次に流行るお店
グラス片手にワイワイ楽しめる、本格スペイン・バル
「BAR ESPANOL LA BODEGA」
(東京・日比谷/スペイン料理)
第183回 2007年7月20日
「BAR ESPANOL LA BODEGA」外観
一時のブームを経て、日本のグルメ文化にすっかり定着した感のあるスペイン料理。グルメなユーザーにしてみれば選択肢が増えることは好ましいことだが、店側の立場からすれば、激化する一方の競争に身を置く勇気と勝算が必要だということである。
6月13日にオープンした「BAR ESPANOL LA BODEGA」は、決して単なるブームの産物ではない。満を持して世に出た“本格志向”のスペイン料理店だ。
「奇をてらった創作料理などはありません。本物のスペインの味をご提供します。価格帯も納得いただけると思いますよ。スペイン料理はいたずらに高級感を追い求めるようなジャンルのものではありませんから。気軽に、居酒屋感覚で楽しんでいただけると思います」
伊藤真悟マネージャーの言葉どおり、店内は庶民的で気さくな雰囲気に満ちている。陽気なスペインの音楽に、明るいスタッフの元気な声が響く。地下鉄日比谷駅に隣接する国際ビルの地下1階という立地ながら、開放感すら感じられる。まさにスペインの街角にあるバル。ビジネスマンやOLの姿が多く、仕事帰りに疲れを癒す憩いの場として機能しつつある。
店内
スペイン・バルの定番メニュー、タパス(つまみ料理)、ピンチョス(串や楊枝に刺した、一口サイズのつまみ)をはじめ、新鮮な魚介を使ったメニュー、米好きの日本人にとって馴染み深いパエリアなど、豊富なラインナップ。季節ごと、そのときに入る食材によって、メニューは柔軟に変化していく。そのライブ感は訪れる人々を魅了するだろう。伊藤真悟マネージャーが語る素材へのこだわりからは、“本物”の提供を目指す意欲と熱意が感じられる。
「毎日仕入れる産直の魚介は、実際に現地に出向いて厳選したものです。この産地のこの素材がベストだと思えば、ひとつの産地から1種類の素材だけしか取り寄せないというケースもあります。効率が良いとは言えないかもしれませんが、その点は妥協しないようにしています」
取り寄せた素材は、お客の好みの調理法で提供してくれる。カルパッチョ、フリット、プランチャなど、素材と調理法の組み合わせを考え、オーダーすることも楽しみのひとつになるだろう。そこで生まれるスタッフとのコミュニケーションもまた、バルならではの醍醐味と言っていいかもしれない。
パエリア
鮮魚のサルスエラ
カジョス
ドリンク類にもスペインへのこだわりがぎっしり。サングリア、シェリーなど、スペインゆかりのメニューはもちろん、70種類にも及ぶスペインワインは、スペイン通も唸る品揃えだ。スタッフ一同でのみ比べをしながらチョイスしたというワインは「太陽の光をしっかり浴びた」というフレーズがしっくりくる逸品ばかり。厳選されたワインが、陽気な食卓に彩を添える。
店長を務める町田祥子さんは店のセールスポイントについて、「朝から晩まで、いろいろな使い方のできるお店。お客様の生活の中に溶け込んでいきたい」と語る。伊藤真悟マネージャーもまた、「この地にしっかりと根付くことが当面の目標」と言葉をつなぐ。
町田店長
気がつけば常にそこにあり、日常に欠かすことのできない場所。それがバルというものの価値であり、存在意義であるとするならば、誕生間もないBAR ESPANOL LA BODEGAは、既にその要件を満たしつつあるのではないか。
「飾ることなく、グラスを片手にワイワイとお食事を楽しんで欲しいんです」
伊藤真悟マネージャーをはじめとするスタッフの願いは、現実として結実する。
スタッフの皆さん
【BAR ESPANOL LA BODEGA】
住所 | 東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビルB1 |
電話番号 | 03-5222-7160 |
営業時間 | ランチ 11:00〜14:30 カフェ 14:30〜16:00 ディナー 月〜金 17:00〜23:00 土・日・祝 17:00〜22:00 |
定休日 | 年末年始 |
客席数 | 着席50席、スタンディング30席 |
客単価 | 3800円 |
経営母体 | 有限会社アキナイ |
溝口敏正 2007年7月10日取材