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次に流行るお店

東京ミッドタウンに登場した、ニューヨークの超繁盛レストランの初姉妹店
「ユニオン・スクエア・トウキョウ」
(東京・六本木/ニューヨークダイニング)

第173回 2007年4月27日

「ユニオン・スクエア・トウキョウ」メインダイニング

「ユニオン・スクエア・トウキョウ」は、3月30日、六本木・旧防衛庁跡を再開発した「東京ミッドタウン」内にオープンした、ニューヨーク「ユニオン・スクエア・カフェ」の海外初の姉妹店。

「東京ミッドタウン」の中でもメインショッピングエリアで、全長150m、高さ約25mの4層吹き抜けのスタイリッシュな施設である「ガレリア」内の日本、そして世界の上質なレストランを集積した「ガーデンテラス」というゾーンの地下1階にある。経営は、ワンダーテーブル。

「ユニオン・スクエア・カフェ」は、「ニューヨークで最も予約が取りにくい」とまで言われるほどのユニオン・スクエア駅近くにある超有名店で、「ザガット・サーベイ」の“最も人気のあるレストラン”部門で1位を獲得している。同店は1985年に、ユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループの創業社長であるダニー・マイヤー氏がオープンして以来、従来はフランス人シェフがいるフレンチレストランのみが一流とみなされていた、ニューヨークのレストラン・シーンにおいて、アメリカ人が気取らない温かいサービス、ホスピタリティを実践し、新しい一流の基準をつくりだした、“ニューアメリカンスタイル”の先駆的な店である。

 ホスピタリティというのは、“おもてなしの心”と訳せばいいのだろうか。たとえば顧客が誕生日の話題をしていて、グループの誰かの誕生祝いで来店しているのであれば、「HAPPY BIRTHDAY」とプレートにソースで書いて料理を提供すれば、思い出に残る会合になるだろう。あるいは、顧客がテーブルで、薬の袋を置いていたなら、氷の入っていない水を持っていくといったことである。ユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループは、地域のコミュニティを大事にするのを基本に、顧客一人一人に対して、サービスにプラスアルファの感動を与えるホスピタリティを実践し、固定客をつかんできた店である。


キッチンダイニング


テラス


バー


プライベートルーム

 料理も、ダイナミックなアメリカ的なものにイタリアンの要素を融合させ、季節感のある地域の食材を生かして提供している。季節感を感じない、あるいは大雑把で画一的な傾向があるアメリカの料理に風穴を開け、ニューヨーカーに衝撃を与えたのだ。このようなクオリティの高い、味とホスピタリティの追求で、20年以上も、ニューヨークでトップクラスの人気を保ち続けている。

 なお、1994年にオープンした、ユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループの2号店「グラマシー・タバーン」もまた、「ユニオン・スクエア・カフェ」と「ザガット・サーベイ」のランキング1、2位を分け合うという超人気店。また、同グループは2004年より、「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」内の全レストランとカフェの運営も行っている。

 ニューヨークで最も成功したレストランの1つである「ユニオン・スクエア・カフェ」には、アメリカ国内外より、多くのオファーがあったが、これまで同グループは、マンハッタンのみで営業を続けてきた。東京に姉妹店を出すというのは、たいへんなサプライズであるが、プロデューサーで店舗開発を担当する、デビッド・スイングハマー氏の日本のマーケットに対する興味と、食文化を吸収したいとの意向が強く働いたようだ。

 一方、これまでにワンダーテーブルは、ブラジル・サンパウロの有名シュラスコレストラン「バルバコア・グリル」、アメリカのプライム・リブ専門店「ロウリーズ・ザ・プライム・リブ」といった海外レストラン出店の経験があるが、「東京ミッドタウン」にふさわしい海外レストランを新たに発掘したいとの希望があった。

 そうして、両社の思惑が一致したとのことである。「ユニオン・スクエア・トウキョウ」出店にあたっては、ワンダーテーブルが日本における商標を使用する権利を取得する形になっており、両社の業務提携が行われている。

 ワンダーテーブルは、ダニー・マイヤー氏の創業以来のパートナーで、エグゼクティブ・シェフのマイケル・ロマーノ氏のメニュー監修と技術指導を受けるとともに、ユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループのホスピタリティと教育のノウハウ提供を受ける。

 店舗のデザインコンセプトは「Welcome Home!」で、ダニー・マイヤー氏の東京の新しい家(=レストラン)にお客さんを迎え入れるアットホームなデザインを基本とし、ニューヨークの店よりもモダンに仕上げている。デザインを担当したのは、ミュープランニング&オペレーターズを経て2006年に独立した、海外案件も多く手がける山際純平氏。

 デザインは、大きく4つのゾーンに分けられ、エントランスを抜けるとまず、ウェイティングや昼間は軽い食事にも使えるコの字型のバーがある。次にオープンキッチンで、臨場感のあるコックたちの仕事を見ながら食事ができるキッチンダイニング、さらに落ち着いて食事ができるメインダイニング、奥には少人数の集まりに対応したプライベートルームがある。

 現状はバーを除いて、夜は予約でいっぱいになるが、ワンダーテーブルではオープン景気が過ぎてもう少し客足が落ち着いてくれば、予約を中心にするメインダイニングに対して、キッチンダイニングは予約無しでも入れるカジュアルに使えるスペースにしていきたいと考えている。

 BGMはニューヨークの店と同じ曲を使っている。

 料理は東京で入手できる季節の素材、たとえばマグロなどを生かしたオリジナル料理をメインとし、「ユニオン・スクエア・カフェ」で好評を得ているメニューも紹介していく方針だ。

 同店が六本木界隈に住む、30代以上の高額所得者層がデイリーに使うような店になっていくのか。ワンダーテーブルとユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループのチャレンジが楽しみだ。


マグロとアヴォカドのタルタル西洋山葵マスタード風味


小海老と旬野菜のパスタ、シシリースタイルで


ラムチョップのグリル 旬の温野菜とともに


フィレミニョンマグロのグリル 山葵風味のマッシュポテトとガリを添えて


USCバナナタルト ハニーヴァニラのアイスクリーム添え



【ユニオン・スクエア・トウキョウ】
住所 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンB1F
電話番号 03-5413-7780
営業時間 ランチ  月〜金 11:00〜15:00(L.O.14:00) 
ディナー 月〜金 17:00〜23:00(L.O.22:00) 
土・日・祝 11:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日 ビル休館日に準ずる
客席数 約160席(テラス込み)
客単価 1万2000〜1万5000円
経営母体 株式会社ワンダーテーブル
長浜淳之介 2007年4月17日取材

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