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自社ファームで生産した美味の地鶏「みやざき地頭鶏(じとっこ)」を堪能できる店
「宮崎日南幻の地鶏焼 じとっこ 田町店」
(東京・田町/鶏料理)

第208回 2008年3月12日

もも焼き 中1280円 大1980円
「宮崎日南幻の地鶏焼 じとっこ」は、宮崎の特産品である「みやざき地頭鶏(じとっこ)」の炭火焼をメインにした居酒屋である。

 現在のところ、直営店は2006年9月にオープンした川崎駅前店(川崎市川崎区)と10月にオープンした田町店(東京都港区)の2店。

「じとっこ」田町店 店内

「じとっこ」田町店 店内

 また、同年10月にオープンした西八王子店(東京都八王子市)をFCで展開しているほか、07年以降はライセンス方式で多店舗化をはかっており、宇都宮店(栃木県宇都宮市)、亀有店(東京都葛飾区)、祖師谷大蔵店(東京都世田谷区)、大宮店(さいたま市大宮区)と4店を数えている。

 計7店あるが、祖師谷大蔵店は2月5日に、大宮店は2月29日に、それぞれ新規オープンしたばかりだ。

 07年10月7日放送のテレビ朝日系の番組「裸の少年」で、東京で食べられる宮崎県のご当地グルメとして田町店が紹介され、和食の達人・「神田川本店」店主の神田川俊郎氏が訪問し、実食している。

 宮崎県は都道府県の中でも日本一養鶏の盛んな土地柄であるが、「みやざき地頭鶏」のルーツは、古くから鹿児島県や宮崎県の旧島津藩領で飼育されている、天然記念物の「地頭鶏」にある。この名称は肉が極めて美味なので、農民が地頭職に献上したことから付いたものと言われる。「幻の地鶏」とまで言われる希少な鶏なのである。

「みやざき地頭鶏」は「地頭鶏」が宮崎県畜産試験場で改良され、04年に完成したばかりの新しいブランド鶏。畜産試験場の厳しい審査があり、限られた生産者しか素ヒナを供給していない。そのため出荷羽数も限定されている。しかし増産の方向で進んでおり、名古屋コーチンや比内鶏ほどまでは高額ではない。

 肉の特徴はやわらかさの中に、適度な噛み応えがあることで、うまみ成分がたっぷり含まれ、コクがあってジューシーである。

「宮崎日南幻の地鶏焼 じとっこ」を経営するAPカンパニー(本社・東京都港区)では、宮崎県日南市に自社養鶏場「塚田農場」を設立。月産1200羽を生産しているのが、ユニークな点だ。

 それだけでは足りないので契約農場からも仕入れているが、いずれにしてもブロイラーの2倍の期間をかけて、ヒナの段階から無農薬の自然餌を与え、平飼いや放し飼いで、じっくりかつ伸び伸びと育てている。生産履歴がしっかりたどれるので、食の安全性が問われている今、消費者からは支持を得られやすい流通の仕組みをつくっているとも言える。

 田町店おすすめのメニューは、「もも焼き」(中1280円、大1980円)で、塩で味付けしたシンプルで力強い一品。アツアツに柚子胡椒を付けていただく。また、「むねみたたき葱まみれ」(780円)は、さっと炙った胸肉にたっぶりの刻み葱がかかっている。ポン酢でさっぱりと味わう。

 シメに最適なのは「地頭鶏茶漬け」(450円)。これは「みやざき地頭鶏」の鶏がらスープをかけてさらっといただくものだ。


宮崎名物 冷汁 630円


地頭鶏茶漬け 450円

 その他、「せせり焼き」、「ホルモン三種焼き」、「ささみ刺し」、「ユッケ」、「地頭鶏と高菜の焼き飯」等々、「みやざき地頭鶏」を使った料理が満載。

 しかもそれだけでなく、宮崎直送三元豚、「飫肥の天ぷら」、「日向灘 めひかり唐揚げ」、「冷汁」など、宮崎の名産品・郷土料理がさまざまに味わえる。

 お酒は、焼酎を中心に梅酒、日本酒、ビール、ホッピー、酎ハイなどがそろっている。

 内装はあまりお金をかけない同社では、居抜きが中心。田町店も居抜きで200万円しか、かかっていない。

 顧客単価は3000円、宴会時4000円と、意外に安い。ランチも営業しており、こちらの単価は900円だ。席数は50席。

 APカンパニーは、米山久社長が01年に東京都八王子市で創業。最初はダーツバーを経営していたが、04年「自社ファーム幻の地鶏 ご当地和彩 わが家」で居酒屋業態に進出。この頃より「みやざき地頭鶏」に着目していた。この業態は直営で6店ある。

 その他の業態として、ファームと同じ名の宮崎料理「塚田農場」直営1店、漁港直送の魚をメインとする「魚米(うおべい)」直営5店、A4・A5ランク限定の朝挽き和牛ホルモン「関根精肉店」直営3店を展開。計直営17、FC・ライセンス5という店舗数で、08年3月期年商17億円となっている。07年の5億5000万円より、1年で3倍も伸びた急成長企業だ。

 農場経営のみならず、魚もホルモンも、食材生産者を押さえていくのが共通した方法論だ。07年にはセントラルキッチンも構築しており、流通を川上から川下まで簡素化することで、ローコスト経営を実現させている。


【じとっこ 田町店】
住所 東京都港区芝5-22-9 三田苑2F
電話番号 03-5439-6537
営業時間 ランチ  月〜金 11:30〜13:30
ディナー 月〜木・土 17:00〜23:00
      金 17:00〜02:00
定休日 日曜
客席数 50席
客単価 3000円
経営母体 株式会社APカンパニー
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)  2008年3月7日取材
*本文はフードリンクレポート2008.2.13掲載記事から一部抜粋・加筆しております。

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