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次に流行るお店

トマトの魅力を手頃な値段で味わい尽くせる店
「トマトガーデン」
(東京・渋谷/トマト料理)

第282回 2009年9月1日

トマトの庭など料理一覧。
「トマトガーデン」は、7月21日にオープンした、トマト料理専門店。

 コンセプトは、「トマト畑に併設した地下倉庫を改装して造られた、フレッシュトマトとトマト料理専門の食堂」。トマト料理というと奇抜な感じがするが、トマトラーメンが隠れたブームになるなど、トマトは注目の食材である。

 経営するラピースドリームの小池温男社長は「日本に1軒もないような個性的な店にしたかった。1つの食材に特化した店にしようと、いろんな食材を書き出してみた中で、トマトほどおもしろい食材はないと思った」と、出店の経緯を語る。


ファサード。


入口。

 トマトは、生で食べてもおいしいし、前菜、サラダ、パスタ、ピザ、鍋、デザート、ジュース、カクテルと、実にさまざまな展開が可能な食材である。また、トマトは赤いものだけでなく、黄色、オレンジ、緑、白、黒、茶色など、いろいろな色や形のものがあり、味も異なる。そして、銘柄フルーツトマトの甘さ、おいしさ、そこに魅力を感じた。


様々な色や形のトマト。

 しかも、トマトは健康に良い食材であることが知られており、カロリーを気にする女性に人気がある。ローカロリーに加えて、リコピンという癌や動脈硬化の発症に関係する活性酸素を取り除く成分も豊富に含まれている。

 ターゲットは30歳独身女性とピンポイントに設定し、メニューや内装を考えた。実際の顧客も30歳前後の女性が多く、顧客の8割を女性が占めるという。客単価は4000円で設定しており、普段使いができる値段である。

 内装は元々あった同社経営のカジュアルなバーを改装。1階と地下1階の2層になっている。アンティークのシャンデリアが吊るされた高さ8mの吹き抜け、イタリア語でメニューが書かれている壁一面の大黒板、ナチュラルな木目のテーブルにトマトをイメージさせる赤い椅子を配するなど、「トマト畑に併設した地下倉庫を改装して造られた食堂」という空間コンセプト通り、印象的で独特な空間を構築している。


「トマト畑に併設した地下倉庫を改装して造られた食堂」がコンセプト。


店内。

 人気メニューは、「トマトガーデンが厳選した旬のフルーツトマト」(1個500円〜、3種盛り合わせ1480円)で、常時5、6種類のフルーツトマトをそろえている。トマトは世界に8000種類あると言われており、珍しい形のものもあり、実の大きさもさまざまだ。食べ比べて見れば、甘さ、酸味、食感が全部異なることが理解できるだろう。


日替わりのフルーツトマトメニュー。

「トマト屋の自家製生トマトジュース」(680円)は、店内で作られた物を提供する。これはフルーティーで旨い。一般に市販されているトマトジュースは、塩を入れて味の調整をした有塩トマトジュースだが、この自家製生トマトジュースは絶妙なスッキリした甘酸っぱさがある。


トマト屋の自家製生トマトジュース 680円。

 また、ストレートのほかに、オレンジ、レモン、ピーチネクター、クランベリー、グレープフルーツをブレンドしたり、蜂蜜やミルクとブレンダーにかけたものもある。

 このジュースはもちろんカクテルにも使われており、自家製生トマトジュースを使ったカクテルは「トマト屋の自家製生トマトカクテル」というカテゴリーで全6種、各780円となっている。自家製生トマトジュースとエビスビールを使った「レッドアイ」が人気。

 サラダでは、「トマトの庭〜本日のおすすめ彩りトマトサラダ〜」(980円)が人気。色とりどりのトマトが7〜9種類程度入っていて、見た目もきれいでインパクトがある。

 メインとしてよくオーダーされるのは、「山のトマト鍋」、「海のトマト鍋」、「豆乳のトマト鍋」と3種類あるトマト鍋(1人前1480円〜)。鍋のあとには、「チーズリゾ飯」(プラス500円)が好評。これは、残っているトマトスープにご飯ととろけるチーズを入れ、リゾットにして食べるもの。


山のトマト鍋 一人前1480円

 デザートは、「トマトのソルベ」(480円)、「トマト風味のなめらかブリュレ」(550円)などがある。


トマトのソルベ 480円。


トマト風味のなめらかブリュレ 550円。

 同店では、オリジナルのトマトジャムやトマトケチャップもつくっているが、中でもトマトジュースは、ぜひ物販をやってほしいという声が多いという。

「ラブホテル街の入口にある立地を心配していましたが、お陰様で新聞、雑誌、テレビやラジオなどメディアの取材も多く、順調なスタートが切れました。トマトジュースはおかわりする人も多く、自信を持って出しています」と小池社長の声も明るい。

 特殊なトマトをつくっている生産者は限られているので、トマト専門の卸業者などと連絡を取り合って食材の確保に努めている。

 レストランとしての魅力もさることながら、ジュースの評判が高いことから、今後ジューススタンドへの展開、通販などの物販により可能性があるような感もある。トマトという食材の奥深さを手頃な値段で体験できる店だと言えるだろう。


【トマトガーデン】
住所 東京都渋谷区道玄坂2-26-12 P&AプラザⅡ1F
電話番号 03-3780-8777
営業時間 17:00〜24:00(L.O.23:00)
定休日 日曜(貸切のみ営業)
客席数 35席
客単価 4000円
目標月商 500万円
開店日 2009年7月21日
経営母体 株式会社ラピースドリーム
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)   2009年8月6日取材

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