次に流行るお店
懐かしいモダンな雰囲気がある、ビジネスパーソン向けの新しい居酒屋
「赤玉屋 神田店」
(東京・神保町/居酒屋)
第166回 2007年2月16日
「赤玉屋」外観
経営は際コーポレーションで、中島武社長のアンティークの趣味の良さを、この店でも味わうことができ、期待を裏切らない。
「赤玉屋」外観
「赤玉屋」店内
業態としては、洋風と和風を織り交ぜた料理を出す居酒屋で、比較的安い値段でメニューを提供し、毎日でも通ってもらえるような店を目指している。店の特徴の1つとして「赤玉スイートワイン」をドリンクの目玉にしている。どちらかというとお酒が苦手な若い女性のオーダーが目立ち、ジュースで割るケースも多い。
なお、「赤玉屋」はもう1店、東京都国分寺市にも国分寺店があるが、内容が異なっており、チェーンという発想はしていない。
「赤玉屋 神田店」の特徴として挙げられるのは、少々変わった他の店では食べられない料理が多いことだ。かと言って、特殊な食材が出てきたり、特に違和感のある食べあわせのものが出てくるというのではなく、スペインの生ハムに青ネギをトッピングしてみたり、肉じゃがにキムチを入れてみたりと、家庭でも工夫できるような、意外なおいしさが発見できるのが楽しい。
また、「赤玉スイートワイン」をソースやスープに使ったメニューも、牛丼、キムチ豚丼、赤玉スパイス鍋(肉、海鮮、カマ)、赤玉鍋(肉、海鮮)、牛すじ赤ワイン煮などと、各種そろっていて、この店の売りになっている。
焼きとり、焼きとんは各種120円からそろっており、5本盛りで780円となっている。また、名物カマも、鯛、鰤、鮪、鮭とあり、「ビックリカマ焼き大盛り」(3点1500円)は豪快な料理だ。
鶏、豚、牛バラと3種類あるビックリ焼きは、唐辛子をたっぷりきかせた辛いメニューである。
さらに、ランチもオール900円で提供しており、周囲のサラリーマンに人気という。
豚ゲテもの焼き盛合せ
牛すじワイン煮
ビックリカマ焼き大盛り
小林慶太店長は入社して7年になり、既に中華料理、アジア料理、アメリカ料理などさまざまな業種、6店の店長を務めた経験があるベテランだ。
「特別なことはやっていませんが、注文を受けたお酒はすぐに持っていくようにしています。厨房で2人、ホールで2〜3人と、最小の人数で回して、いかに効率よく、良いサービスができるかを常に考えています」と語る。
顧客が料理を注文してから、長時間待たせないように、仕込を丹念に行うなど、見えない部分に気配りがきいている。
特に大々的な宣伝は行っていないが、料理のインパクト、レトロな内装、サービスなど複合的な店のレベルの高さが評価されて、口コミで昼は2回転、夜も2〜3回転するほどに人気が高まってきている。金曜日の夜は半分の席が予約で埋まるほどだそうだ。
顧客層は年齢を問わず、サラリーマン、OLが中心で、男性6割、女性4割といったところだ。
神保町、御茶ノ水界隈には、多くの会社、学校があるにもかかわらず、深夜まで営業している店が少ない。その点でも貴重な存在で、使い勝手の良さから、昼に夜に日参する常連もいるという。特に深夜は常連が大半を占めるそうだ。
隣接して「万豚記」、「蒙古家」といった系列店があり、相乗効果も出ている模様だ。
際コーポレーションにしては、派手さのない店ではあるが、渋い内装と料理の面白さ、サービスの充実と、実質の詰まった内容で、長く街の繁盛店として残っていきそうなタイプの店であろう。
スタッフの小林晴樹さん
【赤玉屋 神田店】
住所 | 東京都千代田区神田駿河台3−7−15 |
電話番号 | 03-5282-8205 |
営業時間 | ランチ 月曜〜土曜 11:30〜15:00(L.O.14:30) ディナー 月曜〜金曜 18:00〜翌4:00(L.O.翌3:00) 土曜 18:00〜23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 日曜 |
客席数 | 60席 |
客単価 | 2500円 |
経営母体 | 際コーポレーション株式会社 |
長浜淳之介 2007年1月19日取材