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編集部の気になる商品とお店

第74回 2005年03月19日

しっとりとした大人の京風居酒屋
「遊食 東山庵」
黄金屋店内

レインズインターナショナルの新業態「遊食 東山庵」が2004年12月16日、池袋にオープンした。同業態では、2003年12月にオープンした大宮店に続く2店目、東京初出店となるが、月商1100万円と好調だ。「弊社には『土間土間』という居酒屋がありますので、競合しない業態開発が必要でした。実際に、『東山庵』大宮店の近くに『土間土間』があるのですが、きちんとお客様のすみ分けができています。」と話すのは、同社業態開発本部の渋田氏。「土間土間」の客単価が2000円から2500円なのに対し、同店は3500円となっている。パワーゾーンを35歳に設定するところから業態開発は始まり、「しっとり」とした雰囲気を持つ京都風のコンセプトが出来上がった。

店内は、エントランスの暖簾をくぐると、滝が流れるカウンターに向かって真っ直ぐに欄干のある橋が伸びる。その両サイドには簾のおりる個室風のテーブルと、障子によって仕切られる個室が並ぶという、まるでテーマパークに来たかのような演出がある。その他にも2名用の個室や、襖を開けると大人数の宴会にも対応できる座敷などさまざまな用途に対応するが、しっとりとした空間はOLなど女性グループの利用が多いというのも頷ける。
料理では、北海道産大豆「とよまさり」から造った豆乳を使用する人気メニュー「特撰手造り絹豆冨」(480円)など、湯葉、豆冨をふんだんに使用し、健康と美容に高い関心をもつ20代後半から40代に合わせたメニューを用意。また、京都二条の漬物屋「中辻」より直送される千枚漬け(480円)やお漬物、京生麩の磯辺焼き(680円)など京都感をアップするアイテムも含まれている。インテリアや料理などコンセプトの具現化には、2ヶ月間、現地京都での研鑽を重ねている。
そして、接客にも同店ならではの特長を持たせている。「牛角」や「温野菜」といった業態では、元気が良く親しみやすい接客を行っているが、同店ではスタッフのユニフォームに着物を採用し、「おいでやす」といった簡単な京都弁を話すことで雰囲気を守る。
「『牛角』の接客よりは、若干ハードルが高いことは事実です。丁寧なお辞儀や襖を閉めるという動作は、若いパートナーさんには普段から馴染みが薄い。しかし、逆にそれらを習得することで得られる達成感や嬉しさもより大きいようですから、成長も早いですよ。」と渋田氏。「流行の服を着て出勤して、着物に着替えて丁寧にお辞儀をする訳ですから、オンとオフを切り替えて舞台に上がるような感覚でしょうか。それぞれ楽しんでいるようです。」と、同社の人財育成は依然強固であるという、自信を伺わせた。

同店は、レインズのお店ということで来店するお客もあるという。「『牛角』でレインズを知っていただいたお客様には、「レインズのお店」ということで安心していただけます。ちょうど『牛角』が大ブレイクした頃、20歳過ぎだったお客様が現在は20代後半ですから、『東山庵』のターゲット層に重なります。」なるほど、より癒しを求める年齢層には、「東山庵」はまさにぴったりの店ということになる。
さて、気になる同店の今後の展開だが、「東山庵」は100坪、140席のというビジネスモデルとなっている。これからさらなるブラッシュアップが行われながら、ライセンス販売へと歩を進めるようだ。2004年12月期連結決算では、経常利益45億6600万円という圧倒的な強さを見せるレインズインターナショナルだが、さらなる起爆剤として「東山庵」の今後の展開を見逃すことはできない。


黄金屋店内
橋の両側に個室が並ぶ
「しっとり」とした空間

あんかけスパ
目の前に滝が落ちるカウンター席

目黒のゴローちゃん
店で仕込まれる「もち豆冨」 (460円)

目黒のゴローちゃん

2名様用の個室も用意する

取材・執筆 本誌編集長 横田茂 2005年03月27日

「遊食 東山庵」
住所 東京都豊島区東池袋1-4-2三経33ビル 3F
電話 03-5960-3556
営業時間 月〜土・祝前日 17:00〜29:00
日・祝 17:00〜24:00
定休日 無休
Web Site http://www.reins.co.jp/blands/reins/higashiyama.html

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