RSSフィード

たけのこ
第83回 2005年05月21日

編集部の気になる商品とお店

女ひとりで家庭料理をふらりと楽しむ
「たけのこ」

(北新地/京料理)

 大阪 北新地といえば、有名なクラブ街。
日髪を結った着物姿や、肩紐の細いスリップドレスの美しい女性の姿を多く見かける、華やかなエリアである。
一般の女性が足を踏み入れるのは、少し勇気がいる北新地だが若い女性が一人でも気軽の食事ができる創作料理店があると聞き、早速お店へお邪魔することにした。

 北新地のビルの中、カウンターのみ3坪9席の小さな店で、雪夫さんとさとしさんのご兄弟2人で営業しているのが「たけのこ」である。
目ひくのは、カウンターにずらりと並べられる20種類ほどのお惣菜だ。

「以前は二人で別々のお店をやっていたのですが、二人でやろうか、いうことになりまして"たけのこ"をオープンさせました。もう30年ほどになります。
 二人で食べていければいいかな、思うてのんびりやってますわ」

と笑うのは、兄の雪夫さん。
以前は別の場所で営業していた店舗があり、広さも倍くらいあったというが周りの治安が悪くなったのと、さとしさんが体調を崩したこともあり現在の場所へ1年半程前に移転したという。

 お店を休むときは、和食に限らず、イタリアンや中華なども食べ歩き、メニュー作りの参考にすることもあるそうだ。雪夫さんが考え、さとしさんが調理する。二人の息はぴったりだ。

 店の人気メニューはグリーンコロッケ600円やタコのたこ焼き700円、いもたこなんきんサラダ 600円など。グリーンコロッケは、ジャガイモでなくえんどう豆を使用したもの。中からは溶けるチーズが現れる。
 タコのたこ焼きは、炒めたタコが入るお好み焼き風。粉が少ないのかあっさりと軽く食べられる逸品だ。芋、たこ、南瓜と言えば、女性に人気の食材。
 こちらを総動員したサラダはドレッシングに秘密があり、ヨーグルトを使用する。雪夫さんがスイスに旅行へ行った際に覚えたという。ほのかな甘さとボリュームたっぷりのサラダだ。

 この他にも、無農薬の京野菜を使用したサラダやにんにくの芽やパプリカを炒めたものなど、どれも野菜が多く使用されている。どこか家庭的で和めるメニューが女性にウケているのだ。

「早い時間は、若い女の子ばかり。最初は、新地やから値段も書かんかったんです。ところが、これなんぼ言うて聞きはる人多かったんで値段も壁に書くようになりました。それで安心して飲める人多いとちゃいますか」
と雪夫さん。

 明朗会計で、気になる予算は1人2500円ほど。アルコールの売り上げ比率は約30%だという。生ビール、焼酎、日本酒、ウイスキーなどを好みで。日本酒は、一の蔵1合で600円とこちらもお手頃価格。

 この店のもうひとつの魅力は、お二人のお人柄。
「何や一度来れば常連さんみたいな感じになって」と、暖かな接客も人気の理由だ。お二人は、女流作家の山口洋子さんやタレントのカルーセル麻紀さんとも親しいという。店名は「覚えやすく、電話で言いやすい名前」ということで山口洋子さんが名付け親になった。

 家庭的な料理で一献。カップルやお友達とはもちろん、女性一人で、家庭的でおいしい惣菜をつまみたい時にふらりと訪れたい店だ。

たけのこ
カウンターにはお二人の
手作りの惣菜がずらりと並ぶ。


たけのこ
人気のたこのたこ焼きは
注文に合わせて焼き上げる。

たけのこ
グリーンコロッケは中から
溶けるチーズが表れるる


たけのこ
お酒は、一合600円だが実際は
一合以上の量をサービス。


たけのこ
店内には、季節に合わせた花を
雪夫さんが飾る

取材・執筆 本誌編集部 石田千代 2005年05月21日

「北新地 たけのこ」
住所 大阪市北区曽根崎新地1丁目7-6 新日本新地ビル東館  1階
電話 06−6345-7601
営業時間 10食限定ランチ 11:30〜13:00
ディナー 18:00〜24:00
定休日 年中無休
客席数 9席(3坪)
客単価 2500円
経営母体 個人経営

このページの上へ「次に流行る!」お店リストへ

「飲・食・店」新聞フードリンクニュース・Copyright© FOODRINK CO.,LTD.All Rights Reserved