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和民市場
第82回 2005年05月21日

編集部の気になる商品とお店

魚介料理に特化し売上高140%UPの新業態
「海鮮処 和民市場 上野浅草口店」

(上野/海鮮居酒屋)

 2005年4月1日「外食の会社」から「外食もやってる企業グループ」へと社名を変更し、外食ばかりではなく、農場経営や環境、介護といった新しい事業を展開するようになった「ワタミ株式会社」
 同社は2004年秋より「和民」一本ではなく、多角的にマーケットを狙うため次々と新しい業態を開発しており、その中の一つが「和民市場」である。新しい業態の開発にあたり、メニューへのアプローチという観点で、「和民」の海鮮メニューをより強化し専門性をアピールした海鮮処「和民市場」が誕生した。魚介料理という専門性は従来の客層であった若い人だけではなく、年配の方へのアプローチにもなり、前年比140%UPの売上高を誇る業態となった。現在関東を中心に7店舗構え、そのうちの3店舗が「和民」からの業態転換店であるというが、上野浅草口店は2004年11月30日に新規出店した。

 同店は、JR・東京メトロ浅草駅浅草口から出てすぐの駅前ビルの2、3階にある。同ビルの違うフロアには同社グループの「坐・和民」「わたみん家」の店舗も入っている。近隣には競合店舗がひしめく激戦区ではあるが、平日の午後7時にもなると、「和民市場」を含め「坐・和民」「わたみん家」も連日満席になる盛況ぶりであると言う。同店は2階はテーブル席、3階は座敷席中心の2フロアで115席を設けており、昨年度からの140%の売り上げ成長率は納得である。
 平日の客層は大半が30代〜50代の男性で、「和民」の場合は男女比率が5:5で比較的若いビジネスマンが多いが、「和民市場」は男女比率は6:4で、少し年齢層が高くなる。男性グループが多く、女性は男性と共にという形で来店することが多い。魚介料理に特化した為、年配の男性によく好まれるが、客層の幅を広げる為にも女性客を取り込みたいとの意欲を店長の桑原氏は見せる。海のイメージのインテリアで統一し、店舗入り口の壁際には白い大きな貝を埋め込む装飾や、2階カウンター席の電球を貝で覆うなどの遊び心を見せ、女性客にアピールしている。

 海の幸を使いつつも刺身だけではなく、アレンジしたフードメニューの「サーモンハラスの炙り寿司」(399円)、「まぐろステーキ」(504円)、「海鮮湯葉春巻」(504円)等の料理が人気で好まれているようだ。海鮮物をコンセプトにしている同業他店と比べ、刺身だけではなく、アレンジした料理が提供出来るというのは同店の特徴である。
 野菜は主に同社が設立した有機農産物を栽培する「ワタミファーム」で作られており、有機JAS認証を取得した「安全で安心なおいしい野菜」が提供されている。またドレッシング、そばつゆ等などの下ごしらえは集中仕込センターの「ワタミ手づくり厨房」で作られており、手作り感を打ち出している。同店の厨房は3階にあり、ほとんどの調理はそこで行われるが、焼魚だけは2階のカウンターで調理をし、お客様に見て匂って楽しんでいただくという工夫も見られる。

 ドリンクメニューは日本酒は7種類、焼酎は12種類、サワーやカクテルにあたっては50種類以上揃える。同店は男性客が多いため、辛口の日本酒や焼酎が特に好まれるという特徴があらわれる。

 同店は予約のみではあるが「ランチ宴会」を始めており、予算は2800円のコース中心で年配の方に人気であるという。休日は家族連れのお客様も多く、客層の幅は徐々に広がっているようだ。
 同時期に業態変更でオープンした「坐・和民」、炭火焼だいにんぐ「わたみん家」と並び、次の「和民」を背負う業態として、ますますの発展が期待される。

和民市場
2階テーブル席には、
壁一面に漁港や魚の名前を掲げ、
海鮮物に特化した雰囲気を持たせている


和民市場
壁には、たくさんの貝が埋め込まれており、
デザイン的なアクセントとなっている。


和民市場
店長お薦めの「浜のあんかけ焼きそば」(504円)は
お好みで酢をかけて食べると、
あっさりとして美味しい。


和民市場
貝殻のオブジェの電球がぶら下がるカウンターでは、
焼き魚を楽しめる。

和民市場
3階は座敷形式で、
落ち着いた色調でゆったりとくつろげる

取材・執筆 本誌編集部 芳之内由佳 2005年05月21日

「海鮮処 和民市場 上野浅草口店」
住所 東京都台東区上野7‐2‐1 南大門上野駅前ビル2・3階
電話 03-5827-2093
営業時間 月〜木 16:00〜翌日2:00
金・土・祝前日 16:00〜翌日5:00
定休日 年中無休
客席数 115席
客単価 2300円
経営母体 ワタミ株式会社
Web Site http://www.watami.co.jp

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