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次に流行るお店

肉の刺身からステーキ、鍋まで。いろいろな調理法で楽しめる庶民派割烹
「大衆肉割烹 ハラホロヒレハレ」
(東京・浜松町/肉割烹)

第204回 2008年2月6日

ヒレハレ特製 肉刺し盛り合わせ
「大衆肉割烹 ハラホロヒレハレ」は、去る1月15日にオープンした「汐留シオサイト」の南の玄関口、浜松町駅前の「汐留ビルディング」1・2階を占める飲食施設「ハマサイト・グルメ」1階に、オープンしたばかりの新しい店である。

 経営は三宅茂幸社長率いるアキナイで、直営としては川崎「ルフロン」のもつ鍋「もつ福分家」とホルモン焼「うしのよだれ」、丸の内「クニギワ」にあるスペインバル「LA BODEGA」と鉄板焼「ウィッフィ」に続く5店目となる。そのほか同社では、「もつ福」4店(西新橋、浜松町、赤坂、丸の内)の店舗運営を受託している。三宅社長は第2次もつ鍋ブームを牽引する店の1つ、「もつ福」開発者でもある。

 店名の“ハラホロヒレハレ”は日本が元気だった高度成長の頃、大人気のバラエティ番組で使ったズッコケるギャグに由来するが、三宅社長は「おいしすぎて腰が砕けてしまう」といったニュアンスを込めたとのことだ。席数は62席。


入口


焼酎の1升瓶がディスプレイされた店内


ビルの外側からも入店できる

 コンセプトは「和・洋・中、さまざまな調理法で肉を楽しんでもらう」というもの。肉の種類も牛・豚・鶏などをそろえ、もつやタンも含めて、刺身、鍋、ステーキ、煮物などいろんな肉料理が提供される。サラダなど野菜のメニュー、魚を使ったメニュー、うどん、ぞうすいから甘味まで、メニューの種類は約90種類と豊富である。

 特に人気なのは新鮮な刺身で、その中でも「鹿児島産黒毛和牛の刺身」(990円)は看板メニューの1つである。

 また、春夏秋冬で内容が変わる葉野菜を使った「草鍋」(930円、2人前より)は、当初予想の倍の注文があるという人気ぶり。肉を絡めた「宮崎産きなこ豚と草鍋」(1590円)、「牛もつと草鍋」(1490円)、「博多一番地鶏と草鍋」(1490円)をオーダーする顧客が多い。

 そのほか、「牛はらみの串焼」(390円)、「もつ天ぷら」(630円)、「鹿児島産黒毛和牛のサーロインステーキ」(2990円)、「イベリコ豚のロースグリルステーキ」(1690円)、「特製湯豆腐」(とんこつ和だし味噌仕立て、260円)、「肉酢」(ササミとガツと春雨のぽん酢あえ、230円)なども人気が高く、コンセプトどおり素材にもこだわりつつバラエティに富んだ調理法で、肉が提供されていることがわかるだろう。


A3ランク使用国産和牛カルパッチョ(1,190円)


鹿児島産黒毛和牛刺し(990円)


黒毛和牛サーロインステーキ(2,990円)

 アルコールは焼酎(芋・米・麦・黒糖・泡盛)を約50種類そろえ500円前後で提供するほか、梅酒、日本酒、ウィスキー、ビール、焼酎割、ワインとそろっている。ビールは「ザ・プレミアム・モルツ」で値段は生630円、中瓶730円。また、自家製の焼酎として「昆布酎」、「ウコン酎」、季節のフルーツの「フルー酎」(各460円)が楽しめ、ワインは国産が主流となっている。

 夜の客単価は4000〜4200円ほどで、平日は30〜40代の近所のサラリーマン、OLが中心。集客は順調で1.5回転くらいする。目下、連日満席になっている状況で、予想の倍近く入っているという。男女比は3分の2が男性で、3分の1が女性といった感じだそうだ。

 また、昼はもつ煮、メンチカツなど7種類の定食を850円で提供。少しぜいたくしたい人向けには10食限定の牛すき焼きの定食(1300円)もある。ランチタイムは2回転くらいしており、これも予想を大きく上回っているそうだ。

 一方、オフィス街だけに休日は苦戦すると見られていたが、夜も昼も平日の半分程度の集客があり、今のところ好調である。最近増えてきた汐留や、浜松町・大門地区のマンションに住むファミリーだけでなく、東京モノレールで1駅の距離にある天王洲あたりから食べに来る人も多い。「劇団四季」の専用劇場がすぐ近くにあるので、観劇の帰りに食事に訪れる人も目立つ。

 休日の特に夕方は、カップルが多いのが大きな特徴になっている。従って男女比も半々くらいである。

「ハマサイト・グルメ」の各店共通で、提示をすれば割引が受けられる、イメージキャラクター“浜松男さん”の絵柄が印刷された「ハマさん名刺」の利用も1日に3〜4組あり、販促効果は上々である。この店では、「ハマさん名刺」を見せると、3名までなら1000円オフ、4名以上で2000円オフとなる。

 内装はレトロを意識して黒、赤レンガを基調としているが、天井も高く開放感がある空間となっている。もうすこし暖かくなると、テラス席を20席ほど設ける予定だ。

「今までは肉が食べたいというと焼肉屋かステーキハウスかすき焼き・しゃぶしゃぶの店だったのではないでしょうか。我々は、肉が食べたいという時に真っ先に思い浮かべてもらえるような店になりたい。ウチに来れば、居酒屋の要素もあれば、鍋も楽しめるし、宴会需要にもこたえられます」と、室谷統・統括店長は“大衆肉割烹”という新しい業態の定着化に意欲的だ。

 現在のところ、「汐留ビルディング」のオフィス部分の入居が6〜7割しか済んでいない。そのため「ハマサイト・グルメ」のスタートは厳しいと見る向きは多かったが、蓋を開けてみれば同店を含め好調な店が多い。

 値ごろ感、ほどよいおしゃれ感を備え、料理に特徴があるこのようなタイプの店が、今流行る店の典型的な例と言え、10年、20年と続く街の名物店になれるかどうかが注目されるところだ。 


室谷統括店長(右端)とスタッフの皆さん


【大衆肉割烹 ハラホロヒレハレ】
住所 東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング1F
電話番号 03-6383-3601
営業時間 ランチ  11:00〜14:30(L.O.14:00)
ディナー 17:00〜23:30(L.O.22:30)
定休日 年末年始
客席数 62席
客単価 ランチ850円、ディナー4100円
目標月商 1000万円
経営母体 有限会社アキナイ
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)  2008年2月2日取材

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