RSSフィード

次に流行るお店

串焼と鍋を楽しむ、女性向けメニューが充実した博多料理店
「ジョウモン 渋谷店」
(東京・渋谷/博多料理)

第260回 2009年3月24日

「ジョウモン」人気の博多串焼。
 博多串焼が外国人にも好評な繁盛店、六本木・芋洗坂の「ジョウモン」に2号店が誕生した。

 今回の立地は渋谷・百軒店。今では廃れて渋谷の中では目立たない場所になってしまったが、かつて大正末期から昭和30年代までは映画館が建ち並び、渋谷で最も栄えた繁華街であった。全盛期は東京の山手一の商店街と言われたこともあった。その渋谷・百軒店のカレーライスの名店「ムルギー」の赤レンガ造りの趣あるビル、2階と3階に店舗がある。


外観


2階のカウンター席。


カウンターのショーケース。


2階のテーブル席。


3階のテーブル席。

 ベイシックスの店は看板がなく、わかりにくい店が多いが、この店も「ムルギー」の横に白塗りの壁に縁取られた小さな扉があるだけで、急な階段を上って店舗に入ると、意外な広さに驚く。よく見ると白壁に小さく、「鍋 博多鍋専門店 ジョウモン」と「串 博多串焼専門店 ジョウモン」の文字が見えるが、よほどの注意力がある人でないと気にも留めないだろう。

 元は倉庫として使っていたというが、岩澤博社長がオーナーのムルギー店主と話したところ、「昔のこの界隈は映画を見に来るカップルがあふれていたのに、寂しくなってしまった。百軒店の賑わいをもう一度復活させたいので、力を貸してほしい」と口説かれ、岩澤社長は意気に感じて出店したという。オープンは去る2月17日。ちなみに「ジョウモン」とは博多弁で、“べっぴん”、“いい女”など上質を意味する。

 1号店との違いはメニューに博多水炊きが加わり、鍋料理が串焼と並ぶ柱となっているところ。席数も90席あり、1号店の倍以上ある。

 人気の串焼(150〜400円)は、豚は鹿児島の黒豚、鶏は鳥取の大山鶏の雛鳥、牛はその時々の質のよい和牛をチョイス。勝手串という変わりメニューで、北海道の雄のシシャモ、シューマイ、ニョッキ&ブルーチーズなどチーズ系がよく出る。野菜は国産の野菜20種類と豊富なラインナップだ。


人気の串焼(150〜400円)。

 また、刺身は熊本直送の霜降り桜肉の馬刺(1480円)、大山鶏の刺身(レバー、ハツ、ズリ、ささみ4種盛り合わせ880円)などの注文が多い。鍋料理は、博多もつ鍋(セット1人前1300円)は味噌味で、味噌は白味噌の西京味噌を中心に、4種類をブレンドし、豆乳でコクとまろやかさを出した新感覚のものだ。


熊本直送の霜降り桜肉の馬刺(1480円)。


博多もつ鍋(セット1人前1300円)。

 一方で、博多水炊き(セット1人前2000円)は薩摩鶏のガラを12時間煮込んだ、コラーゲンたっぷりの白濁したスープで味わう正統派。野菜はキャベツ、ニンジン、博多ネギ、豆腐、シラタキが付いてくる。

 シメにお勧めなのは、キラキラ光るスープの鶏ガラのラーメン(580円)、南部鶏の卵に九州のうま口醤油で食する卵かけごはん(300円)である。

 デザートは日替わりで5種類がセットになる、盛り合わせプレート(980円)が人気となっている。


デザートの盛り合わせプレート(980円)。

 ドリンクでは、主力は80種類以上ある焼酎(500円〜)。ビール、日本酒、ワインなども楽しめるが、特徴的なのは梅酒(500〜800円)と果実酒(450〜600円)が多めなこと。しかも、バナナ梅酒、塩キャラメル梅酒のような変わり梅酒、マンゴー、みかん、イチゴなど普段は飲めない果実酒がいろいろ賞味できる。

 コラーゲンの鍋、バラエティに富んだデザート、梅酒や果実酒の充実と、全般に女性を呼び込むメニュー構成であると言える。

 古民家風の内装デザインはスタジオムーンの金子誉樹氏。2階は屋台風のコの字型カウンターがメイン。3階はアンティークのランプが趣がある掘りごたつの座敷と個室と、顧客が用途によって使い分けられるようになっている。

 顧客層は3:7で女性が多く、20代後半が中心で系列店からの流れてくる人もいる。

「スタッフの頑張りでお客さんを付けていく店なので、表から目立たないこともあって、入りはボチボチですが、思ったよりいい感じで来ています。業界関係者の方にも数多く来ていただいています」と岩崎洋平店長は、リピーターも少しずつ出てきたので、手ごたえを感じている。

 難しい立地での成功例も多いベイシックスだけに、蓄積してきたノウハウを活用すれば、繁盛店になれるだろう。この店が呼び水になって、百軒店の世代交代が進めば一躍渋谷の注目エリアへと変貌するに違いない。


岩崎店長(左端)とスタッフのみなさん。


【ジョウモン 渋谷店】
住所 東京都渋谷区道玄坂2-19-2 ムルギービル2・3F
電話番号 03-6416-1633
営業時間 17:30〜24:00
定休日 無休
客席数 90席
客単価 4200円
目標月商 1000万円
開店日 2009年2月17日
経営母体 株式会社ベイシックス
※取材当時の情報です。変更されている可能性がありますので訪問される場合は、店舗にご確認下さい。
長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ)     2009年3月23日取材

Page Top