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次に流行るお店

50種類の本格的なカレーと新感覚のインド風ファーストフードを味わう
「シディークAkiba カレー館」
(東京・秋葉原/カレー専門店)

第188回 2007年8月31日

「シディークAkiba カレー館」外観

「シディークAkiba カレー館」は、秋葉原のメインストリート、中央通り西側の東京メトロ・末広町駅寄りに、今年3月にオープンした、50種類もの本格的なカレーが食べられる、カレー専門店だ。インド風の派手な4階建てのビルの外観が目印だ。

 同店を経営するのは、半蔵門、水天宮前、歌舞伎町などに都内に14店の「インド&パキスタン料理 シディーク」などを展開する飲食企業、シディークエンタープライゼズ。

 同社・田渕義晴本部長によれば、「今年は創業して10周年ということもあり、秋葉原出店に際しては、今までのやり方を継承しつつも、定番ではなく、同業者も驚くような店を目指しました。メイド系の店も含めて、秋葉原界隈の飲食店を徹底的にリサーチし、マニアックなアキバ系の客層に受けるには、意表をついたことをしないと、ありきたりの店では飽きられてしまうと考え、インド料理でも、カレーに特化した店づくりを行ったのです」というのが出店の経緯だ。

 一方、電気街の秋葉原はITの集積地であり、日本最大の宝石街・御徒町も徒歩圏にある。ITと宝石はインド人の得意とする産業であり、秋葉原、御徒町界隈に多いインド人のIT技術者や宝石商も、顧客ターゲットとなっている。


ナン焼釜


店内

 秋葉原だけでも10軒ほどの物件を見て歩き、元カレー屋だったビルを居抜きで借りた。そして動線などに修正を施し、「ソフト館」、「コンピュータ館」などといった名のビルが連なる電気街のビル群にならって、店名に“館”を付け、「シディークAkiba カレー館」と命名したそうだ。

 ビルは1階がキッチン付きのテイクアウトとイートインのコーナー、2階と3階がレストラン、4階が厨房となっている。

 50種類のカレーのメニューの大半は、それぞれ素材、ソース、調理法が異なるもので構成されており、圧倒的なバリエーションの豊富さが、大きな特徴。チェーン系にありがちな、ソースが数種類あって、あとはトッピングと辛さでバリエーションを付けるやり方ではない。


メニュー

 ベジタリアンが多い外国人にも楽しんでもらえるように、「野菜」のカテゴリーに、「チキン」のカテゴリーと同じく7品目とかなり多くの品目をメニュー化しているのも、地域性を考慮してのことだ。カレーのタイプも、豆をベースにしたもの、トマトをベースにしたもの、サラッとしたソースのもの、ドロっとしたソースのもの、ドライタイプなど、さまざまな種類が選べる。

 あと、カテゴリーとしては「ラムとマトン」、「フィッシュとシーフード」があり、インドやパキスタンの主流となる、ヒンドゥー教、イスラム教といった宗教上の禁忌に触れる、ビーフやポークは使っていない。

 また、マニアに楽しんでもらえるように、羊の脳を使った「ブレインマサラ」(1250円)、仔羊のもつを使った「オジャリ マサラ」(980円)、鶏の皮を使った「とり皮カレー」(580円)などといった、変り種のカレーも提供している。「とり皮カレー」はインドでもあまり見ないメニューだが、同店では値段が安いこともあって、人気になっている。

とり皮カレー(580円)

ナンバーガー(500円)

アルー ダム バナルシ(850円)

 トマトベースの「アルー ダム バナルシ」(850円)も人気で、ジャガイモに、パニールと呼ばれるインドのチーズ、ナッツ、レーズンの詰め物をして揚げたものが、具として入っている。

 ランチタイムは、ライス大盛、ライスとナンお代わり自由の、日替わりカレー3種を含んだ13種の定食をサラダ付きで提供(830〜1300円)。また、お好みのカレーに、ライス、ナン、サラダをプラス300円で提供する「アキバセット」などのお得なセットを用意している。

 さらに、1階で提供するファーストフード的な軽食として、ナンの中に具を詰めて焼く、インドの「クルチャ」という料理をベースにした「あきば名物 しでぃーく焼」(500円)を開発。チキンチーズ、アップル、黒糖、明太ポテトチーズなど、具は13種類あり、クレープや今川焼の発想で、既成概念にとらわれずに日本人の口に合ったものを、メニューに採用している。

 また、既存店のイベントで好評を博した「ナンバーガー」(500円)を、同店では本格的にメニューに採用し、食事の時間を惜しんで、電気街のショップを巡るオタクたちの需要にこたえている。

 500円〜700円で、弁当も販売している。

 顧客層は、男女比では7:3で男性が多く、20代後半から30代の電気街に来るような人たちが主流。あと、インド人、パキスタン人などの外国人ファミリーも多い。

 客単価はリースナブルな価格設定もあって、880円くらいとなっている。

 1日の来客数は約300人〜約800人と、日によってばらつきはあるものの、全般に好調に推移している模様だ。ちなみに、オープン初日は、夜7時に完売してしまった。

 同店は、インド料理、特にカレーの奥深さ体験できるメニューを、毎日でも通える価格で提供し、かつ「あきば名物 しでぃーく焼」、「ナンバーガー」のような日本人の発想でインド料理に新解釈を加えた新しいファーストフードを仕掛けるといった、非常に斬新な発想でインド料理に新境地を開こうとしている。

 注目すべき気鋭の店と、言えるだろう。


各種カレー


【シディークAkiba カレー館】
住所 東京都千代田区外神田3−16−14
電話番号 03−3255−2088
営業時間 11:00〜23:00(L.O. 22:30)
定休日 無休
客席数 45席
客単価 980円
目標月商 1200万円
経営母体 株式会社シディークエンタープライゼズ
長浜淳之介 2007年7月13日取材

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