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次に流行るお店

好みのスタイルで味わえる、本格イタリアン
「La Loggia(ラ・ロッジア)」
(東京・新橋/イタリアン)

第181回 2007年6月29日

横江直紀シェフ&シェフウェアー

 新橋駅、汐留駅からともに約5分。サンマリーノ汐留にある「La Loggia」は、いくつもの顔を持つリストランテだ。

 店の外にはオープンカフェ。入り口を入って左手のメインホールは天井が高く、開放感溢れるスペース。大きな窓からの採光は、ランチタイムを明るく演出する。隣接する個室との仕切りにガラス窓が採用されているのも、広々とした印象を際立たせる要因のひとつだろう。長くシンプルなテーブルが据えられた個室は、小規模なパーティーや商談にもってこいだ。レッドカーペットが敷かれた階段を上がると、左手にはバーカウンター。カウンターに向かって左奥には、ソファーが設えられたラウンジまである。ラウンジでは落ち着いた雰囲気の中、シガーを楽しむこともできる。

 その日の気分はもちろん、デート、パーティー、商談、接待と、用途に応じて好みのスペースを使い分けられるのが、La Loggiaの特長のひとつと言える。


外観


テラス席


カウンター


店内

 忙しく立ち回るスタッフは常に「自然体」。稲垣孝司ジェネラルマネージャーいわく、「自然に空間に溶け込むような、そんなサービスを目指しています」。スタッフを一新し、6月15日にリニューアルオープンしたLa Loggiaが、汐留に新しい風を吹き込もうとしている。

 シェフを務めるのは横江直紀氏。フレンチの料理人を経て、イタリアでの修行も経験した若き実力派だ。学生時代は工業デザイナーを目指して勉学にいそしんでいたが、「机の前で図面とにらめっこするのが苦手で」方向転換。フランス料理の本と出合い、その美しさに魅せられて料理人になることを決意した。

「デザインも料理も、素材を組み合わせて表現をするという意味で、基本の部分は似ていると思います。デザインの勉強をしていたことが、料理の現場で役立つことはたくさんありますよ」

 横江シェフの料理は、イタリアンならではの素材の味わいを活かしたシンプルなスタイルだが、ところどころに工夫と遊び心が散りばめられている。味はもちろん、見た目にも楽しい料理を目指すという意気込みからは「デザイナー」としての感性も感じられる。個性溢れる食器を選んだのはシェフ自身だ。

 食材のチョイスもシェフ自らが行う。店から程近い築地に直接足を運ぶこともある。特筆すべきは野菜のチョイス。野菜にこだわったメニューに力を入れていることもあって、シェフは地方の野菜農家を巡って、納得のいく素材を捜し求めた。

「実際に畑を見て、野菜を育てている方と会って、それから素材を選びたいと思っていました。やはり野菜の持つ味わいを大切にしながら育てている方やこだわりを持っている方の野菜は素晴らしいですね」

 集められる野菜の産地は千葉、静岡、愛知、京都、萩と多岐に渡る。

「ある農家の方は、海洋深層水を使って野菜を育てています。そんなこだわりの詰まった食材を、最高の状態でお客様に喜んでもらいたいと思っています」
La Loggiaのディナーはコースメニューのみの構成だが、お客の意向を汲んだアレンジが可能とのこと。「お客様のご要望にストレートにお応えしたい」とは横江シェフの弁。

 150種類揃うイタリアンワインとあわせ、横江シェフが繰り出す料理の数々を楽しみたい。

 素材、料理、ワイン、食器、そして店の雰囲気。横江シェフのこだわりは、La Loggiaの至るところから感じ取ることができる。


プチトマトとバジルのバベッティ


軽くスモークをかけた真鯛のカルパッチョ きゅうりのソース


黒豚のサルティンボッカ 初夏の焼き野菜添え

「素材を選び、調理し、お客様に召し上がっていただく。厨房のスタッフが腕をふるい、ホールのスタッフは最高のサービスをする。そのすべてが僕にとっての『料理』なんです。作る人も、提供する人も、食べる人も、みんなが楽しい。それが理想です」

 横江シェフを初めとした厨房スタッフが見にまとうユニフォームにも、「楽しく、こだわりを持って料理にかかわりたい」という思いが見て取れる。シェフウェアー社のユニフォームは、従来の画一的なユニフォームとは趣の違う、お洒落で洗練されたデザインが売り物。横江シェフはイタリア修行時代にこのユニフォームと出会い、衝撃を受けたという。


厨房スタッフ&シェフウェアー

「それまではフレンチの現場の、『硬い』カルチャーの中で働いていましたから。カジュアルなイタリアンの世界で見つけた、個性的なユニフォーム。ひと目で気に入りました。当時の仲間は、これを着たまま買い物にいっちゃったりしていました。でも全然違和感がないですよね。僕にとって思い入れのあるものウェアだったので、日本でも着たかった。だからこのお店で採用したんです」

 シェフとスタッフが、楽しさを追求するLa Loggia。汐留を代表する名店となる予感が漂う。


稲垣孝司ジェネラルマネージャー


【La Loggia】
住所 東京都港区東新橋2-4-1 サンマリーノ汐留1階
電話番号 03-5403-0013
営業時間 月〜金 ランチ11:30〜14:30(LO) ディナー18:00〜22:00(LO)
土 ランチ 12:00〜15:00(LO)ディナー18:00〜22:00(LO)
定休日 日、祝
客席数 48席
客単価 ランチ1200円 ディナー5〜6000円
経営母体 株式会Verso l’alto
溝口敏正 2007年6月19日取材

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