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次に流行るお店

銀座で働く女性がターゲット。バラエティ豊かな「つくね」が楽しめる新業態店
「串焼き・豆冨料理 つくね十番」
(東京・銀座/創作和食居酒屋)

第191回 2007年10月13日

自慢のつくね各種
「串焼き・豆冨料理 つくね十番」は、9月26日にオープンしたばかりの「手造り“生”つくね」をメインに打ち出した、新業態の居酒屋ダイニング。経営はリン・クルーである。

 同社は2000年12月にオープンした第1号店の「オリジナルダイニング かまくら」渋谷店から現在にいたるまで、和食中心の業態を展開してきたが、「つくね」は「オリジナルダイニング かまくら」各店の定番の人気メニューの1つ。

 そこで、ふわっとしてジューシーな女性でも食べやすい「つくね」を、一口サイズでいろいろ選べるように、バラエティ豊かに展開してみたらどうかというプランが立てられた。「つくね」は鶏肉のハンバーグでもあり、性別や年齢を問わず、幅広く好まれている料理なので、認知されやすい料理なのではないだろうかという点も考慮された。

 30種類ある「手造り“生”つくね」は160円〜300円と値段も手頃。半分以上が180円までで楽しめる。「さっぱり」11種、「こってり」11種、「変り種」8種とわかりやすくカテゴリー分けされているのがユニークだ。

 定番なら「つくね」(塩)や「つくね」(たれ)がおすすめなのはもちろんのこと、それだけでなく「さっぱり」系のおすすめは、食感のよい「こりこり軟骨つくね」、「つくねおろしポン酢」、「柚子胡椒つくね」、「キムチつくね」などがおすすめ。

「こってり」系なのおすすめは「月見つくね」や「めんたいマヨつくね」、「タルタルつくね」、「ねぎ塩つくね」「関西お好みつくね」などというのもある。

「変り種」ともなると、フレンチなどでフルーツの入ったソースがよく使われるが、そうしたテイストを持った「マーマレードつくね」のほか、「オリーブつくね」、「つくねゴルゴンゾーラ」、「つくねパラペーニョ」など、創作性が強くなる。

「1人5本くらいは食べていかれますね。団体さんなら串刺しがあふれて入り切れないこともあります」と小泉誠・同店チーフは、手応えも上々と語る。

 そのほかにもこの店の特徴としてフードのメニュー数が全部あわせて107種類と豊富で、「串焼き」(180円〜350円)も20種類あり、地鶏、野菜、海鮮と幅広く楽しめる。


胡麻豆腐


ごどうふ

 ヘルシーな「自家製豆冨」のメニューも12種類。「ごどうふ」(480円)は佐賀の名物で練り物豆冨の代表格、「ごどうふの天ぷら」(520円)は衣の中がふわふわ、とろとろで人気が高い。黒胡麻と白胡麻の「二色胡麻豆冨」(680円)、デザート感覚の「豆冨のレアチーズ」(680円)もおすすめだ。

 さらには、揚げ物、焼き物、鮮魚、サラダ等々のメニューをそろえており、食事も〆に良さそうな「鶏出汁さっぱりラーメン」(580円)、奄美名物「鶏飯」(720円)など5種が用意されている。甘味も8種あり、抹茶をベースにした「和パフェ」(680円)や「白玉ぜんざい」(520円)の人気が高いようだ。

 ドリンクもメニュー数195種類と豊富である。39種類ある焼酎は「海王」など飲みやすい銘柄中心で構成(550円〜)。梅酒も20種類と充実しており、「黒糖梅酒」(650円)などが人気だ。

 ソフトドリンクでは、「薫るお茶」というカテゴリーで、温かいフレーバーティーが8種あり、ストロベリーとシャンパンの香りがする「シャンパーニュ・ロゼ」(500円)をはじめ女性の注文が多い。

 つまり、滞留時間が長い女性客を意識して、この店で飲んで食べて、お茶までができるようにメニューの全体が設計されている。


カウンター

お座敷


テーブル席

 全般に女性を意識したメニュー構成になっていることもあり、やはり顧客の中心層は20代から30代の近隣の働く女性。もちろん、男性が集まらないわけではないので、男女構成比は4:6で現状は女性がやや優勢といった感じだ。

 内装はカウンター席、テーブル席、個室、ボックス席、お座敷と分かれているが、必要以上の装飾性は避けて、木目の温もりを大事にしたダイニング的なスタイルとなっている。

 これは女性同士で気軽に寄ってもらいたいとの趣旨を反映したものである。BGMはジャズを流している。

 顧客単価は3500円〜4000円。日曜、祝祭日を除けば早朝4時まで営業しているが、夜が早いと言われる銀座にあるからといって深夜に顧客が入らないわけでもなく、遅い時間に団体客がやってくることも結構あるそうだ。

 ともあれ、今までありそうでなかった「つくね」を中心に打ち出した店であり、かつおしゃれな雰囲気でリーズナブル、女性が楽しめる視点の店づくりも面白い。

 銀座から「つくね」ブームが発信されていくような流れができるかどうか、期待してみたい店だ。


小泉誠チーフ


【串焼き・豆冨料理 つくね十番】
住所 東京都中央区銀座6-13-3フロンティア銀座ビル7F
電話番号 03-3541-5177
営業時間 月〜土・祝前日 17:00〜翌4:00
日・祝祭日   16:00〜23:30
定休日 年中無休
客席数 111席
客単価 3500円〜4000円
経営母体 株式会社リン・クルー
長浜淳之介 2007年10月4日取材

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