横浜から総武線で久里浜方面へ10分ほどという便利な立地も手伝って、住宅地として人気の街・東戸塚。駅ビルや多くの飲食店で駅前は賑わいを見せる。そんな東戸塚の地で、17年間地元の人に親しまれてきた店が「きゅう」だ。

　もともとは、居酒屋として人気であった「きゅう」が、最近の東戸塚の住宅の増加にともなう30代〜40代のファミリー層にも気軽に来てもらえる店にしようと、3月9日（月）「自然の恵みや きゅう」としてリニューアルオープンした。


ロゴ


外観


外観

　白いシャツとブラウンのエプロンというさわやかないでたちで店員さんに迎えられて店内に足を踏み入れれば、雰囲気あるモダンな空間が広がる。

　個室席やテーブル席、さらには掘りごたつ席など多彩な造りになっており、20名以上の宴会も楽しむことができる。幼稚園のお母さん同士のお食事会や、メガボ気味なお父さんも一緒の家族ぐるみでのディナーなど、まさにファミリー層が安心して利用できる店になっている。


店内


店内。
　
　料理は、これまでと同様ベテランの職人が腕を振るうが、メニューが大きくかわる。これまでは、酒の肴としての料理がほとんどだったが、「自然の恵みや きゅう」は、野菜料理中心の体に優しい料理をばかりだ。

　こだわりとしては、まず、その素材である野菜。低農薬や有機栽培野菜や地場野菜、ブランドとして確立されつつある鎌倉野菜、サラダは、運営する株式会社エイト（横浜市戸塚区名瀬町／代表・近藤 一美氏）の関連会社である千葉に自社ファームを持つハーブアイランドの野菜など、安心・安全ですと胸を張って言い切れるものだけを使う。

　そして、その素材を味わうために、トライアルとして「きゅう」業態のときに提供し好評だった「バーニャカウダー」や、栄養を丸ごと楽しめる「野菜蒸し鍋」などをメインにお客さまに野菜を楽しめるものが揃う。


「バーニャカウダー」


「野菜蒸し鍋」


自社ファームのハーブサラダ

　また、素材の旨みを引き立てる調味料にもこだわり、試行錯誤の結果、野菜に合う塩3種類を選んだ。それぞれ味付けはしてあるが、塩でシンプルに味わう喜びを感じてもらいたいとの想いから、まず最初に塩をお出しし、説明する。「こだわりの野菜を、是非こだわりの塩で味っていただき、その素材の旨みを存分に楽しんでいただきたいですね。」そう話すのは、店長の長谷川康太郎さん。

　鮮魚にも力を入れており、三崎港直送のものをつかうなど、幅広く楽しめるのも嬉しい。

　また、同店は安心・安全な素材で健康になってほしいという思いから、酒にもこだわりを見せる。これまで多くおいていた日本酒の種類を減らし、果実酒を増やす。また、酒への研究熱心な副店長の三浦義人さんが自信をもってオススメしたいと話すのが、ワイン。

「せっかくお料理で素材のいいものを使っているので、酒でも素材にこだわりました。ワインも有機野菜の葡萄を使った体に優しいものをチョイス。丁寧に作られた葡萄だからこその香りと味わいを楽しんでいただければと思っています。」

　ほかにも、野菜のこだわる同店らしいトモロコシや人参を使った焼酎や、体にいいといわれる梅酒も数多く取り揃える。

　旧業態「きゅう」のときにも、土曜日の晩に気がつけば118席ある店内の8割が女性ということも多かったという経緯もあり、東戸塚で女性に喜んできてもらえる店にしようと業態変更を決めたのだという。


女性をターゲットにしたカクテルも自慢。

「居酒屋が多くある街ですから、ほかとの差別化をという気持ちもありました。そして、スポットで出していたバーニャカウダーも、女性がいらっしゃるグループに多く注文いだけたことが業態変更に踏み切る自信にもなりましたね。とはいえ、もちろん肉料理なども充実しておりますし、これまでと変わらず男性のお客さまにも楽しんでいただきたいです。現在は、これまでどおりの夜時間の営業ですが、お客さまのニーズがあれば、ランチの営業もしていければと思っております。社交の場としてお役に立てれば、そんな気持ちです。」と長谷川さん。

　地域特性を分析した結果、財布の紐を握るのが女性というところに目をつけての業態変更。これからは、野菜料理を楽しみながら「食べて健康」を実感できる野菜料理店として、週末には多くの家族の笑顔溢れる店になっていくことだろう。


長谷川店長(右)とスタッフのみなさん。

【自然の恵みや きゅう】

住所	神奈川県横浜市戸塚区品濃町541-3 オセアンビル1F
電話番号	045-821-0999
営業時間	17:00〜翌5:00（LO翌4:30）
定休日	無休
客席数	118席
客単価	3,000円
目標月商
開店日	2009年3月9日
経営母体	株式会社エイト