デパートやファッションビルが立ち並ぶ大通りに面した新宿３丁目。明治通りと新宿通りに挟まれた一角には、新旧の居酒屋、バー、レストランが軒を連ねている。副都心線の開通以降、飲食店の激戦区となった新宿三丁目。

　その新宿三丁目を中心に13店舗に及ぶ飲食店を展開する株式会社ワルツ（東京都新宿区、代表取締役・大竹信子氏）は、2009年4月10日に「MARUGO GRANDE（マルゴー　グランデ）」をオープン。「MARUGO（マルゴー）」（2006年5月開店）、「MARUGOⅡ（マルゴー　セカンド）」（2007年10月開店）に続く3号店となる。


洗練された個性的な印象を感じさせる外観。

　大学時代から飲食業に携わる株式会社ワルツの大竹信子社長。インテリア設計事務所「スーパーポテト」の設立者であり、商業空間デザイナーの杉本貴志が手がけたジャズバー「ダンス」を皮切りに、有名デザイナーを起用した個性的な店作りを行っている。

　今回オープンした「MARUGO GRANDE（マルゴー　グランデ）」のデザインを担当したのは橋本夕紀夫氏。カフェ、高級料理店などの飲食店だけでなく、外資系ホテルのインテリアも手掛ける。空間の奥行きを感じさせる内装は、シンプルでありながらも洗練されている。店内中央には、螺旋階段を取り囲むようにワインセラーが設置されている。


その存在感に圧倒されるワインセラー。

　これまでの「MARUGO」にない120席という大規模の店内は、2フロアで構成。1階は立ち飲み感覚のバールの雰囲気。そして地下はベンチシートに座ってくつろげるようになっている。


地階にはカウンター席も用意。


落ち着き、温かみが感じられるライティング。

　店名に冠せられた「GRANDE」には「MARUGO」の集大成として、「最大限」の意味が込められている。ワインセラーには、イタリア・フランス・カリフォルニアをはじめ、ニューワールドなど2300本ものワインが揃う。フランスワインをメインに扱う1号店には400〜500本、イタリアワインを中心とした2号店は800本。ニューワールドも豊富に揃えた3号店は独自の意気込みが感じられる。ボトルワインは2800円〜で、幅広い客層をターゲットにしている。


セラーには常時2000本以上のワインが並ぶ。


黒板にはその日のオススメメニューが。ワイングラスにもこだわりがある。

　店内の壁に備え付けられた黒板は、取り外しが可能。日替わりやオススメメニューが書かれている。「MARUGO Ⅱ」から取り入れ、スタッフをはじめお客さんにも好評だという。


ワインバーでありながらも、本格的なイタリアンを提供。

　料理は「MARUGO Ⅱ（マルゴーセカンド）」出身のシェフが“トラットリアとワインバーの融合”を狙った本格イタリアンを提供。旬の素材の持ち味をいかし、シンプルに調理。食材は富士朝霧高原の放牧豚や長野県産ハーブ鶏、提携農家直送の有機野菜を使用。イタリア・エミリア・ロマーニャ地方の焼きパン「ピアディーナ」や小鍋を使った“ココット料理”は「MARUGO GRANDE」オリジナル。自家製の焼きたてパンやデザートのほか、チーズも豊富に取り揃う。




毎日焼き立ての自家製パンを提供。

　テーブルは「MARUGO GRANDE」オリジナルの工夫がされている。蓋で開閉できるワインホルダー用の穴が開いている。

「これまでのマルゴーでは、狭く人が通るのに肘がぶつかってワインボトルが倒れそうになり、ヒヤヒヤすることがありました。ワイン専用の置ける場を用意しよう、というのがきっかけですね」と話す同店スタッフの白川功さん。さらに、シルバーについても、「テーブルを有効に使えるように、フォークやスプーンの置き場をテーブルの下に作りました」。


各テーブルにはワインホルダーも設備されている。


シルバー置き場は、引き出しに。

　同社は「新宿三丁目」という特定エリアに集中したドミナント戦略をとり、各店舗、スタッフの特色をいかし、効率的に事業を展開しているが、今後は、丸の内の商業施設にも出店を計画する予定。

　東京メトロ・副都心線が開通して以降、人の出入りが大幅に増えた新宿三丁目。イタリアンテイストのバールであり、トラットリアとしても利用できるワインバー。カテゴリにとらわれない新しいスタイルが、新旧渾然の街に根付きそうだ。

【MARUGO GRANDE （マルゴ　グランデ）】

住所	東京都新宿区新宿3-6-14 新世界ビル1F
電話番号	03-6457-7305
営業時間	17:00〜26:00
定休日	無休
客席数	120席
客単価	平均　3500円
目標月商
開店日	2009年4月10日
経営母体	株式会社ワルツ