次に流行るお店
“健美和食”をコンセプトに東八野菜、産直鮮魚を甲州ワインで味わう
「銀座 一献楽食 とら」
(東京・銀座/和風居酒屋)
第195回 2007年11月10日
昔ながらの減農薬または有機栽培の野菜、「東八野菜」のグリル
「銀座 一献楽食 とら」は2006年7月11日より、和風居酒屋として営業してきたが、去る07年10月15日にリニューアル。個室主体の内装に変更するとともに、今後はヘルシーな“健美和食”をメインに打ち出していく方針である。
当初、新規開店した頃はおばんざい、炙り焼き、わっぱ飯をメインとしていたが、銀座にしては安い、客単価3500〜4000円のゾーンながらワインの出る比率が高かった。そこで、高級感がもう少し出るように4〜30人の個室をつくっていくとともに、年齢層の高いところまでフォローできる、素材を生かした“健美和食”に力を入れるといったように、コンセプトの変更を行った。
リニューアル後の客単価は4500円、年齢層は30代から50代を想定している。席数は52席となっている。
入口
店内
個室
“健美和食”を代表するものとしては、山梨県の旧東八代郡(現在の笛吹市など)で栽培される、昔ながらの減農薬または有機栽培の野菜、「東八野菜」を前面に出し、グリル料理、サラダ、スープなどを提供。東八代の気候は寒暖差が大きく、野菜栽培に適した土地であり、野菜の風味がしっかりと付いた力強い味わいが「東八野菜」の魅力である。
また、味噌料理も充実しており、牛タンどて焼、鴨の葱味噌焼、「東八野菜」に特製味噌を付けて食べるメニューなどがある。味噌は京都の桜味噌、西京味噌をメインに、10種類以上をブレンドしたオリジナルの特製味噌とのこと。メニューに合わせて、生姜を練りこんだり、唐辛子味噌にしてみたりといった工夫を行なっている。
豆に関連して、天然にがりざる豆冨、もろみ豆冨などの豆腐料理にも力を入れている。
さらに、魚やキノコの炙り焼きも中心となるメニューだ。魚は各地から産直で仕入れてまるまる一匹で出すようにしており、ノドグロ、関アジなど、その日のお勧めを日替わりで提供する。穴子の白焼はグランドメニューにある人気料理だ。キノコは「東八野菜」の天然物で、シイタケのような一般に知られたものから希少な種類までバラエティ豊かである。魚は顧客のリクエストにより、刺身、煮魚といったスタイルも選択できる。
東八野菜豆乳スープ
焦がしサーモンタルタル
かも葱味噌焼
ドリンクは和食に合う甲州ワインが中心で、ボトルで3500〜1万6000円。“初垂れ(ハナタレ)”という焼酎の蒸留過程で最初に出てくる原酒で、濃厚な風味で焼酎の最高峰とされるものも、4種類そろえている(880円)。
ハナタレ焼酎
オリジナルの和風カクテル(各650円)も売りの1つで、日本酒にすだち果汁を搾って入れた「梢」、抹茶、ベイリーズ、ミルク、黒豆ココアを合わせた「豆茶」など26種類を提供し、女性のニーズにこたえている。
リニューアル以降の集客は好調で、終電までの時間は予約が8割といった状況。男女比は6:4で男性がやや多い程度だという。
ランチもオール800円で8種類を提供しており、コンスタントに2回転はするのだという。ご飯にヘルシーな黒米を使うなど、こちらも随所に健康を意識したメニューになっている。
「来年の年明けにもう一度メニューを見直し“健美和食”の確立を目指します」と同社営業本部主任・ブランドマネージャーの中島慎一氏は、張り切っている。
店舗の料理を統括する鈴木隆之氏
【銀座 一献楽食 とら】
住所 | 東京都中央区銀座8-10-17銀座サザンビルB1F |
電話番号 | 03-3572-7006 |
営業時間 | ランチ 11:30〜15:00 ディナー 17:00〜翌5:00(土曜〜23:30) |
定休日 | 日曜・祝日 *12月は日・祝も営業 |
客席数 | 52席 |
客単価 | ディナー4500円 |
目標月商 | 1000万円 |
経営母体 | 株式会社 創コーポレーション |
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2007年10月24日取材