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編集部の気になる商品とお店

第63回 2005年01月15日

地域密着、カフェスタイルの本格中華居酒屋
「CHINA GARDEN Saago 」(サーゴー)東戸塚店
サーゴー

横浜から元町・中華街までを結ぶみなとみらい線が、平成16年2月1日に開業した。東急東横線との相互直通運転により、買い物やレジャー客等の増加がしている。首都圏の広い範囲の人々にとって横浜都心部がより身近となり、人が集中し始めている。
飲食店においては、個室を用意し、店内は非常に暗めの照明でムードを演出するハード面を持ち、創作和食を提供するソフトとを組み合わせた業態に人気があるようだ。ようするにまだ東京のトレンドが少し時期を遅れて喜ばれている。横浜発、横浜オリジナルの流れを形成するにはもう少し時間がかかるのだろう。
横浜という地域は、みなとみらい地区から北を見ると東京町田までとかなりの広範囲にわたる。横浜都心部の他は、新興の住宅地も多く都内までのアクセスも改善が進んでいることもありマンションなどの建設も盛んだ。そうした地域に住む、若くアクティブな夫婦や学生、フリーター世代にとっては、みなとみらいへはいわば休日の「おでかけ」になってしまう。もっと自宅近くでも手軽におしゃれな食事を楽しみたいという需要があるのだろうことは想像も可能だ。

横浜駅から横須賀線で2駅目の東戸塚、駅前には大手デパートがありその周辺には新しいマンションが立ち並ぶ。「CHINA GARDEN Saago」(以下、サーゴー)は駅近くのマンションの1階に2003年6月にオープン。もとは一つ隣の戸塚で1999年から営業していたのだが、建物施設の老朽化などを理由に移転リニューアルした。
経営者である有限会社サーゴーフードサービスの佐々木社長は、現在33歳。地元戸塚で中華料理店を経営するご両親のもとに生まれ、商学部で4年間の大学生活を過ごした後、料理人を志し大手レストランのキッチンで修行を始めた。
「料理人の世界は、若くからキッチンに入る方が多いんです。私がキッチンに入ったのは、23歳の時ですがそれこそ16歳から始めている人とは7年もの差があるわけです。大卒の23歳で未経験ということでことごとく断られました。しかし、どうしても諦められなかったので、結局、大学にはいかずにその期間は修行していたことにしてキッチンに入れてもらうことにしました(笑)。」と佐々木氏は語る。
約一年半でお店を任されるようになり、その後4年間勤め上げた後独立する。
自己資金の200万円のうち店舗取得費で175万円が消えて、残り25万円で内装やら什器など全てを整えた。できるだけ安価に済ませたいと大工仕事なども積極的に関わった。その経験は今でも生きていて、今年8月にオープンした港南台店、2002年オープンの上永谷店の3店舗で展開しているが、設計、デザイン、施工にはできるだけ参加しているという。

オープン後、1年は苦しい経営を強いられたが評判は口コミで広がり2年目にはウェイティングが出るほどに成長した。「開業前にコンサルタントに相談に行ったこともありますが、どの方も「中華だけはやめておけ」と言いました。まだ、中華での居酒屋が出てきてないころだったんですね。」と佐々木氏は振り返るが、逆にチェーン系の居酒屋の値段で本格中華を提供すれば必ず喜ばれる確信が産まれたという。

「サーゴー 東戸塚店」は、70席。客単価は2500円で目標月商は600万。客層は20代前半から30代半ばまでで7割が女性客だ。写真をご覧いただければわかるが、とても中華居酒屋の内装ではなく、まるでカフェのような白を基調にしたスマートなインテリア。周囲にはチェーン系の居酒屋が多くある中、料理の値段が280円から680円までになっており値段で渡り合って、インテリアでちゃんと差別化されていることが人気の要因であろう。
人気メニューは「あんかけチャーハン」(680円)、「蒸し餃子」(380円)などしっかりた本格中華の味付けの料理だ。豆板醤やラー油なども自家製を使用しているなどこだわりを持っているが、その点はメニューには決して書かない。「確かにメニューにうたえば話題性はあると思いますが、料理を情報で食べさせることになってしまいます。食べて美味しいのならお客様からかならず反応があるはずなんです。」佐々木氏はあくまで味で楽しんでもらいたい姿勢だ。
現在3店舗で展開中のサーゴーだが、すでに複数の商業施設への出店オファーがあるという。しかし、これまで同様に安易な出店はせずに地域のお客様に愛されるような店づくりを変えることはしないそうだ。「息の長い店づくり」、決して忘れてはいけないことを再認識させられる店が「サーゴー」であった。地域の人々はみなとみらいまで行かなくても中華を楽しませてくれるお店がある、実にうらやましい限りである。

サーゴー
周辺では一際目立つ
エントランス

サーゴー
ブロックガラスで仕切られた
ドリンクカウンター

サーゴー
白を基調にした座敷席

サーゴー
シーフードサラダ(680円)

サーゴー
蒸し餃子(380円)

取材・執筆 本誌編集部 横田茂 2005年01月15日

「CHINA GARDEN Saago 」(サーゴー)東戸塚店
住所 横浜市戸塚区信濃町515-1ニューシティー東戸塚南の街3号館109-3
電話 045-829-1208
営業時間 17:00-25:00
定休日 なし
web site http://www.saago.co.jp/

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