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山陰の郷土料理と新鮮な魚、地酒が味わえる居酒屋
「炉端 かば」東京新宿店(東京・新宿/居酒屋)

第144回 2006年7月21日

垂れ幕
「炉端 かば」東京新宿店は、安来節で有名な島根県安来市に本社がある経営する、K・Kダイニングの東京初進出店である。

 これまで「炉端 かば」は、安来本店のほか、松江店、出雲店(以上島根県)、米子店、鳥取店(以上鳥取県)といった、山陰地方に5店を展開してきた。山陰地方以外の出店も初めてで、“山陰のアンテナショップ”的な役割を果たす店を目指すという。

 従って、ドリンクもフードも、山陰の地場のものをフィーチャーし、東京に居ながらにして、山陰の味がダイジェストで楽しめるようになっている。

 ドリンクでの特徴は、山陰の地焼酎を7銘柄扱っていることだ。そのうち、「どじょうすくい」と「のん気にくらしなさい」は、鳥取県境港市出身の漫画家・水木しげるさんがラベルを描いている。

 また、印象的な銘柄名の「なまけものになりなさい」、珍しい海藻の焼酎で隠岐島で産する「いそっ子」などを扱っている。

 忙しい東京人の癒されたい本音からか、「のん気にくらしなさい」と「なまけものになりなさい」の人気が特に高いという。

 ビールでは水木さんの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」にちなんだ「鬼太郎ビール」、日本酒では出雲の神話にちなんだ「やまたのおろち」といった地酒が飲める。 


鬼太郎ビールとオリジナル清酒と焼酎

 フードでは、全国有数の漁港である、境港から毎日直送する30〜40種類もの新鮮な魚介類が売りで、顧客の7〜8割が注文するそうだ。旬な魚介類を提供するため、メニューは毎日手書きで板書される。“本日のお刺身”を盛り合わせた、「日本海山陰盛」(1人前1400円)もある。


新鮮魚介類


山陰料理各種

「隠岐のいわがき」、「あごの焼き」、「浜田の赤天」、「かにみそ」、「ぼうずごろし」(岩もずく)といった名産品も、味わえる。

 そればかりでなく、鳥取県中部東伯地方の若鶏を使った、唐揚げ、タタキ、鍋、手羽先焼き、「出雲そば」のざるそば、かけそば、サラダ、鳥取県米子地方特産の白ネギを使ったネギ焼き、ネギ田楽、どじょうすくいの安来節にちなんだ、どじょうの柳川、鍋、唐揚げ、等々といったように、メニューは山陰色が満載である。旬の時期には松葉ガニの鍋も楽しめる。

 ご飯ものでは、「カニ押寿司」、「にぎり寿司」のほか、丼物では「海鮮丼」、「海鮮ぞうすい」、「天丼」といった海の幸を生かした料理がうれしい。  

 内装、テーブルなどのインテリアは白木でつくっており、田舎っぽい雰囲気を醸し出している。

テーブル席


お座敷

 店員もまた、山陰色が強く、社員は山陰より赴任、アルバイトも東京在住の山陰出身者が9割となっている。

「今は手探りの状況で、東京向けにちょっとメニューを変えたりもしています。お客さんはサラリーマンが多いですね。30代、40代の方が会社帰りに2、3人で寄っていくといった感じです」と山田博之店長。


山田博之店長

 顧客も山陰出身者が多く、リピーターも出てきているという。京阪神地区では多い山陰出身者だが、東京首都圏ではそれほど目立たない。しかし、人口の多い首都圏のこと、山陰出身者も相当、住んでいるだろうし、旅行などで山陰の厚い人情に触れた、京阪神都市圏の人や広島、岡山といった山陽地方の出身者も、多いだろう。

 今まで東京では意外に知られてこなかった、山陰の味、文化を伝える拠点として、期待がかかる店である。K・Kダイニングでは、この店が安定すれば、東京で何店か展開したい意向を持っている。
【「炉端 かば」東京新宿店】
住所 東京都新宿区新宿3−31−3HS中央プラザビル2F
電話番号 03−3226−0118
営業時間 月〜木16:00〜翌2:00、金・土・祝前16:00〜翌4:00、
日・祝15:00〜23:00
定休日 年中無休
客席数 73席
客単価 3500円
経営母体 有限会社K・Kダイニング
Web Site http://www.k4.dion.ne.jp/~kaba1/
長浜淳之介 2006年6月22日取材

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