RSSフィード

次に流行るお店

懐かしいモダンな雰囲気がある、ビジネスパーソン向けの新しい居酒屋
「赤玉屋 神田店」
(東京・神保町/居酒屋)

第166回 2007年2月16日

「赤玉屋」外観
「赤玉屋 神田店」は、昨年10月31日にオープン。昭和の懐かしい食堂をイメージしたような、落ち着いた雰囲気を持ちながらも、開放感と活気を感じる、“大人の社交場”といった感じの店だ。

 経営は際コーポレーションで、中島武社長のアンティークの趣味の良さを、この店でも味わうことができ、期待を裏切らない。


「赤玉屋」外観


「赤玉屋」店内

 業態としては、洋風と和風を織り交ぜた料理を出す居酒屋で、比較的安い値段でメニューを提供し、毎日でも通ってもらえるような店を目指している。店の特徴の1つとして「赤玉スイートワイン」をドリンクの目玉にしている。どちらかというとお酒が苦手な若い女性のオーダーが目立ち、ジュースで割るケースも多い。

 なお、「赤玉屋」はもう1店、東京都国分寺市にも国分寺店があるが、内容が異なっており、チェーンという発想はしていない。

「赤玉屋 神田店」の特徴として挙げられるのは、少々変わった他の店では食べられない料理が多いことだ。かと言って、特殊な食材が出てきたり、特に違和感のある食べあわせのものが出てくるというのではなく、スペインの生ハムに青ネギをトッピングしてみたり、肉じゃがにキムチを入れてみたりと、家庭でも工夫できるような、意外なおいしさが発見できるのが楽しい。

 また、「赤玉スイートワイン」をソースやスープに使ったメニューも、牛丼、キムチ豚丼、赤玉スパイス鍋(肉、海鮮、カマ)、赤玉鍋(肉、海鮮)、牛すじ赤ワイン煮などと、各種そろっていて、この店の売りになっている。

 焼きとり、焼きとんは各種120円からそろっており、5本盛りで780円となっている。また、名物カマも、鯛、鰤、鮪、鮭とあり、「ビックリカマ焼き大盛り」(3点1500円)は豪快な料理だ。

 鶏、豚、牛バラと3種類あるビックリ焼きは、唐辛子をたっぷりきかせた辛いメニューである。

 さらに、ランチもオール900円で提供しており、周囲のサラリーマンに人気という。


豚ゲテもの焼き盛合せ


牛すじワイン煮


ビックリカマ焼き大盛り

 小林慶太店長は入社して7年になり、既に中華料理、アジア料理、アメリカ料理などさまざまな業種、6店の店長を務めた経験があるベテランだ。

「特別なことはやっていませんが、注文を受けたお酒はすぐに持っていくようにしています。厨房で2人、ホールで2〜3人と、最小の人数で回して、いかに効率よく、良いサービスができるかを常に考えています」と語る。

 顧客が料理を注文してから、長時間待たせないように、仕込を丹念に行うなど、見えない部分に気配りがきいている。

 特に大々的な宣伝は行っていないが、料理のインパクト、レトロな内装、サービスなど複合的な店のレベルの高さが評価されて、口コミで昼は2回転、夜も2〜3回転するほどに人気が高まってきている。金曜日の夜は半分の席が予約で埋まるほどだそうだ。

 顧客層は年齢を問わず、サラリーマン、OLが中心で、男性6割、女性4割といったところだ。

 神保町、御茶ノ水界隈には、多くの会社、学校があるにもかかわらず、深夜まで営業している店が少ない。その点でも貴重な存在で、使い勝手の良さから、昼に夜に日参する常連もいるという。特に深夜は常連が大半を占めるそうだ。

 隣接して「万豚記」、「蒙古家」といった系列店があり、相乗効果も出ている模様だ。

 際コーポレーションにしては、派手さのない店ではあるが、渋い内装と料理の面白さ、サービスの充実と、実質の詰まった内容で、長く街の繁盛店として残っていきそうなタイプの店であろう。


スタッフの小林晴樹さん


【赤玉屋 神田店】
住所 東京都千代田区神田駿河台3−7−15
電話番号 03-5282-8205
営業時間 ランチ  月曜〜土曜 11:30〜15:00(L.O.14:30)
ディナー 月曜〜金曜 18:00〜翌4:00(L.O.翌3:00)
       土曜    18:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日 日曜
客席数 60席
客単価 2500円
経営母体 際コーポレーション株式会社
長浜淳之介 2007年1月19日取材

Page Top