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次に流行るお店

安いワイン、こだわりの生ハムが売りの居心地良いカジュアルイタリアン
「ベンヴェヌート ア タパス」
(東京・新宿三丁目/イタリアン)

第278回 2009年8月4日

こだわりの生ハム
「Benvenuto a Tapas(ベンヴェヌート ア タパス)」は、東京メトロ・都営地下鉄の新宿三丁目駅前、伊勢丹向いの明治通り沿いに建て替えられた、高山ランド会館というビルのB1に新規オープンした、カジュアルイタリアンの店だ。

 開店日は7月1日。ジャパンフードシステムズの新業態店である。


入口


入って直ぐがキッチン。


店内。


喫煙区域もある。



 同社・小林敬社長によれば「元々建て替える前には弊社のタパス&タパスが入っていたのですが、つくれる席数が減ることがわかってきました。従来の2000円前後の客単価で予算を達成するのは難しいので、もう少し客単価の取れる業態を考えた」とのこと。

 席数は60席で、想定顧客単価は3500円。売上目標は1600万円と強気の設定だ。

“ベンヴェヌート”とはイタリア語で“ようこそ”を意味する。

 売りは小林社長が「新宿で一番安い」と豪語するワインで、世界各国の赤・白・スパークリングのスタンダード13種がボトル1800〜3000円で飲める。壁にはその日のお勧めが貼ってあり、こだわる人はそちらを選択できる。グラスは1杯350円〜である。


自分でワイン棚から選べる。

 そのほかのドリンクは、ビール中ジョッキ650円、コーヒー450円などとなっている。

 フードは、ワインに合うイタリア、スペインから取り寄せた11種類の生ハムを前面に出しており、ハーフなら380円からある。

 特に日本に数百本しか入らないという、スペインの24ヶ月熟成したハモン イベリコ最高品質「ハモン イベリコ ベジョータ」(2780円、ハーフ1500円)が、味わえるのは嬉しい。イタリアからも、世界三大ハムの1つ「パルマ産プロシュート」(680円、ハーフ380円)、パルマと並ぶ産地で14ヶ月熟成させたマイルドな風味の「サンダニーレ産プロシュート」(780円、ハーフ480円)などを揃えている。


入口のキッチンで生ハムをカットする。

 牛肉は黒毛和牛の最高品質A5等級の肉を使うなど、素材の品質を選りすぐっている。「黒毛和牛ステーキのタリアータ」は120グラムで、2700円となっている。


タリアータ120g 2700円。

 温菜・冷菜は680~780円を中心価格帯に各種あり、「アンティパスト6種の盛り合わせ」(1480円)、「チーズ4種の盛り合わせ」(1280円)などの人気が高い。サラダも3種ある。


チーズ4種の盛り合わせ 1280円。

 また、パスタだけでも16種類あり、塩味、トマト味、クリーム味から選べる。価格帯は1180〜1380円と手頃だ。取り分けパスタの2〜3名用「贅沢!魚介たっぷりペスカトーレ」(1880円)もある。


贅沢魚介たっぷりペスカトーレ 1880円。

 ピザは店内の石窯で焼く、ナポリ風の本格派。「カルボナーラ」は卵の半熟がアクセント(1580円)、「ゴルゴンゾーラとリンゴのピッツァ」はチーズ好きにお勧めのメニューだ(1680円)。


カルボナーラ 1580円。

 手づくりのドルチェは数名で取り分けて楽しめる、盛り合わせの「ドルチェミスト」(1680円)が人気。冷んやり3種のカップデザート(880円)は、トマトのムース、グレープフルーツのジュレ、自家製プリンがセットになっている。

 ランチは16:30ラストオーダーで17:00までと長時間営業している。パスタが1000円、ピッツァが1000〜1100円で味わえ、お得な価格設定だ。しかも、フリードリンク付でコーヒー、紅茶だけでなく、果汁100%のジュース、野菜ジュース、ハーブティーも提供される。

 現状は、ランチは平均して230人が来店する人気で、平日は百貨店などショップ店員やOLで賑わう。ディナーはサラリーマン、OLが主流でアベックが多い。男女比は3:7で女性が多い。休日は全般的に新宿の買物客が中心だ。

 また、パスタやピッツァのランチは、プラス880円で、前菜6種盛り、フォカッチャ、デザート3種盛りを付けることもできる。

 小林社長のアイデアが反映された内装は、シックな中にもお皿をたくさん吊り下げたシャンデリアや、ワインのビンでつくった客席照明が印象的。アンティークの雑貨や古めかしい写真、壁に飾られたイタリア研修旅行の写真、中央テーブルに置かれた花瓶に飾られた花などで、居心地の良い温かみのある空間をつくっている。


お皿をたくさん吊り下げたシャンデリア


壁に飾られたイタリア研修旅行の写真。

 ペーパークロスを使用して、予約客にはホールスタッフが手書きでメッセージを書くのも、パソコンの活字や携帯メールの時代にかえって新鮮だ。


ペーパークロスにメッセージがかける。

「すべては接客ですから、テーブルは列ごとに担当者を決めてしっかりとやっていきます」と小林社長。今年2月にジャパンフードシステムズの再建を託されて社長に就任して以来、メニューの値段を下げて、客単価を150円上げる挑戦に取り組んでおり、350円上がった店もあるなど既存店では成果が出てきている。

「ベンヴェヌート ア タパス」は「タパス&タパス」のアッパー業態が確立できるか、試金石になる。出足好調だが、この勢いを継続してほしい。


テーブル担当スタッフと小林敬氏(右)


【ベンヴェヌート ア タパス】
住所 東京都新宿区新宿3-5-3 高山ランド会館B1
電話番号 03-5919-7353
営業時間 ランチ 11:30〜17:00(L.O.16:30)
月〜金 18:00〜23:30(L.O.22:30)
土日祝 17:00〜23:30(L.O.22:30)
定休日 無休
客席数 60席
客単価 3500円
目標月商 1600万円
開店日 2009年7月1日
経営母体 株式会社ジャパンフードシステムズ
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)   2009年7月7日取材

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