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新感覚の「博多 水炊き餃子」を味わう、九州料理の隠れ家
「水炊き餃子・もつ鍋・馬刺 あ・うんの博多ぬくぬく家」渋谷店
(東京・渋谷/九州料理)

第160回 2006年12月8日

コラーゲンたっぷり博多水炊き餃子(980円)
「水炊き餃子・もつ鍋・馬刺 あ・うんの博多ぬくぬく家」渋谷店は、今年8月8日、道玄坂上の路地にオープンした、隠れ家のような九州料理専門店である。

 同店を展開するアーバンは、平成2年に設立し、福岡市内に開業した居食屋「あ・うん」から出発して、7店を福岡市でチェーン化してきた飲食企業で、東京初進出となる。小じゃれた感じ居酒屋をこれまで手掛けてきたアーバンとしても、九州料理を全面に打ち出した初めての店でもあり、福岡が本社の店として、東京の先端である郷土ダイニングの業態を新しく開発し、既存の周囲の飲食店との差別化を図っている。

 アーバンの前身は、東京・品川で生まれ育った別府治幸社長が、福岡で始めた喫茶店であるが、創業20周年を期に、第2の創業の意味合いを込めて、東京に出店したという。


外観

 店名に“水炊き餃子・もつ鍋・馬刺”と看板料理が3つフィーチャーされているが、その中でも新しくメニュー開発した「博多 水炊き餃子」(980円)は、他店では味わうことができない新感覚の鍋として、食した人からはたいへんな好評を博しているという。

 博多の「水炊き」は有名な郷土料理であるが、同店ではそこに黒豚を具の素材にした、もちもちの餃子を入れた、餃子鍋としてアレンジして出している。

 しかも、スープは“朝引き鶏”を使用し、10時間をかけてじっくり煮込んだ“鶏白湯スープ”がベースになっており、あっさりした中にもコクがあって、何度食べても飽きない味に仕上がっている。

 九州名物の柚子胡椒で食べると、違った風味が味わえる。具を食べたあとには、ちゃんぽん麺を素材の旨味がしみ込んだスープに入れていただくと、さらに新しいおいしさが発見できる。ごはんを入れて、雑炊にしてもおいしい。

「人気の『水炊き餃子』はほとんどのお客様が注文し、食べた人100人が100人ともに、おいしいといただけている自信の品です。鶏ガラからしみ出たコラーゲンもたっぷりですし、美容と健康にもいいですよ」と、綾部朋子マネージャーは胸を張る。

 また、東京でも再ブームになっている「もつ鍋」(1280円)も、本場の味を再現した本格的なものだ。正油と味噌の2つの味が選べる。   


ヘルシー生馬刺盛り合わせ(1980円)


丸腸のピリ辛炒め(1100円)


博多「あごおとし」ブランド明太子の天ぷら(750円)

「馬刺」は産地の熊本から新鮮な馬肉を直送し、九州の甘辛い醤油で食べる。「生馬刺盛り合わせ」(1980円)は「水炊き餃子」に次ぐ人気のメニューだ。

 そのほか、「博多長茄子の焼きびたし」(580円)、「ぐつぐつ博多がめ煮」(580円)、「馬ホルモンの味噌煮込み」(1100円)、「ミミガー」(480円)など、九州の名物が満載。濃くて甘辛い、九州の味付けのままで提供している。

「博多 明太子」(生・あぶり、750円)は、「あご落とし」という博多でも知る人ぞ知るブランドを出している。

 ドリンクは、厳選した全46種の芋、麦、米、黒糖、蕎麦の本格焼酎、泡盛を集めているほか、ビール、日本酒、ワイン、さらにはノンアルコールのビール、カクテル、ソフトドリンクなどを各種そろえている。

 梅酒はオリジナルの手造り梅酒など6種が、各500円で飲める。

 内装、外装は日本旅館風になっており、メインの2階席はまさに旅館の宴会場のような雰囲気である。また、1階は古民家風の個室になっており、チャージが3000円となっている。


2Fメイン座敷


2F小座敷

 コースは3000円、3500円、4500円と3種類あり、どのコースも水炊き餃子、もつ鍋、馬刺が味わえる。ただし、3000円のコースでは、水炊き餃子か、もつ鍋か、どちらかを選択することになる。   

 顧客層は30代から50代のサラリーマン・OLが中心で、男女比は6対4で若干男性が多い。九州、特に福岡出身者や福岡に出張で行ったことのある人の来店も多く、リピーターもすでについてきているという。

 3人〜5人の団体が多く、週末はカップルが増える。客数は徐々に上り調子で、ほぼ1回転するペースとなっているが、金曜日は平素の倍ほどが来店し、すでに予約を取ったほうがいいような状況になっている。近隣の会社、住民の忘年会、宴会需要もかなり高まってきているようだ。     

「料理が旨い飯屋さんであることが一番ですが、接客面でもお客様の立場に立って、かゆいところに手が届く、心温まるようなもてなしを心掛けていきたいです」と綾部さん。

 綾部さんら主要なスタッフは、オープンの2週間前より福岡から東京に移住して、試食を繰り返し、メニュー構成を詰めて、オープンに臨んだ。

 料理に特徴があっておいしく、接客も最高なら、最強の店になれるだろう。「水炊き餃子」という魅力的なメニューは、ブームを生み出す爆発力を秘めているかもしれない。


店長(手前左)とスタッフさん
【「水炊き餃子・もつ鍋・馬刺 あ・うんの博多ぬくぬく家」渋谷店】
住所 東京都渋谷区円山町20−1新大宗円山ビル1F
電話番号 03−5728−3335
営業時間 月〜木 17:30〜翌1:00
金、土 17:30〜翌4:00
日・祝 17:30〜0:00
定休日 無休
客席数 60席
客単価 3800円
経営母体 有限会社アーバン
長浜淳之介 2006年10月26日取材

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