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フードリンクレポート


ゴーヤにゴボウ、ワサビ、セロリもカクテルに!広がる野菜カクテルの世界。
こんなカクテルに誰がした?あの美味しさとカッコ良さをもう一度! Day15

2010.7.21
カクテル人気の復活に期待しながら、美味しいカクテルを追い求めて1ヶ月以上が経過。なぜカクテル離れが進んでしまったのか、不味い居酒屋カクテルの影に隠れてしまったカクテルの本当の魅力とは何なのかが徐々に分かってきました。カクテルの美味しさとカッコ良さを体感しながら、その魅力にさらに迫ります!レポートは村田麻未。毎週水曜・金曜に掲載。全18回。


ゴーヤのカクテル(左)とパプリカのカクテル(右)。

ゴーヤにゴボウ、ワサビ、セロリもカクテルに!広がる野菜カクテルの世界

 東銀座の路地の角、驚くべきBarの看板を見つけました。「フレッシュフルーツカクテル」と書かれた下に並んでいたのは、トマト、カボチャ、ゴボウ、ワサビ、セロリ・・・の文字。以前記事にも書いた、NYで飲んだ野菜を使ったカクテル(大根、きゅうり、トマトなど)以来の衝撃。しかも、ゴボウやカボチャのカクテルは見たこともありません。


店頭のメニュー看板。

 このお店は、銀座のお店を回りながら修行したバーテンダーの谷井さんが去年開いた「Wine&Bar a.c.e.」。以前スナックだった店舗を改装したという店内は、どこか昭和の香り漂うノスタルジックな雰囲気。銀座から少し離れているというのもあって、妙に落ち着くお店です。


照明やイスからもノスタルジックな雰囲気が漂う店内。

 この日一緒に訪れた友人たちと共に、野菜カクテルをオーダー。どうせなら、面白そうなものにしようと選んだのは、パプリカ、ワサビにゴーヤ。

まずは、ゴーヤ。出てきたのは、さっと茹でられたゴーヤのスライス。それをグラッパ、抹茶のリキュール、バニラのリキュールと一緒に、牛乳も加えてミキサーにかけます。滑らかになったら出来上がり。


ゴーヤカクテルの材料となるゴーヤ。


「ガリアーノ」、バニラのリキュール。背の高い瓶が特徴的でカッコイイ。


クリーミーな質感で、言われなければまさかゴーヤのカクテルだとは気付かない。

 味は、口に入れた瞬間、クリーミーな甘さが広がって濃厚な味わい。でもその後にゴーヤの香りと苦味がしっかりと追っかけてきて、不思議な感じです。でも、そのギャップが面白く、クセになる味でした。

 そして、パプリカ。ジンとカンパリと合わせるそうで、見た目も赤がとても鮮やか。味は、パプリカの風味とカンパリの風味がよく溶け合い、ジンでさっぱりとした味に仕上がっています。夏らしい、とても爽やかな美味しいカクテルです。


鮮やかな赤で見た目にも楽しめます。黄色のパプリカでもできるそう。

 最後は、ワサビ。想像も付かない味なのでドキドキでしたが、ジンベースだというそのカクテルは、ワサビとジンの香りが予想をはるかに超える相性の良さで、すっきり味の美味しいカクテルになっていました。ワサビの辛さはあまり出ず、風味が引き立っています。


エメラルドグリーンのグラデーションがキレイなワサビカクテル。

「あまり辛くはないんですね。」と感想を伝えると、「もう少しワサビを追加してみます?」と谷井さん。なんと、ワサビの追加をすることに。このカクテルに使っているのは、生のワサビ。丁寧に鮫の皮でおろされて、めでたく追加完了。でも、やはり辛くはない。ワサビの風味が増して、さらにすっきりした味わいになりました。


丁寧におろされるワサビ。もはやバーの風景ではありません。

 非常に気になったゴボウのカクテルは、この日品切れだったので頼めませんでしたが、野菜は季節によって変わるそう。とうもろこしや枝豆などもメニューに加わるとのこと。野菜の特徴に合わせて、フルーツのリキュールを加えたり、とうもろこしのカクテルにはコーヒー豆を砕いた物をアクセントに加えるそうです。

 カクテルにならない野菜はないのでは?と思う程ですが、それぞれの野菜の特徴を活かし、美味しく仕上げる工夫が不可欠。クリエイティブなカクテル作りの真髄を見た気がしました。

 24日のカクテルナイトでも、野菜を使ったカクテルが飲める予定です。ぜひ野菜カクテルの美味しさを体感してください!


【取材・執筆】 村田 麻未(むらた あさみ)


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