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能登の海の幸を生かした海鮮しゃぶしゃぶ、炉端焼と地酒を楽しむ郷土料理店
「炉端と海鮮しゃぶしゃぶ 能登輪島」
(東京・銀座/石川郷土料理)

第178回 2007年6月1日

炉端焼き盛り

「47都道府県・47ブランド・47地方活性化店舗の創設」を標榜する、エイチワイシステムの秋田県、鹿児島県、熊本県に続く4つ目の地方活性化の対象となった都道府県は、石川県。

 4月19日に東京・銀座7丁目にオープンした「炉端と海鮮しゃぶしゃぶ 能登輪島」は、くしくも3月25日に発生した能登半島地震の被災地で、市街地が壊滅的な打撃を受けた石川県輪島市をはじめとする能登地方の復興を激励するように登場した、石川郷土料理の専門店である。

 能登半島の富来(とぎ)港から直送した、鯛、シマエビ、加能蟹、帆立、ワカメなどの新鮮な季節の海の幸をふんだんに味わえる「能登輪島海鮮しゃぶしゃぶ」(1人前2400円)は、同店の最大の売りで、旬の海藻を湯通しした瞬間に鮮やかに色が変わるのも見事。7、8種類の魚介類を盛り込んだ味はもちろん、目でも楽しめる名物料理だ。

 また、もう1つの売りの炉端焼は、輪島の網元、山口水産から取り寄せた、絶品のどぐろ、甘鯛、フグ、カワハギ、サバといった干物がお勧め。特にのどぐろ(2500円)は一度食してみる価値あり。炉端焼は、天然塩を使った塩焼または、能登名産の魚醤「いしる」を使ったいしる焼から選ぶことができる。


焼き物


豚足


海鮮しゃぶしゃぶ

「いしる」を生かしたものには、帆立、サザエ、バイ貝、ワカメなど旬の海産物4、5種類を帆立の貝殻で焼いた、「いしるの貝皿焼」も面白い。

 山口水産直送のメニューでは、石川県だけで製造を許されている珍味「ふぐ卵巣の糠漬け」(620円)もユニークだ。

“本日のお魚”は、仕入れたばかりの旬の海鮮を籠に入れて客席まで運び、焼くか刺身にするかなど、好みに応じて調理をする料理プレゼンをしている。

肉料理も取揃えている。金沢の今伴の名物「コラーゲン美豚足」(500円)は、とろとろの豚足で、女性に人気が高い。加賀地方の郷土料理をアレンジした「合鴨の治部鍋仕立て」(1人前2400円)、能登豚や希少な幻の能登牛の串焼なども、郷土色豊かなメニュー。

さらに、東京でもおなじみになった金沢名産の加賀野菜は、炉端焼、天ぷらなどでいただくことができる。締めにはフグ、サバ、イワシの3種類の糠漬けから選べる能登の伝統料理「へしこ茶漬け」(各700円)が最適である。

 コースは「能登輪島海鮮しゃぶしゃぶ」をメインに据えた4500円、5500円、7000円と3種類が用意されている。

 お酒に関しては、今回も石川県内全37の蔵元の地酒を取り揃えており、日本でもこの店だけの品揃えという。宮本酒造によるオリジナルの純米大吟醸「能登輪島」(ボトル6000円)、シモン芋を使ったオリジナルの焼酎「虎」といったPBも提供されている。


九谷焼


九谷焼

 黒を基調としたシックな和風の空間は、臨場感ある炉端が楽しめるカウンター、テーブル席、7人~10人会合に対応できる3つの個室に分かれ、器ともども、九谷焼、輪島塗といった、石川県が世界に誇る伝統工芸を取り入れている。

 同店の企画の背景には、石川県出身のゴーゴーカレー社長・宮森宏和氏と、エイチワイシステムの安田久社長の交遊があり、ゴーゴーカレーの協力を得ているほか、輪島商工会議所など地元関係者の協力によって実現したものである。

 顧客層は30代、40代が中心で団塊世代まで。平日は特に会社関係の人が主流となり、接待需要も多い。男女比は6:4で男性のほうがやや多めという。

 石川県内観光地としては既に全国的な人気を持つ金沢、加賀温泉郷はもちろん、輪島塗や朝市で著名な輪島をはじめとする能登半島の魅力も、首都圏の都市生活者にもっと知られていい。小松空港、能登空港には、羽田より飛行機の便もある。

 同店が県下でもとりわけ過疎に悩む、能登地方の活性化に光を当てた店づくりを行ったことで、新たなる郷土料理ファンが開拓され、観光需要も高まるように期待したい。


カウンター


座敷


【炉端と海鮮しゃぶしゃぶ 能登輪島】
住所 東京都中央区銀座7-2-8 東建ビル3F
電話番号 03-6254-5091
営業時間 17:00〜23:30
金 17:00〜翌4:00
定休日 なし
客席数 60席
客単価 6000円
目標月商 1200万円
経営母体 株式会社エイチワイシステム
長浜淳之介 2007年5月18日取材

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