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博多水炊き、塩つくねを前面に、鶏料理で東京都心部にドミナント出店
「鶏・旬菜・お酒 てけてけ 神楽坂店」
(東京・神楽坂/鶏料理)

第209回 2008年3月14日

コラーゲンたっぷり! 絶品! 博多水炊き(2人前より、1人前935円)
「鶏・旬菜・お酒 てけてけ」は、「博多水炊き」、「塩つくね」、「もも鉄板焼き」といった鶏料理をメインに据えた和風居酒屋で、東京都心のビジネス街・歓楽街をドミナントとして出店。

 神楽坂、赤坂、神保町、神田、池袋、秋葉原、御茶ノ水、田町の各店と計8店舗を数えている。運営はユナイテッド&コレクティブで、2005年より展開を始めた。

 ターゲットは「本物感」、「こだわり感」を重視している30代以上の男女。客単価3500〜4000円で、高級店に負けない味をチェーン店なみの価格で提供している。

 看板料理である「コラーゲンたっぷり! 絶品! 博多水炊き」(2人前より、1人前935円)は、博多生まれである坂井英也社長がこだわったという、大きな寸胴鍋で鶏がらを8時間かけて煮詰めた、白濁スープが売りだ。そこには鶏の旨みが凝縮され、濃厚でありながらも決してしつこくはない。鍋の具材では、特に煮込んだキャベツの甘さとほろ苦さが混じったような風味が、スープによく合っている。軟らかい鶏肉や野菜を白濁スープで味わった後は、卵でとじた雑炊、またはちゃんぽんで〆る。


絶対お薦め 塩つくね(200円)

 また、「絶対お薦め! 塩つくね」(200円)は1店舗で月に1000本出るという人気メニュー。口に含むと鶏の旨みが染み出してくるとともに、大葉の香がからんでくる。味付けに使っている古代塩の「藻塩」は、海水に浸したホンダワラという海藻を乾燥させるという工程を繰り返した後に、煮詰めて造る、まろやかな味わいでミネラル分が豊富な淡い褐色の塩である。


極旨 激旨 究極のもも焼き(620円)

 それらと並ぶヒット商品が「極旨! 激旨! 究極のもも焼き」(620円)。塩味をベースにしたさっぱりとした味でありながら、ほんのりスパイシーでもある肉厚のもも焼きで、アツアツの鉄板で提供される。もも肉は、特製ダレに24時間漬け込んであり、風味が豊かだ。

 神楽坂店では、数量限定の「ハツ」、「せせり」、「ちょうちん」、「白レバー」といった希少部位の変わり鶏串(各150円)が味わえるのもうれしい。同店オリジナル串としてコリコリした食感がする、「ひざなんこつ」(130円)もある。

 鶏料理以外も、築地直送の「お造り盛り合わせ」(1029円)、分量が多くバランスも取れた組み合わせの「てけてけ風コブサラダ」(725円)、オープン以来人気がある「じゃがバター明太子」(578円)、牛肉かと思えるほどの「まぐろホホ肉のステーキ」(725円)、デザート「抹茶のプチパフェ」(399円)等々といったように、全般に創作性の強い、あるいは仕入れから差別化した料理が多い。

 ドリンクは、本格焼酎、果実酒、地酒に力を入れている。某グルメ番組で紹介された女性杜氏入魂の芋焼酎「紫尾の露」(515円)、ジェラートのような独特な口あたりの「あらごし梅酒」(515円)、故石原裕次郎氏や皇太子殿下など著名人のファンも多い福井の地酒「黒龍」(725円)といったように、厳選したラインナップだ。

 ビールは「天然水モルツ」(生410円、瓶515円)が中心、その他、ワイン、カクテル、ウィスキー、サワー、ソフトドリンクと揃っている。

 ランチも営業していて、「博多水炊きスープの鶏団子定食」(790円)など6種類の定食がある。


「てけてけ田町店」 外観


「てけてけ田町店」 名物を大きな看板でアピール


「てけてけ田町店」 地下に繋がる階段でも名物をアピール

 内装は全般に木の温もりを感じつつも、モダンな感覚のする空間に仕上がっている。枯山水が表現されたガラスのテーブルが置かれたカウンター、2名からの半個室、40名まで収容できる掘りごたつの個室など、用途によって使い分けができる。席数は90席となっている。

 社長の坂井氏は法政大学卒業後、スズキ自動車の営業マンを経て、「隠れ家」のような店に特徴がある飲食企業の「てしごとや」などで修業。2000年8月、25歳の若さで、高田馬場に和風創作居酒屋「心」をオープンさせて独立を果たした。現在「心」は神楽坂にもう1店と、「Kokoro」のローマ字表記で飯田橋に1店ある。

 社名の「ユナイテッド&コレクティブ」とは一体感のことで、大学時代に部長も務めたテニスに学んだ教訓である。

 そうした精神面の目標だけでなく、個々の人事管理面では数値目標があり、1人のスタッフが1時間に上げた売上高を判定する、「人時売上高」という指標を採用。5000円以上を目標としている。

「鶏・旬菜・お酒 てけてけ」は一時下がった売り上げを立て直す中で練り上げた、多店舗展開を想定した業態で、仕組みづくりを重視して開発した。

 立地は駅から道1本ほど離れた坪家賃1.5〜1.9万円で、初期投資は5000〜6000万円。昼と夜1回転ずつして、月商1000〜1200万円、FL55%、営業利益20%を想定。

 食材は大手食品メーカーで製造して、半加工状態で各店に配送する。セントラルキッチンは設けていない。料理の平準化は難しい課題だが、細かく調理方法を指示できるレシピシートを作成して実行している。

 同社の年商は10億円だが、「鶏・旬菜・お酒 てけてけ」を中心に攻めの姿勢で、2010年に20店で年商30億円達成、2015年までの上場を目指している。


【鶏・旬菜・お酒 てけてけ 神楽坂店】
住所 東京都新宿区神楽坂3-1 松本ハイツB1
電話番号 03-5261-5870
営業時間 ランチ  月〜金 11:30〜14:00(L.O.13:30) 
ディナー 月〜土 17:00〜23:30(L.O.23:00) 
     日・祝 17:00〜23:00(L.O.22:30)
定休日 無休
客席数 90席
客単価 3000円
経営母体 ユナイテッド&コレクティブ株式会社
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)  2008年3月10日取材
*本文はフードリンクレポート2007.9.14掲載記事から一部抜粋・加筆しております。

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