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フードリンクレポート


誰が作っても美味しくなるカクテルの作り方〜スクリュードライバー編〜
こんなカクテルに誰がした?あの美味しさとカッコ良さをもう一度! Day7

2010.6.23
近頃、カクテルを飲む機会が減っていませんか?今、若者を中心に「カクテル離れ」が進んでいます。居酒屋で飲んだまずいカクテルに懲りたから?本当に美味しいカクテルに出会ったことがないから?バーでスマートに注文し、丁寧に作られた美味しいカクテルを、名前の由来なんか語りながら飲む。かつて、カクテルにはそんなカッコ良さがあったはず。カクテル人気の復活を期待しながら、美味しいカクテルを追い求めます!レポートは村田麻未。毎週水曜・金曜に掲載。全18回。


スクリュードライバーだって、ひと味違ったカクテルに変身!

“コンスタントに同じ味を出す大切さ”おろそかにしていませんか?

 今となっては居酒屋カクテルの定番にもなったメジャーカクテルを、誰にでもできる美味しく作れるよう、プロのバーテンダーに伝授してもらうこの企画。前回はジントニックでしたが、第2回目の今回は、「スクリュードライバー」。こちらも今や居酒屋カクテルの定番です。

 ウォッカとオレンジジュースという、この上無いシンプルな材料で、違いが出るのか?と思われるかもしれませんが、シンプルだからこそ差が出やすいとも言えます。カクテルを提供している飲食店の皆さんは必見です!

 ちなみに、この「スクリュードライバー」、名前の由来は文字通り「ねじ回し」。その昔、イランで(テキサス説もあり)労働者がウォッカとオレンジジュースをその場にあった「ねじ回し」でかき混ぜ作って飲んだから、とされています。

 今回、誰でも美味しく作れるポイントを伝授してもらったのは、銀座6丁目にある「BAR 酒仙堂」のオーナー樋渡洋さん。銀座の老舗バー「オーパ」で修行を積み、2001年に独立。8席のカウンターのみのお店ですが、樋渡さんのカクテルを求めて毎晩常連が通う名店です。


「酒仙堂」店内。モヒートがご指名でよく出ていました。

 まず用意するのは、よく冷えたウォッカとオレンジジュース。オレンジジュースは、生オレンジから絞って用意します。

ポイント1)グラスに氷を入れて冷やしておきます。

ポイント2)絞ったオレンジジュース(60cc)を計ります。

 プロは目分量?と思いがちですが、きっちりと計ります。例え、1つのオレンジを絞ったとしても、毎回量は異なります。樋渡さんいわく、「迷うくらいなら計った方がいいんです。同じカクテルを複数頼まれた時に、量の不公平を無くすという意味もあります。」


オーダーがあってから丁寧に絞られるオレンジ。


計量カップは欠かせない。

 「コンスタントに同じ味を出すことはバーテンダーにとって、とても大切なこと」。スクリュードライバー1杯を作る時は、オレンジジュース60ccを目安にしているそうです。

ポイント3)軽く振る。

 ウォッカ(45ml弱)とオレンジジュースを入れ、シェイカー(樋渡さんが使っていたのはグラスのタンブラーを使ったボストンシェイカー)で振るのですが、この時ほんの数回軽く振るだけ。


軽く振るだけ。振り過ぎない。

 「フルーツを絞ったフレッシュジュースを使うときは、本来なら振らない方がいいんです。フルーツが持つ酸が飛んでしまうから。でも、スピリッツは振った方がまろやかになり飲みやすくなります。」

 というわけで、振るのはほんの数回、軽く。それぞれの素材の特徴を活かす作り方があるわけです。その両方の良さを活かすための、“軽く”だったのです。

 こうして出来上がったスクリュードライバーは、オレンジの酸味が本当に程よく、オレンジの爽やかな香りがウォッカの香りと絶妙にマッチして、香りよく仕上っていました。正直、これまで飲んだスクリュードライバーとは全く違うカクテルでした。


スクリュードライバーだって、ひと味違ったカクテルに変身!

 材料は同じでも違う味。今回も、シンプルなカクテルだったにも関わらず、全く違う美味しさを体験することができました。こちらもぜひお試し下さい。


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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