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フードリンクレポート


カクテルワールドコンペティションに潜入!日本一は誰の手に?
こんなカクテルに誰がした?あの美味しさとカッコ良さをもう一度! Day8

2010.6.25
近頃、カクテルを飲む機会が減っていませんか?今、若者を中心に「カクテル離れ」が進んでいます。居酒屋で飲んだまずいカクテルに懲りたから?本当に美味しいカクテルに出会ったことがないから?バーでスマートに注文し、丁寧に作られた美味しいカクテルを、名前の由来なんか語りながら飲む。かつて、カクテルにはそんなカッコ良さがあったはず。カクテル人気の復活を期待しながら、美味しいカクテルを追い求めます!レポートは村田麻未。毎週水曜・金曜に掲載。全18回。


優勝は奈良県にある「ザ セイリング バー」の渡辺匠さん。

観客も楽しめる、ショー型カクテルコンペティション

 今週月曜(21日)に、「ディアジオ ワールドクラス カクテルコンペティション2010」日本大会の最終実技審査が行われ、その会場に行ってきました!


日比谷にあるクラブ「CLUB DIANA(クラブ ディアナ)」が会場。食い入るように見つめる観客。

 この「ディアジオ ワールドクラス カクテルコンペティション2010」はイギリスの総合酒類メーカー、ディアジオ社が主催する世界規模の大会。今回はその大会の日本大会。優勝者は来月ギリシャ アテネで開催される世界大会に日本代表として出場できるというもの。日本でも大きなバーテンダーの大会の一つ。
 
 最終実技審査は2日間に分けて行われますが、その手法がユニーク。1日目は非公開ですが、あらかじめ考えた応募カクテルの披露と「Food Pairing」という事前に試食したフードに合ったカクテルを作るというもの。


オリジナルカクテルのプレゼンプレゼンテーション風景。

 優勝者渡辺さんのオリジナルカクテル「ボタニカル ガーデン」は、タンカレーナンバーテン、キリン生茶、生すだち、シロップ、大葉を使ったカクテル。


「ボタ二カル ガーデン」

 そして、公開された2日目の審査は、「Speed Challenge」と言って5種類のカクテルを1杯ずつ創作し、スピード、バーテディングスキル、味覚、見栄えを競う審査と、「Card Draw Challenge」というテーマが書かれたカードを引いて、即興で引いたテーマに合ったカクテルを作るという個性的かつ面白い審査。


「Speed Challenge」では、5種類の違うカクテルを作るスピードを競う。

 ちなみに、渡辺さんが引いたのは「初めてのデート」。タンカレーを使って、桃や紅茶、ミントを加えた爽やかなショートカクテルを作りました。


「Card Draw Challenge」での渡辺さんのカクテル。

 そのユニークな審査も、クラブが会場という点でも観客を楽しませる演出が随所に考えられています。クラブならではの照明演出や、ステージ奥のDJブースではイベントの各シーンに合わせたDJプレイが行われていました。ステージがほぼ同じフロアにあるので、臨場感が味わえるのもいいところ。

 そして、会場のバーでは、ディアジオブランドのウォッカ「シロック」とジン「タンカレーナンバーテン」を使ったオリジナルカクテルが自由に楽しめました。その他ドリンクやフードまで振る舞われ、まさにカクテルの一大イベントといった感じ。


装飾されたドリンクバー。


ディアジオブランドの「シロック」とパッションフルーツを使ったオリジナルカクテル

 最終実技後の審査結果を待つ間には、昨年の日本代表、ペニンシュラ東京シニアバーテンダーの鎌田真理さんと、昨年世界ナンバーワンに輝いたギリシャのアリストテレス・パパドボロスさんによるカクテルパフォーマンスが行われ、その鮮やかな手つきと趣向を凝らしたカクテルには、会場から感嘆の声が上がっていました。

 二人とも独創性が高く、今までに見たこともない新しいカクテルを披露。ジョニーウォーカーと柚子パウダーを抹茶椀に入れ、茶筅で立ててサーブ。ロンサカパに様々なスパイス風味のチョコレートスティックを順に入れて、香りの変化と組み合わせを楽しませるというパフォーマンスも。


抹茶椀で、ジョニーウォーカーと柚子パウダーを茶筅で立てる鎌田さん。

 アリストテレスさんは、「ギリシャ風サラダマティーニ」を披露。トマトとキュウリをミキサーにかけた後、エキスが出た水分だけを吸い取って使ったり、トマトフォームを載せたりと、カクテルとは思えないような素材を組み合わせたカクテル。最後にはなんとフェタチーズを散らしていました。


キュウリのエキスを注射器で抜き、砂糖と合わせてシロップに。


「ギリシャ風サラダマティーニ」

 1日目の審査には、厳しい選考を勝ち抜いた15名が参加。そこでさらに2日目の審査に向けて5名に絞られ、最後にその戦いを勝ち抜いたのは、奈良県の会員制のバー「ザ セイリング バー」の渡辺匠さん。最初から使うスピリッツはタンカレーを貫き通し、安定したプレゼン力と技術で見事優勝。「この大会を通じて、たくさんの人と出会い、そのコミュニケーションを通して世界が広がりました。」と喜びを語っていました。

 優勝すると、世界大会への出場のみならず、様々なイベントやメディアで日本代表としての活動が待っていて、バーテンダーとして大きな飛躍が約束されています。


大会に出ることでバーテンダー同士の横のつながりも強くなる。

 観客までその緊張感と臨場感が伝わってきて、イベントとしても楽しめる面白い大会でした。


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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