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次に流行るお店

新丸ビルに出現、70年代を意識した場末風のレトロな女性専用バー
「来夢来人(ライムライト)」
(東京・丸の内/バー)

第179回 2007年6月15日

70年代場末のスナックを意識した外観

「来夢来人(ライムライト)」は、去る4月27日にオープンした「新丸の内ビルディング」、通称「新丸ビル」の7階にオープンした、昔懐かしい場末のスナック風の女性しか入場できない、ユニークな女性限定バーである。

 丸の内で働く第一線のキャリアウーマンが、日頃の愚痴をこぼすも良し、上司の悪口を言うのも良し、あるいはカラオケで盛り上がってストレスを解消してもらおうという趣旨の店だ。日曜と祝日は23時で店じまいするが、月曜から土曜までは他の7階のレストラン群と同じく、朝方4時まで深夜営業をしている。

 11時のオープンから17時まではサイフォンでいれるコーヒー(650円)と、サンドイッチ(950円)中心の喫茶営業を行っており、チャージが不要だ。小倉あんトーストやピザトースト、パフェも人気がある。喫茶タイムも女性限定で、お酒を飲んでもかまわないが、実際のお酒のオーダーはほとんどない。新聞、雑誌も置いてあるので、ちょっとした暇つぶし、さらには待ち合わせにも使える。

 なお、夜のチャージは17時〜24時1000円、24時〜翌4時1500円となっており、おつまみとして柿の種などのちょっとした乾き物が付く。5000円でウィスキーや焼酎のボトルキープもできる。


ウィスキーとチャームのおかき


スナック風のサンドイッチと、サイフォンで淹れたコーヒー

 スタッフは全員が20代から30代の若い男性スタッフで固めており、サラリーマンの服装を意識して、スーツ姿、ワイシャツ姿で接客している。

「新丸ビル」の7階は、「丸の内ハウス」と称して、1つのフロアー全体8店で“街のゲストハウスとしての空間”を構成しているが、そのうちの1店でもある。「丸の内ハウス」は、駒沢「バワリーキッチン」、表参道「ロータス」などのヒットで、2000年前後の東京のカフェブームを牽引した、山本宇一氏がプロデュースしている。

 オーナーである佐藤としひろ氏は、山本氏の側より、丸の内ハウスのコンセプトについて提案の要請を受け、話し合いの中から、この「来夢来人」の企画を誕生させた。

 佐藤氏は、恵比寿「ぶた家」のヒットによって、東京の外食に豚肉料理のブームをもたらし、同じく恵比寿の歌謡バー「x+y」では歌謡曲ブームの火付け役となり、さらに伝説となっているクラブ、芝浦「ゴールド」のオーナーでもあった人物である。

「来夢来人」も、都築響一氏プロデュースにより、70年代の歌謡曲がBGMとして流れるのが似合う空間として構築されており、ステンドグラスの小窓、シャンデリアは言うまでもなく、小物にいたるまでレトロ風でまとめている。30代後半以上の人にとっては昔見たような場末の盛り場のスナック、20代の若い人にとっては昭和テーストの新しい感覚の店として、認知されることを狙っている。

 実際の顧客は20代以上の幅広い年齢層を集めているが、その中でも40代がコアになっている。一番混む時間帯は平日の22時頃で、満席になる日も多いが、終電の頃には顧客が入れ替わるそうだ。店の向かいには、女性専用ラウンジがあり、店でオーダーしたドリンクを持って入ってくつろいでも良い。

 カラオケの定番は、山口百恵さんやテレサテンさんの楽曲で、やはり70年代の頃のものが人気だ。なお、カラオケは1曲につき200円がかかる。


男性客は小窓からドリンクをオーダー

 男性客はカウンター側の小窓から、ドリンクを注文することはでき、その際に中をチラ見しようと思えばできる。ドリンクは「丸の内ハウス」のコンセプトに基づいて、7階の他店に持っていって、他店で注文した料理とともに楽しむことが可能であるし、7階各店の共有部分である廊下やテラスの席で飲んでも良い。

 いまや丸の内には格好のいい高級レストラン、イケてるダイニングは多いが、疲れたらフラっと立ち寄れるほっと一息つけるような店は非常に少ない。大都会のオアシスとして、大人の女性が男性の目を気にせずにくつろげる、貴重な空間として異彩を放っている


カウンター


店内


【来夢来人】
住所 東京都千代田区丸の内1−5−1 新丸の内ビルディング7F
電話番号 03−5218−5210
営業時間 月〜土 11:00〜翌4:00
日・祝 11:00〜23:00
定休日 無休
客席数 33席
客単価 通常4000円、ランチ800円
経営母体 株式会社テーブルビート
長浜淳之介 2007年6月8日取材

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