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編集部の気になる商品とお店

第70回 2005年02月26日

美しく飲める大人のための立ち飲み
「竜馬」
けけ

これほどまでに賑わう店が今どれくらい存在するのだろうか?12.5坪の店内には約50人がひしめき合う、最高で80人も収容したこともあると言う。東京新橋の立ち飲みの店「竜馬」が、以前の場所ではとても収容しきれないとの判断で2005年1月に移転リニューアルオープンした。それでもすでにキャパギリギリの繁盛店となってしまっている。オープンは2000年、まだ現在のように立ち飲みというスタイルが一部の大人たちにのみ愛されていた頃だ。

「開業前、どんな業態かを絞り込む際に多くの飲食店を見てまわりました。狭い坪数、人件費も低く抑えられるという点で注目したのが立ち飲み。お洒落なインテリアで雰囲気を作れば、女性にも訴求でき、充分ニーズがあると判断しました。」と語るのは、オーナーの砂押氏。和食の板前の経験もある氏が作る料理に、立ち飲み店でのメニューらしくない本格的なものがあるのはそのためだ。「クオリティーが高いものを安く提供することが大切。新橋のお客さんはそこが非常にシビアです。10円の値上げも見逃しませんし、グラスに注ぐ酒の量がちょっと減っても来てくれません。ウチのフードは、500円をマックスにしていますが、2人前近くの量で提供しているものあります。」
安くて美味しくて、量もたっぷり。これなら安心して遊びに来れるはずだが、竜馬の楽しみはこれだけではない。「カウンターに乗せられた小さな籠に、あらかじめお金を入れてもらってオーダーごとにそこから会計していきます。会計が明朗な上に、例えば「残り500円で何を飲もうかな?」という駄菓子屋のような感覚も味わえます。これは、自然にできたシステムなんですが、飲み方として美しいと感じています。」

客層では6:4で男性が多く、そのほとんどがサラリーマン。17時オープンだが、21時を境に客層がガラリと変わるという。
竜馬では、「佐藤」「魔王」などのプレミア焼酎をはじめとして、約80種の焼酎を取り揃えている。しかも基本的に一杯500円。「赤いシールが500円、黄色シールが450円、白いシールが400円、金色のシールは500円ですがお一人様一杯までです。例外として「森伊蔵」はグラス3000円をいただいていますが、これは好きな方だけにお楽しみいただくための価格です。」なるほど、またここにも楽しむための仕掛けが用意されているのだ。その他、ワインやシェリーも用意し女性にも喜ばれている。ジャック・ダニエルズが一杯350円など、ドリンクも全般的に安い価格に設定されている。そして、ホッピーも人気ドリンクの1つだという。

「竜馬は、お客様それぞれがそれぞれの楽しみ方で利用していただいています。チャージもいただいていませんから、350円でジャックを一杯だけ飲んでいかれる方もいらっしゃる。また、接待客が2件目の店として来店し、立ってプレミア焼酎を飲む。そんな姿も見ることができます。」砂押氏は続ける、「竜馬に来るお客様は、「キレイに」飲むことを知っている大人の方ばかり。店内が込んできたら何も言わずとも詰めてくれるし、決して一杯で長居をするようなこともありません。遊び方をわきまえていらっしゃる方が多いから、女性でも安心して立ち飲みのスタイルを楽しめるんだと思います。知らないお客さん同士でも、コミュニケーションが取れる楽しさも魅力の1つだと思います。」
人気のフードメニューは、「まぐろ中落ち」(400円)。ご覧のようにほぼ二人前の量だ。また、21時以降限定メニューの「サッポロ一番」ラーメン(280円)は、味噌味と塩味を用意。ただ茹でただけではなく、トッピングがあるのが嬉しい。焼鳥も一本150円、二本で250円。二本で鶏正肉二枚分の量を提供する。ようするに腹ごしらえもしっかりできるお店になっているわけだ。

さて、「混雑してくるとまるでクラブような雰囲気」になる繁盛店「竜馬」だが、今年4月には以前の場所に姉妹店をオープンさせるという。こちらは、5坪で2人のスタッフで切盛りされるが、内一人は女性バーテンダー。「竜馬」同様、新橋の夜を華やかになることが期待できそうだ。最近ではある種ブームにもなって、店も増えている立ち飲みだが、遊び方を知っている大人たちが集う店が少ないという声を耳にする。そう嘆く前に一度、「竜馬」に足を運んでいただきたいものである。

けけ
エントランスから奥に伸びるカウンター

けけ
これで400円「まぐろ中落ち」

けけ
21時以降限定メニュー
「サッポロ一番」ラーメン(280円)

けけ

二本で250円、二本で鶏正肉二枚分の量


けけ
プレミア焼酎の棚が壮観
幻の味に出会える

取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年02月26日

「竜馬」
住所 東京都港区新橋2-13-3 ALCビル1F
電話 03-3591-1757
営業時間 月〜木 17:00〜1:00(LO 閉店の30分前)
17:00〜4:00(LO 閉店の30分前)
定休日 土日祝祭日
Web Site http://www.geocities.jp/tachinomiryoma/newpage2.html

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