラスを横から見た時、くの字になるように配置します。すると上から見た時、両サイドに隙間ができるのと、上部に氷一つ分の隙間ができます。
図を書いて説明してくれた関さん。くの字に入れる氷とライムを入れる場所の図です。
ポイント3)ライムは絞り過ぎない。
次に、ライムをしぼりますが、その際決して絞り過ぎないこと。理由は2つ。ライムを絞り過ぎるとエグ味が出てしまうから。それと、果汁を果肉に残しておくことで、炭酸を入れた後、炭酸に刺激されて少しずつライムの果汁が出続けるので、最後までライムの風味が足され続けて楽しめるという理由からです。絞ったライムは、2)で作られた氷一つ分の隙間に落とします。
くの字に配置された氷と隙間に入れられたライム。
ポイント4)隙間から静かに炭酸を注ぐ。
2)で作られた、両サイドの隙間に静かに炭酸を注ぎます。1)で説明した通り、自然に炭酸が対流します。
炭酸をゆっくり静かに注ぎます。
ポイント5)軽く混ぜるだけ。
最後にマドラーを静かにグラスに入れ、底から少し上下させて軽く優しく2回位かき混ぜるだけ。かき混ぜ過ぎると炭酸が抜けてしまいます。
本当に軽く混ぜるだけ。
出来上がりを飲んでみると、さすが、炭酸がよく効いていて、爽やかさが口いっぱいに広がるドライで爽快な仕上がり。ジンとライムの香りも程良く、とても美味しい「ジントニック」です。これなら、わざわざ頼む価値があります。
炭酸の効いた美味しい「ジントニック」。
どのポイントも誰にでもできる簡単なことばかり。でもこの合わせ技が“美味しくもない”カクテルとの大きな差になるのです。ぜひ試してみてください!
→「Bar Sona」
■店舗情報
「Bar Sona」
住所:東京都中央区銀座8-7-20 イセキビルB1F
電話:03-3572-6770
定休日:日曜・祝日